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Pentax K-3 レビュー その16 K-3のHDR AUTOよりも・・・

2014年02月05日 00:00

廃ボート

廃ボート

Pentax K-3, SMC FA50mmF1.4

※ブログに視覚要素を加えるlightboxを導入しています。上記画像をクリックすると少し大きな画像をポップアップして見る事が出来、暗くなった部分をクリックするか、画像下部のCloseをクリックすると元に戻ります。



一連のレビューは1月中旬までRicohからモニターでPentax K-3とDA18-135mmF3.5-5.6に対するもの。今回は大幅に処理速度が上がり実用的になったHDR処理について書く。

Pentax K-30、K-50は使った事がないので不明だが、少なくともK-5のHDR機能はあまりにも制限があり過ぎて実用的ではなかった。

連写の際のズレを修復し、1枚に合成してくれるのは手持ち撮影には便利であったが、合成に30秒近く、これは時間が掛かり過ぎる。そしてその間、カメラの一切の処理を否定する。シャッターすら押せないのだ。

またK-5のHDRはJPGファイル保存時のみにしか利用出来ず、RAW、もしくはRAW+JPG保存にしていると、HDR機能は選べない。だからRAW、RAW+JPGで撮影の際、HDR合成する時は、まず保存形式をJPGのみに変更し、それからHDRを選ぶ。撮影後、再び保存形式をRAW、RAW+JPGに戻す必要があった。

これはHDRモードとしてユーザー登録すれば良かっただけだが、いずれにせよ、30秒も何も出来ないのは辛く、購入当初は面白くて幾つかの風景で使ったが、すぐに飽きてしまい、以降ほとんど使用しなかった。

ところがK-3ではRAWも保存出来るようになり、ユーザーがHDRで撮影する為にいちいち保存形式を変える必要がなく、また30秒も掛かった処理は10秒以下に短縮され、十分に実用的になった。だから使わない手はない。

さて、ここで疑問。RAWでも保存出来るのはあり難いが、今一歩、その意味が不明だった。同じくK-3のモニターをされていた型落ちハンターさんも疑問を投げかけていた。

K-3 HDRの効果と深まる謎

上の記事が掲載される前、勝手な憶測で、保存されるRAWはてっきり撮影枚数の3枚だと思っていた。ところが保存フォルダを参照しても1枚しかない。そして型落ちハンターさんも書かれていた通り、HDRしたRAWファイルだけが突出してファイル容量がでかい。うーん・・・。

型落ちハンターさんが、DCU5で何か出来るのではなかろうか?、なるヒントを書いて下さっていた。そこでDCU5を立ち上げ、適当にメニューを見ていたらツールメニューの中に「HDR RAWの分解」なる項目を見つけた。

なるほど!。HDRした場合は1枚のRAWファイルの中に3つのRAWが含まれているのね!。これは取扱説明書に、ハイライト補正と同じく、不備があると言わざるを得ない。

K-3のマニュアルのHDR撮影のページにはその事が一切書かれていないし、DCU5のヘルプファイルにもメニュー項目の説明部に他の機能と一緒に表のセルの1つに「HDR撮影で1ファイルにまとまった3枚の画像を、1枚ずつのRAWファイルに保存します」と記載されているだけ。

これ、誰が気付く?。たまたま気付いたから良かったものの、型落ちハンターさんがヒントを下さらなかったら、お客様相談センターに「このHDRのRAWって何に活用出来るの?」と質問していたところだろう。

この手の取扱説明書の不備は何もRicohだけではないのだが、今回のHDR機能は、K-5からのステップアップ組からすれば目玉の1つ、夢のような機能・・・。お座なりだと感じる。Ricohになってからもユーザーへのアピール下手は否めない。

そもそもこれは取り説やヘルプファイルの問題ではない。良心的なソフトだったら、ファイルを読み込んだ時点、もしくは1枚選択で現像処理をしようとしたら「HDR撮影されています。RAWデータを分解しますか?」なるメッセージが表示されて、ユーザーにそれを気付かせるようにするんじゃないか?。

またこの手のイレギュラーな設定は、たとえ良心的でなくとも、一般的なソフトでも、オプション項目の中に「HDR RAWは自動的に分解する」なるチェックボックスがあって然るべき。

もっと言えばわざわざ3枚の写真を1枚のRAWファイルに収める必要があったのだろうか?。どうやらこの3枚は構図のズレもそのままになっており、DCU5で分解すると従来の3つのRAWファイルになるだけ。

この欠点は、この3枚のRAWに分解するのにDCU5を立ち上げなくちゃならない点。現像処理をLightroomで行っているユーザーもHDR RAWを分解する為だけにDCU5を使わなくちゃならない。だったら普通に+-2EVのオートブラケティングした3枚として出力すれば良いだけなんじゃないかな。

しかもDCU5はEXIFは表示してくれるが、それを元に任意の写真を検索する機能は無い。となると1枚1枚写真を開き、EXIFデータのHDRの項目を見て、どの写真がHDR RAWかを確認せねばならない。

