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Pentax K-5IIsを使ってみたけどその前にPentaxのシャープネスを考える

2013年12月01日 00:00

十二社のニャンコ

十二社のニャンコ

Pentax K-5IIs, Sigma AF17-70mmF2.8-4OS HSM

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前回の記事からの続きネタ、お待たせしました!、と言いたかったが、その前にPentaxのシャープネスを語らないとならない。

すでにPentaxカメラをお持ちの方はご自分でテストされれば良いが、Pentaxカメラを使ってみよう、そんな方で、Pentax特有のファインシャープネス、エクストラシャープネスがノーマルシャープネス(以下それぞれFS、ES、NS)とどう違うのか?、これに興味のある方もいらっしゃるだろう。

本来、この手のスペック、機能の話はネットで検索すれば幾らでも拾ってこれる筈なのに、なるほど!、納得!、なる記事がほとんどないのが現状。以下、独断であるが、少しでも皆さんの参考になればと思う。

Pentax曰く、NSは一般的なアンシャープマスクと同様で輪郭部分に線を補足したり太くしたりでコントラストを付けているが、FSは線の太さをなるべく変えず、色の濃淡でコントラスト強調する、そしてESはそれが線でなく、馬のたてがみのように非常に細かい多く線を輪郭に配し、シャープネスを上げているらしい。

※FSを2倍まで拡大してみると、単に濃淡でコントラストを付けているのでなく、やはりESのように1本の線でなく複数の線でコントラストを付けているように見える

判りやすいのはK-5系、K-7、645Dに付属する褒めるところが全くない現像ソフト、Pentax Digital Camera Utility 4(以下PDCU4)。これはカメラ内の画像処理エンジンではなく、Silkypix独自のエンジンを使っており、RAWをPDCU4で現像する際、シャープネスを+4にしてくると、物凄く太い線が輪郭が付くのが判る。カメラ内のNSはそれほど太くは無いが、原理としてはPDCU4と同じ。

※PDCU4でFS、ESは再現出来ない、またK-3付属のDCU5はFSの再現は可能になったが現時点でESは不可

ネイチャー系の風景を撮影する場合、山の稜線や木々の葉の輪郭がNSだと太く感じ、フィルムとは異なる絵に見える、ユーザーからそんな苦情が舞い込んだそうで、それでFSを考案し、さらにFSでも空と稜線の境界に実像にはない色があるのは気持ち悪い、そんな要望を聞いてESに進化したとの事。限りなく輪郭の太さを変えずにシャープにしたのがFSでありESだと言う。

シャープネスの表現がNSと、FS、ESとでは違う、これをまず判って頂きたい。そしてFS、ESは細かな輪郭が多く配置されている写真に特に効果を発揮してくれる。つまり、遠景で森や林と言った木々、葉っぱを撮った際に違和感がなく、かつ素晴らしい解像感を得られる。

K-5IIsが発表された時、どこぞの提灯持ちだかが「見えなかった風景が見えてくる」と抜かしていたが、それはローパスフィルターレスの恩恵よりもFS、ESの力が強い。FS、ESの凄さはNSでは見えなかった風景がホントに見えてくる。空に溶け込んだ細い電線や、遠景の鉄筋建築物の小さなボルトの山まで見えてきたりしちゃう。それほど、細かい輪郭を見つけそこを強調しようとするのがES。

細かい輪郭にコントラストを付けるので、反対に輪郭が単純な風景や、近景は向かない。線だけでなく、面にまでシャープが掛かるからだ。ESを最大の+4にして青い空を撮ってみればそれはすぐに判る。本来無地、青一色の風景なのに、等倍で見ると、高感度フィルムを利用したかのようにシャープノイズが浮いて見える。これは空だけではない。模様の無い建物の壁や人の肌にもそれが見えちゃう。

