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DA18-55mmF3.5-5.6AL(初期型)の絞り開放描写を見てみる

2014年03月19日 00:00

廃な風景

廃な風景

Pentax K20D, SMC DA18-55mmF3.5-5.6AL

※ブログに視覚要素を加えるlightboxを導入しています。上記画像をクリックすると少し大きな画像をポップアップして見る事が出来、暗くなった部分をクリックするか、画像下部のCloseをクリックすると元に戻ります。



このレンズは600万画素時代に作られたレンズで、とっくの昔に生産終了し、II型(WR型含む)にバトンタッチしている。そしてこのレンズの事を本ブログでは幾度と無く糞レンズ、いや糞にも満たない糞未満のレンズであると糾弾し続けていた。

今回、たまたま、別ブログのMy Favorite Things ~写真生活~向けの写真を選んでいて、おやっ?、と思ったのがあったのでネタにしてみる。

まず単純な話、フィルム時代、この手の普及タイプのズームレンズと言うとCanonのEF28-135mmF3.5-5.6IS USMを旅行やちょっとしたスナップ写真に多用していたが、絞り開放を使った記憶は皆無。どんな悪条件でも最低でも半段は絞っていた(半段絞るだけで各種収差が目立たなくなるレンズが多い)。

※ISO400のフィルムならこのレンズは手振れ補正付きなので、28mm側なら1/15secは確実にモノに出来、F4.5に絞っても日暮れ近くまで撮影出来た

当時は単焦点レンズ命だったから、そもそもこういうズームレンズの描写をとことん馬鹿にしていた。絞り開放時の収差もそうだし、歪曲収差(広角で樽型、望遠で糸巻き型に像が歪む収差)が酷く、それが不快だったから、まともな写真なんて撮れないと信じて疑わなかった。

ところがデジタルカメラ(初めてデジタル一眼レフ、Pentax K-mを手にした時)になると、歪曲収差はPhotoshopで直せるし、絞り開放時の解像感の無さもシャープネスを補う事でA4プリントなら十分な描写をしてくれ、フィルム時代の常識は非常識、そう思うようになった。

調べるとこの頃、意外と絞り開放を使っているんだ。つまり、Pentax K-mやK10Dを使っていた頃はISO感度を上げて画質が汚くなるよりも、少しでも感度を下げる為に絞りを明け気味に撮影する手法を取っていた。

夕方、1段絞ってF4.5でISO800になるのなら、絞り開放のF3.5でISO400で撮った方が画質が良く、解像感の無さはシャープネスを加えれば全く問題のないプリントをしてくれるのを理解したからだ。

特にK-m、K10Dは1000万画素のセンサーだから、レンズが負ける、そんな事はなく、実を言えば、どんな糞レンズでも(ピント位置が意図通りであるのなら)そこそこの描写をしてくれていた。

ただ、それが1400万画素のK20Dになると画素数が上がった分、レンズの性能が今一歩追いついていないように感じ、K20Dをメインカメラにしてからは絞り開放を使う事はほとんど無くなった。

それでもK20DからPentax独自のシャープネスであるファインシャープネスの効きがかなり良く、+2~+4に値を設定するだけで、見た目の解像感が上がるので、意識しているのか無意識なのか、数こそ少ないけど、絞り開放で撮影したコマを見つけられる。

下の写真。空が白飛びしているし、何を持ってこの風景を撮りたいと思ったか、今になっては不明だが、18mm、絞り開放、ファインシャープネス+4、ISO100の像だ。

K20D, 18mm絞り開放全体

2014-03-19-02-IMGP3035-2.jpg



K20D, 18mm絞り開放切り出し(クリック等倍)

2014-03-19-03-IMGP3035-2.jpg



K20D, 18mm絞り開放切り出し(クリック等倍)

2014-03-19-04-IMGP3035-2.jpg


F8まで絞ってこの描写ならいつも台詞、「このレンズは糞にも満たない!」と言うところ、これが絞り開放のF3.5だから、取りあえずは納得出来る描写と言える。

本日トップの写真は焦点距離35mmでの描写だ。絞り開放、ファインシャープネス+2、ISO200で撮影している。それを部分切り出ししてみよう。

K20D, 35mm絞り開放切り出し(クリック等倍)

