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記憶色、そして創造色

2014年01月04日 00:00

自転車のある風景

自転車のある風景

Pentax K-3, Sigma AF17-70mmF2.8-4OS HSM

※ブログに視覚要素を加えるlightboxを導入しています。上記画像をクリックすると少し大きな画像をポップアップして見る事が出来、暗くなった部分をクリックするか、画像下部のCloseをクリックすると元に戻ります。



※本記事掲載の写真はRicohからモニターでお借りしているPentax K-3で撮影したものです

前回の記事では日本と欧米の写真の色彩感覚について勝手に述べた。今回はその続き・・・。

写真の世界には記憶色なる言葉がある。忠実色(見たままの本当の色)に対し、人間が勝手に思い描いた「こういう色だったに違いない」と言う、一般に忠実色よりも綺麗な状態で脳に記憶されている。

一番判り易いのが果物だろう。バナナは黄、リンゴは赤など。これは子供の頃の絵の影響もあるんだと思う。緑掛かったバナナもあるし、くすんだ赤いリンゴだったりもする。仮に物心付いた子供が、それらを見てバナナを黄緑に塗ったり、リンゴに赤と黒を足したような色使いをしたとする。

でも大人達はその絵を見て「バナナは黄色でしょ、リンゴはもっと赤い色をしているんだよ」と教育しちゃう。以降、子供は叱られるのを嫌がり、緑掛かったバナナでも黄しか使わないし、青リンゴでさえ、赤に塗るかもしれない。そうすれば反対に褒められるのだから(笑)。大人による洗脳である。

記憶色について調べていたら、やっぱりなと感じた内容があった。それは桜について、「本当は限りなく白に近いのに桜=ピンク、そんな図式が当たり前になっている」と言うもの。確かにそう。子供の頃から桜は白だと思っていた。でも周囲はピンクって言うんだよね(笑)。

そして尋ねると「確かに白いけど、ちょっとピンクが入っているね」と言う。おいおい、それってピンクじゃなくて白だろ!、と思うのだった。

日本は古の時代、色に関しては記憶色を通り越した、何だろう、創造色とでも言えば良かろうか?。そんな世界があった。江戸時代の浮世絵、錦絵なんて明らかに忠実色ではない。絵師が好き勝手に「らしい」色を落としているに過ぎないし、絵師の意図を反して、版元や摺り師が好き勝手に着色しちゃっている事も多かったろう。

こいのぼりだって鯉をモチーフにした飾り物であるが、鯉があんな色をしている筈もない。日本における最高の抽象画かもしれない。そんな時代を経たから桜は白じゃなくピンク(桜色)になったんだろう。

この文化があり、しかも明治時代に西洋の派手な文化も入ってきたのだから、これだけを考えると、日本人の色に対する美的感覚は相当派手な筈!・・・、なのに前回の記事に書いた通り、カメラマンは地味な忠実色を好むような気がしてならない。

とは言え、そうじゃないでしょ!、なる人達がいるのも確か。トイフォト、クロスプロセス、銀残し(ブリーチバイパス)と言った変り種のイメージ色がデジタルカメラに搭載される事になった。これらはフィルム時代から存在していたが、ほんの一握りの人達だけの世界だった。それがデジタルになり普及した。

そしてこれらの色彩感覚をメジャーにしたのがOlympusのアートフィルターの存在だろう。ポップアート、ドラマチックトーン、ジェントルセピアetc・・・。

ところがこれには残念なお知らせがあった。それは誰が見てもOlympusの写真になっちゃう。カメラマンの個性が全く見えてこない。Olympusの広告を無料で引き受けているようなもの。初代PENが発売された当時はまだPENへの認識度がなかったから、これらの写真を見ると「おおっ!」と唸ったものだが、今は「嗚呼、Olympusを使っているんだ」と頷いちゃうだけ。

E-P3までのOlympusのカメラはデフォルト設定だと低感度ISOでもノイズリダクションが掛かり、上記のアートフィルターと組み合わせると写真じゃない、塗り絵にしか見えなかった。そこで忠実色派がまた盛り返しちゃったんだろうな(笑)。やっぱり写真は絵じゃないよって。

またOlympusのPENが流行る前、コンパクトデジタルカメラの世界は派手一色だったらしい。勿論、コンデジであっても忠実色に近いナチュラルな発色も選べるのだが、写真初心者やデジカメ初心者なら、そりゃぁ派手な色を選ぶって。

でも写真玄人達はそこでも彼らをののしった。色が派手でコントラストを付けたら誰でも良い写真だと勘違いをしちゃうよね。写真は色を見せるのでなく、風景を見せるんだ・・・。挙句の果て、記憶色でさえ派手だからNOと言う。

うーん、確かに一理はあるが、カラー写真は色だけを見せるってのも「あり」でしょう。勿論、忠実色に拘るのだって「あり」だ。

でもこれらの論争?、はデジタルカメラならではのもの。フィルムではポジフィルムとネガフィルム、ベルビアとそれ以外のフィルム、せいぜいその程度のもので、ブラインドテストで、ベルビアで撮影した写真とプロビアにPLフィルターを装着して撮影したものを見抜くのは難い。

だからあれこれと悩むよりも「デジタルカメラを手にしているから楽しめる」、そう思うのが良く、自分好みの色を見つける時代に突入していくんだなと感じているのだった。これからは忠実色、記憶色に加えて、各自が創造色を楽しめば良いだろう。