そしてESは0設定でも+4よりは遥かに綺麗だが、ISO感度によってはシャープノイズが目立つ。だから髪の毛や睫毛がキリリと見えるからと言って人物にESを使ってしまうと肌が汚く見えるし、町写真でも単純な構成の風景だと面の部分にシャープノイズが出てしまい、感度を上げるとそれが最も醜いラーメンノイズと化す。

ESとFSは一概に何が違うとは言えないが(Pentax自身もそれを上手く説明出来ていない)、単純に処理の強さと考えて良いと思う。FSよりもESの方が効果が強い(例えばFSの最大の+4とESの+1~+2がおおよそ同じ解像感とシャープノイズになる)。

特にESはISO400を超えると、画像に高感度ノイズも入り、ピントのあった範囲ではそのノイズすらシャープにしようとするので、使用感度、風景によっては絶対に使えないシャープネスになってしまい、万人には決してお勧め出来ない。

ESが使えるシーンは、複雑な遠景、1つ1つの風景が小さな輪郭の集合体で、ISO感度が400まで。やはりネイチャー系の風景がマッチする(細かい輪郭が沢山ある風景ではシャープノイズが目立たない)。

そしてISO感度が400を超えるようなシチュエーションであったらESは使わない方が良い。数値を-2~-4にすればシャープノイズは激減するが、それだとシャープ量そのものが弱くなり、意味が無い。だからそんな時にFSを使う。

私が得た感覚ではES-1がFS+2と似たような解像感を得られる。勿論ES-1の方がシャキッとしているが、FS+2の方がシャープノイズが少ない。普段の私は太陽が上のドーンとあるようなドピーカンではES-1を使い、天気が悪かったり、夕方になるとFS+2に切り替えて撮影している。単純な話で、ISO400まではES-1(ネイチャーフォトならES0)、ISO400を超えたらFS+2。

※FSもESも複雑なアルゴリズムで作用するようで、ESでISO800で全く違和感がない写真もあるし、FSでISO400くらいで、なんじゃ、この輪郭に沿って出ている妙な黒い線は?、とびっくりする時もあるので、一概にどちらが良いとは言えない

残念なのがPentaxのカメラはISO感度別にシャープネスを設定出来ないから、常にISO感度を確認しながら撮影しないと、ISO1600でESを使ってしまい、ガリガリな写真を生産しちゃったりする。勿論、そんな時はカメラ内現像で再度現像し直せば良いが、再現像するくらいだったらLightroomで仕上げた方が楽。

ではお勧めの設定とは何?。

好みは千差万別、解像感とは個人が感じるものだから一概には言えないが、Pentaxカメラが初めての方ならまずはNS+1~+2くらいから試すのが良いと思う。

これで満足されるのならFSもESも使う必要は無い。と言うのもFSとESは上述の通り、複雑なアルゴリズムで特に細かい輪郭を見つけてシャープネスを掛けるので、処理に時間が掛かる。NSよりもFS、ESの方が1枚をSDカードに保存するのに0.5秒近く遅くなる。

だから撮影後にコマを確認したり、Pentax特有のクイックビュー(メモリ内だけに画像を保存する)で確認するとFS、ESを使っているとワンテンポ遅れて背面の液晶に表示され、急いでいると結構ムカつく。特に連写を多用される方はFS、ESは相当イライラすると思う。

※これはK-5系までのカメラに言え、画像処理エンジンが進化したK-01、K-30、K-50、K-3では全体の処理速度が上がっているから恐らく気にならないだろう

NS+2で輪郭が太い、もしくはもっと解像感が欲しい、そう思って初めてFS0~+2を試してみよう。FS+2にすると劇的に写真が変わる筈だ。ネイチャーで+4まで上げたら感動するレベル。そしてISO400を超えた辺りからシャープノイズが出るが、FS+2よりも細かい部分をより描写してくれるのがES-1~ES+1である。ES+2以上はISO200まで限定で、特にカリッとさせたい時。