そしてこのDCU5は現時点でサムネイル表示用のキャッシュに大きな問題を抱えていて(バグと言っても良いレベルのお粗末さ)、HDR撮影を大量に行っていて、全てのHDR RAWを分解する必要が出たら、我々はこの大きな問題と戦う、つまり無駄に時間を費やす事になる。

※エクスプローラーでファイル容量を見れば容量が3倍近いファイルを見つけられ、それがHDR RAWであるとすぐに判るけど・・・

さて、ではHDRの効果は!?。

今回、時間が無く、HDR AUTOを主に使ったが、このHDR AUTOが非常に微妙。型落ちハンターさんも先の記事の中で、単に眠い写真になって少し不自然に見えると書かれていた。

トップ写真をご覧になってこれがHDR合成と感じられる?。HDRらしく見せない、この手法は間違っていないのと思うが、このトップ写真を見る限り、3枚を合成して得た像ではなく、ハイライト補正とシャドー補正を行い、カスタムイメージでコントラストを弱めただけ、そんな絵に見えるのは私だけか?。

このHDR AUTO、室内や自宅近所で未だにクリスマスイルミネーションしているお宅があり、それを撮るとかなり具合が良かった。自宅やご近所の写真なので掲載は出来ないが、明るい部分、暗い部分、どちらもある程度メリハリのある像になって、肉眼で見たような自然な描写。室内写真はHDR AUTOで全く問題無しと見た。でもこれを日中の風景で使うと・・・。

トップ写真。HDRとはあまり思えないでしょう?。やっぱり単に眠い写真にしか見えない(笑)。下に分解した3枚のRAWからJPGを作成した像を示す。


設定値

2014-02-05-02


-2EV

2014-02-05-03


+2EV

2014-02-05-04


そしてこの3枚をPhotoshop CS5のHDR Proに読み込ませて、HDR処理したものと、HDRソフトのPhotomatix Proで処理したものが下。両者とも幾つか設定値を弄っているが、大胆な変更は行っていない。

※Photoshop、Photomatix Pro、Fusion、共に自動ズレ補正機能がある


PhotoshopにてHDR

2014-02-05-05


Photomatix ProにてHDR

2014-02-05-06


見る限り、やはり定番のPhotomatix Proが一番綺麗な発色、コントラストを持っていると思う。すでに忘却の彼方、K-5のHDR写真もこんな風な絵になったような気がするんだよなぁ。調べれば良いのだが、キーワードも付けてないので、HDRで撮影された写真を見つけるのが面倒くさい(笑)。

次に「おいおい、ほとんど効果がないじゃないか!」と感じた1コマを示そう。恐らくK-3のHDR合成アルゴリズムとしてハイライトとシャドーの輝度差があまりないから、ほ~んの軽くダイナミックレンジを広げました!、って事みたい。

でもそうじゃないんだよなぁ。手前の建物の影部分はHDRしなくても潰れないと判っていて、問題は中央の作業小屋、ここのシャドー部をガツンと上げて欲しかった。


K-3のHDR AUTO

2014-02-05-07


HDR RAW分解 -2EV

2014-02-05-08


HDR RAW分解 撮影値

2014-02-05-09


HDR RAW分解 +2EV

2014-02-05-10


Photoshop HDR

2014-02-05-11


Photomatix HDR

2014-02-05-12


これも専用ソフトのPhotomatixが一番「らしい」と表現するべきか?(彩度が高いので、より綺麗に見える)。これぞHDRなる像になってくれた。勿論、Photoshopで合成してもこれの近い像は作れるが、色々とパラメーターを弄る必要があり、Photomatixはトーンマッピングのまま、カラー部分を少々触っただけでここまで出来ちゃう。

ではHDR合成技術が最も得意する景色の1つ、夕景はどうだろうか?。


K-3のHDR AUTO

2014-02-05-13


HDR RAW分解 -2EV

2014-02-05-14


HDR RAW分解 撮影値

2014-02-05-15


HDR RAW分解 +2EV

2014-02-05-16


Photoshop HDR

2014-02-05-17


Photomatix HDR

2014-02-05-18


このように今回、室内での撮影を除き、40程度の風景でK-3のHDR AUTOを使ったが、目を見張る、唸る合成写真は見つけられなかった。

合成時のアルゴリズムが悪いのか?、先に述べた通り、1枚の写真をRAWでハイライトとシャドー部のダイナミックレンジを広げました、それだけの風景にしか見えない。

室内や夜景(イルミネーション)でのHDR AUTOはかなり具合が良かった。だから旅行などで旅館の部屋などで記念写真や都市の夜景写真を撮る際には結構使えると思ったのがHDR AUTO。

でも日中の一般的な風景だと、もしかするとAUTOでなく、風景に応じて他のパターンを使い分けた方が良いのかもしれない。

おやっ?、今、K-3のマニュアルを見ていて気付いた。K-5のHDRはAUTO以外に標準、誇張1、誇張2、誇張3とあるが、K-3はAUTOの他はHDR1、HDR2、HDR3しかないのね。これってまたK-5から機能を削っちゃったのかな?。確かK-5ではずっと標準を使っていた気がする・・・。