本日の写真、Pentax K-3からの1枚。カスタムイメージの「リバーサルフィルム」っぽい描写だが、全く違う。これは「ポップチューン」を使っている。この風景にポップチューンは正直全く合わないが、彩度-2、色相-4、キー+2、コントラスト+4、コントラストハイライト+4、コントラストシャドー-4にしたもの。

ポップチューンは派手過ぎて気持ち悪い、だから使わない・・・、そう考えるのでなく、それぞれの設定項目を色々と組み合わせてどこまで詰められるか、それを考えると面白い。

Pentaxのカスタムイメージは1つ1つ、結構弄れるのでとても面白い。K-3は11種類のカスタムイメージがあるので、ここから好みの色彩を探すだけでも数ヶ月遊べる。またホワイトバランスも新たに加わったマルチパターンホワイトバランスは時折見事はバランスになってくれるし、他のモードでも細かく設定を弄れるので、吊るしの表現でもオンリーワンにもなれる。


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コメント

  1. LTA | URL | bKQRleYY

    一目で自転車が妙に浮き上がって見えましたね~

    桜は白です!撮ってるので分かります。
    ピンクの桜があると目立つこと目立つこと。

    ・・どこかの書き込みにあったと思いますが
    スピードブースターはアダプタ内に集光レンズを入れて
    イメージサークルを縮める(フランジバックも短く)ことで
    APS-Cでもフルサイズの画角と1段上の明るさを実現するものですが
    ・・ペンタでとは聞いたこと無いですね~。PENQとかですかね?
    一眼レフだと、アダプターの後ろに大きくレンズが繰り出すと思いますし、
    ・・??)フランジバックが短くなるわけですから無限が
    でないのでは・・・??

  2. i.Marks | URL | -

    本年も、宜しくお願いいたします。
    それぞれのモニター環境にもよるのでしょうが
    この、タイルの色はそそられます!
    もちろん、ペンタのブルーも (笑

  3. エゴイスティック シーレ | URL | -

    写真の色

    こんにちは。
    私はフィルム時代は、かなりあれこれフィルムを試してました。
    富士なら標準がスペリア系ならプロはプロやNF、コダックはロイヤル系とポートラ系(これも二種類ありますね)、アグファならウルトラ50は色飽和しやすいとか、などなど、被写体や狙った効果によって使い分けてました。

    デジタル時代になり、Rawで撮ればあとで幾らでも変更可能で、しかもカメラ内現像が出来るようになり、非常に便利になりました。

    だからとりあえず好みの設定で撮ったあと、ああだこうだ、と現像を楽しんでいます。

    写真のポップチューンですが、撮ったあとで現像で設定変えてますよね?
    事前にセッティングするとしたらかなりの試行錯誤があって初めて出来るものだと思いますので、本当に自分好みは何なのか追求するのか好きじゃないと出来ない芸当だと思います。それだけカメラマンがこだわり抜いている証拠でしょうね!

    それはさておき、各種のエフェクトがあるのは写真の楽しみが拡がってありがたいです(*^_^*)

  4. BigDaddy | URL | -

    > LTA さん

    上手い具合に色が仕上がってくれました。デジタルは色で遊べるから面白いです。

    桜、白ですよね(笑)。でも仰る通り、たまぁにピンクがあるんですよねぇ。昨年、高田馬場の面影橋周辺で、ピンク桜を見て、たまげました。これがホントの桜色だよなぁと。

    スピードブースター、情報ありがとうございます。集光レンズですか。そう言われてもちっともピンと来ない私です(笑)。いずれにせよ、もし、フランジバックの長い一眼レフでそういうのがあれば、面白いですよね。50mmF1.4が75mmじゃなく、50mmF1.0相当の画角と明るさになるんだったら、一度は使ってみたいです。

  5. BigDaddy | URL | -

    > i.Marks さん

    ありがとうございます。
    こちらこそ今年もどうぞ宜しくお願い致します。

    そうですよね、モニター環境によって、えげつなく見えている方もいらっしゃるかもしれませんよね。まぁそれは仕方がないと諦めています。例えば、本当はドアンダーで輪郭がやっとこさ見える、そんな写真も掲載したかったりしますが、環境によって半段でも明るく見えちゃうとカッチョ悪くなる筈と判っており、そういう写真はあえて載せないようにしています。

  6. BigDaddy | URL | -

    > エゴイスティック シーレ さん

    再びコメントをありがとうございます。

    様々なフィルムを使われていますね。私はその辺、結構いい加減で、量販店でその都度割引率の高いフィルムを大人買いしていましたねぇ(笑)。んで、色が悪い!、とか文句を言ったりと・・・。でもアグファは多分ほとんど使った事がありません。彩度が高いフィルムを作るメーカーだと言われていますよね。

    デジタル時代からはフィルムでやりたかった事がほぼ全て行えるようになったので、仰る通り、便利ですし、楽しいですよね。

    さて、この写真はその通り、撮ったあとの現像処理で変えています。今後、このイメージはこの設定が自分のデフォルトとなりそうです。

    主観でしかありませんが、カメラ内で色々と弄れるのなら、せっかくの機能だから、まずはそれで色々と変更して、遊ぶべし、そう思っており、そこから好みの色合いを見つけ、それに固執し、飽きたら他のイメージを試し、その繰り返しで、現像、レタッチ処理が上達するんだと思っています。

    まぁ、私の場合は、こういう作業が好きですから、時間を無駄にしてもやるんですけどね(笑)。

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