困るのがPentaxのカメラのシャープ量の目盛り、+1か+2か、はたまた-1か0か、この数値1つの差はなんとなく見ているだけだと等倍でも判り辛い。そんな時は倍率を2倍にして見ると良い。シャープの線がどのように配置されているか、ノイズがどう出るかが判ってくる。

※言い換えるとA3程度のプリントなら数値1つの差なんてないと思って良いし、A3プリントではNS、FS、ESの区別すら付かない時も多い。シャープの弱いNS0と強いES0は区別付くが、等倍で見て似たような解像感になるFS+2とES-1はプリントしたら全く判らない。

日中、うん、確かにES-1は非常にクリアーで解像感がある!。そう思っても、夕方以降、夜景を撮ったり、または屋内と言った暗い場所で撮影するときっとお口があんぐりするくらいのシャープノイズでたまげる筈。だから、日中、夕方、夜景、屋内、この4つのパターンでシャープネスを頻繁に変更するべき。

※だからこそシャープネスの強さも登録出来るK-5系の5つのユーザーモードは大いに活用出来、それが3つに減ってしまったK-3には超~ゲンナリし(本気で不愉快な仕様だ)、だから次期主力カメラとして突然K-5IIsが浮上した

そして私は「日中屋外はES-1、ISO400を頻繁に超えるようになるとFS+2、夜景や廃虚等の屋内ではNS+2かFS+2、コンポジット合成用写真はES+4」が基準で、ユーザーモードにはES-1とFS+2、そしてコンポジット用のES+4の3つが登録されている。

※ユーザーモードでシャープネスを設定するのでなく、シャープネスはカスタムイメージ内の一項目なので、ユーザーモード毎にカスタムイメージの値を変更し、それを保存している

またもう1つ手がある。万能なのがFSだと思うので、どんな風景でもFS0~FS+1。余程しょ~もないレンズを使っていない限り、可もなく不可もなく、NSより解像感が高く、シャープノイズもNSとさほど変わらないレベル。だからISO1600くらいまで安心して使えると思う。

勿論、より解像感を得たいのならFS+2以上やES。でもあえてそれを使わずに、手間が増えるけど、FS0で作られたJPGを元にLightroomのシャープネスで輪郭だけを縁取る。Lightroomは一般的なアンシャープマスクを採用しているようだが、シャープの半径を1より小さくし、マスク処理を施すと面にシャープが掛からず、輪郭部分だけにシャープが掛かってくれる。

しかもブラシや段階フィルター、円形フィルターを利用すれば部分的に簡単にシャープを掛けられるし(その際はシャープ量しか変えられないが)、設定をコピー出来るので、大量の写真に同じ量のシャープネスを加えるのならPhotoshopよりも遥かに便利だ。

JPGファイルをレタッチすると画質が落ちると言われるが、この表現は頂けない。JPGからレタッチしてJPGで保存、これを繰り返せば徐々に劣化するし、極端に露出の上げ下げを行えば情報量の少ないJPGだから著しく劣る写真になってしまう。しかしたった一度シャープネスをいじるだけ、そしてTIFFで保存すればその劣化は人の目には感じない程(多くの写真屋さんはTIFFからのプリントが可能)。

さて、ここで問題のK-5IIs。K-5IIsの画質はRicoh GXRのA16レンズユニットでおおよそ想像が出来る。となると、K-5でES-1~0で満足しているから、これを-2にしたり、ESを使わずにFS0でK-5のES0と同等の解像感を得られるとしたらどうだろう?。

FSとESはNSよりもシャープノイズが多くなるが、シャープ量を減らせるのだからES-2のままISO1600まで使えたり、FS0を使って、後でLightroomでシャープを高めずにどんな風景、感度でも使えたらどんな楽だろうか?。上に述べた通り、ファインダーで毎回ISO感度を確認しなくても良い、どんな風景でもずっとFS0で撮れたら楽チンそのもの。だからこそK-5IIsに興味がある。次回、やっとこさそれらを検証したい。