そんな訳で、HDR1を使ってみた。次の2枚、手持ち撮影なので構図がズレているが、最初のがAUTO、2枚目がHDR1だ。


HDR AUTO

2014-02-05-19


HDR1

2014-02-05-20


HDR1の方がAUTOよりも輝度差が少なくなっているのが判ると思う。それでいて絵画のようなHDR像にはなっていない。AUTOがどの程度シャドー部を持ち上げるのかはカメラマンは判らず、シャドー部のディテールをしっかりと出してくれるHDR1の方がHDRを使った意義を感じると思う。

結論としてはHDR AUTOはさほど意味が無く、JPGだけで勝負されている方には輝度差のある風景で、通常のダイナミックレンジよりも広がるので勝手は良いと思うが、RAWを保存されている方は、RAW現像でハイライトとシャドーのレンジを広げるだけでHDR AUTOとほぼ同じ写真になる事から必要はないと感じる。

短い中の撮影で、HDR AUTOは室内と人工光の多い夜景だけに利用し、日中、ダイナミックレンジを大きく広げ、かつ写真らしさを残そうと考えるのならHDR1が一番良いと感じる(HDR2になると、かなり絵画っぽくなりちょっと・・・)。

但し、上述の通り、HDR合成でRAWデータを取り出そうとすると、DCU5でRAWファイルを分解せねばならず、ならば、オートブラッケットで-2EV、0EV、+2EVの3枚を撮影し、PhotoshopやPhotomatix等でHDR合成をした方が、綺麗に仕上がるし、撮影毎に10秒近く待たされる事も無い。

※露出値の異なる3枚のRAWファイルをSDカードに出力するよりも、3枚纏めて1つのファイルにする方が処理速度が速いのかもしれない

と言う事で、私個人はK-3を購入してもこのHDR機能は使わないだろう。オートブラケットで露出値の異なる写真を複数枚撮影し、PhotomatixでHDR合成するのが一番と感じている。またこの手法ならば合成するのは3枚じゃなくても良い。露出値が異なれば2枚でも10枚でも良いのだ(せいぜい1EV毎の5枚か?)。

ところで上のHDR1の写真、奥は新幹線だ。HDR機能を使ってシャッターを押した瞬間に新幹線が走ってきて、あっ、こりゃゴーストが出ちゃうなぁ、まっ、 テストだからいいか・・・、そんな写真(笑)。

実際に等倍で見ると判るが、新幹線の部分は完全にゴーストになっているし、良く見ると、手前右の葉っぱ、これも風が吹いちゃったのだろう、ブレのようなゴーストになっている。この辺のゴースト処理は一切していないのね。


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コメント

  1. 型落ちハンター | URL | 4ARdecsc

    時間がなくてHDR1とHDR2しか使えてませんが、HDR2だと明らかにHDR臭い不自然な絵になるので、HDR1がちょうど良いと思います。
    基本的にHDRはわからないくらいに使うのがベストと思ってますので・・

    K-3が届いて驚いたのは、説明書薄っ!ていうことです(笑)。なんとK-30よりページ数少ないです。
    全体に説明不足の感が否めませんね。ローパスセレクターにしてもさらっとほんの数行しか書かれてないでしょう? これじゃモアレって何ぞや?という人には意味不明かと・・

    分厚い説明書が嫌われるのはわかりますが、必要なことがちゃんと書いてないのはもっと困るんじゃないでしょうか? それだけお客様センターへの問い合わせが増えて、メーカーとしてもサポートコストがかかると思うんですけどね・・

    D7000みたいに恐ろしく分厚い説明書もどうかと思いますが、この辺はメーカーの考え方の違いでしょうね。ニコンはクソ丁寧に書く主義のようです・・

  2. BigDaddy | URL | -

    > 型落ちハンター さん

    自宅でHDR2を試し、同じように絵に見えるので以降はずっとAUTOで撮っていました。

    そして仰るように説明書が駄目過ぎますね。昔みたいに撮影に最低限必要な基本ガイドと全ての解説がされている説明書と2つにするべきですよね。Nikonのクソ丁寧さの方が好感を持てますかね。DCU5をまともに使う気がなかったので、まさかDCU5にRAW分解があるなんて思ってもいませんでしたし(笑)。

    とにかくPentaxは説明書もDCU5もユーザーを馬鹿にし過ぎです。Pentaxユーザーですから本当はみんなに使って貰いたい、Pentaxの良さを知って貰いたいと思ってレビュー記事を書こうと思っても、メーカーの目がユーザーに向いていない、K-3が良いか悪いかで無く、その辺の企業理念が不快で、Ricohの管理になってまともになるかと思いきや、昔のまま・・・。

    ホント、Ricohの関係者にはうちのブログ、そして型落ちハンターさんのブログ、コメントも含めて全て読んで欲しいですね。

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