本日の写真、ISO1600、ES0で撮影している。これまでの話だとこの感度でESを使うのは言語道断。でもこれくらい明るく写していれば、ごちゃごちゃした風景では多少ギスギス感はあるにせよ、等倍でもさほどノイズが多いとは感じない(A3~A2プリントでは全く気にならない筈)。

だからこの手の風景ばかりを狙う時はISO400を超えても面倒なのでESのままで写真を撮っている事も多々あったりする。

下にJPG像を切り出してみた(クリックで等倍)。このレンズ唯一のウィークポイントの焦点距離70mm(絞りはF8)で撮影しているが、ローパスフィルターレス&エクストラシャープネスだからもうちょっと解像しても良いかな?、とは感じる。


参考1-JPG


参考2-JPG


但し、くれぐれも高感度域にて、単純な構成の風景や夜景でESを使っちゃ駄目。特に夜景ではISO800でもESを使うと笑っちゃうくらいガリガリな写真になる。

せっかくなのでLightroomであえてシャープ量を0にした像も切り出してみた。かなりボヤッとしているが、それでも0でこれだけ見えていれば十分だ。A4プリントならこのままで行けると思う。


参考3-Lightroom-s0


参考4-Lightroom-s0



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コメント

  1. ココロトレール アキオ | URL | -

    ある程度のものさし

    kー5を使用していて、選択肢の多さに楽しかったりするんです。しかし、この機能をどんな時に使うとこんな風に撮れますよ、とペンタックスの説明書に指針の様なものさしが無くて、kー5の潜在的な凄さと楽しさをこっち側に伝えて無いと思ってます。そこにこの記事、kー5の発売前に、これがカタログに掲載されていたなら、新規客をもっと増やせたと本気で思う。メーカーはスペックをひけらかすだけでなく、それを使ってどんな写真が撮れますと見せる事で、ワクワクさせるのが大事です。売れてる俳優のCM使うのは無駄です、いつも拝見しとりますがペンタックスから何か貰ってもいいように思います。

  2. BigDaddy | URL | -

    > ココロトレール アキオ さん

    お褒めの言葉、ありがとうございます。そうですねぇ、ペンタからボールペンとストラップを貰った事があります(笑)。カメラくれれば、嫌と言う程提灯持ちしてあげるのに・・・。まぁそれは冗談として、どうも色々なレビューを見ていると、機能の解説、もしくは褒めるだけなのが多く、K-5に限らず、どんなカメラでも、ここを語らねばならんだろう!、と言うのが割愛されているのが納得行かず、うちでは細かい事ばかりを書いています。

    仰る通り、Pentaxにあって他にないのがシャープネス特性で、何故これをもっと強調しないのか不思議でなりません。しかも今はRAW撮りが当たり前の風潮がありますが、これもカスタムイメージや、ダイナミックレンジをいじれば、撮って出しJPGで十分、もしくはJPGから加工した方が良くなる写真が多いんですよね。

    あと俳優を起用するのは良いとして、起用するのなら、各種生イベントにも向井さんを登場させれば、女性ファンはそういうイベントに行く訳ですから、AKB商法じゃないですが、向井さんのサイン入り、Pentax K-3で撮影した写真がもらえるぞ!、とかでも良いと思うんですよねぇ(笑)。

  3. vevey | URL | Gt1Li3vQ

    猫にも保護色ってのがあるんでしょうか?背景への埋没度が半端じゃないですね。

  4. BigDaddy | URL | -

    > vevey さん

    あはは、確かにそうんですよ。このコマ、最初は猫を狙ったものじゃなかったんです。廃屋を狙っていて、おやっ?、もしかして猫か?、と言う事で、近寄って初めて猫が寝ているのに気付いたんです(笑)。

    ライオンや虎が保護色だと言うのですから、そこらの猫も先祖からのDNAによって保護色っぽいのかもしれませんね。

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