2014-03-19-06-IMGP8682-2.jpg



K20D, 35mm絞り開放切り出し(クリック等倍)

2014-03-19-07-IMGP8682-2.jpg


続いて最望遠の55mm側の絞り開放。ファインシャープネス+4、ISO100のコマを紹介しよう。

K20D, 55mm絞り開放全体

2014-03-19-08-IMGP9912-2.jpg



K20D, 55mm絞り開放切り出し(クリック等倍)

2014-03-19-09-IMGP9912-2.jpg



K20D, 55mm絞り開放切り出し(クリック等倍)

2014-03-19-10-IMGP9912-2.jpg



さて、ここまで像をご覧になって、なんだ、糞未満レンズの割にはそこそこ解像しているじゃないか!、と思っちゃ行けない。これはレンズの描写でなく、Pentax独自のファインシャープネスの描写なのだ。

ではファインシャープネスの描写でなく、レンズそのものの描写をご覧頂こう。Lightroomのデフォルトのまま、シャープ量25で現像した写真。18mmの絞り開放で撮影している。

K20D, 18mm絞り開放全体

2014-03-19-11_IGP5790-2.jpg


K20D, 18mm絞り開放切り出し(クリック等倍)

2014-03-19-12_IGP5790-2.jpg


K20D, 55mm絞り開放全体

2014-03-19-13-_IGP5742-2.jpg


K20D, 55mm絞り開放切り出し(クリック等倍)

2014-03-19-14-_IGP5742-2.jpg


55mm側は光の滲みはあるものの、ピントの芯はしっかりとあるので、こういう風景はシャープネスを少し足すだけでも全く問題はないし、こういう芯があって輪郭に光の滲みがある風景を好きなカメラマンもいらっしゃるので、大きな問題ではない。

撮影距離は10メートル以内だろう。1400万画素のK20Dや1600万画素のK-5系であれば、比較的大きな被写体を狙うのなら、最望遠の55mm側で絞り開放もシャープネスを少し強めるだけで十分に実用になる、そんな結論を導き出せる。

問題は18mm側。非常に残念な結果になっている。ピンボケと思っちゃう程、情けない程に解像していない。距離的には道路を挟んで撮っているのでこれも10メートルもないだろう。

この写真はISO100で撮影しているから、ガツンとシャープネスを掛けても大きなノイズは出てこないが、一般的にズームレンズの絞り開放を使うのは光が足りない時で、これ以上ISO感度を上げたくない、そんなシチュエーションとなり、ではこの風景がISO800だったら・・・、K20Dのセンサーではシャープネスを強く効かせたら酷い描写になっているだろう。

下はカメラ、レンズのテストサイトのPhotozoneで、K-5とDA18-55mmF3.5-5.6AL WR(つまりII型)のテスト結果ページだ。

Photozone - Pentax SMC DA 18-55mm f/3.5-5.6 AL WR - Lab Test / Review Page 2

性能はII型の方が良く(Pentaxの人曰く、レンズ研磨の方法が変化しており、光の透過率がI型よりも高いらしい)おおよそ傾向は似たようなものだろう。これの絞り開放でのグラフを見ると、中央の描写力は18mm側も55mm側もさほど差は無いものの、周辺部になると18mm側は一気に画質が低下する。像面湾曲を全く修正していないからこうなる。

このレンズの広角側は中央を少し外しただけで解像力が一気に落ちてしまう。しかも絞ってもそれは大きく改善はされない。K-5で不快に思うのでだから、2400万画素のK-3では(等倍で見てしまうと)一層、不快度が増し、18mm側で絞り開放なんて接写でピントを1点だけに、そんな意図がない限り、言語道断。

Photozoneのようなテストサイトを100%信用するのはどうかと思うが、少なくともDA18-55mmを含め、手持ちのレンズに関してはPhotozoneのテスト結果と実写とでは完全にイコールで、私個人は絶対的に信頼を置いていたりする。

さて、結論として・・・。

このレンズが糞にも満たないレンズである事に変わりはないと思うが、そういうレンズをどう使いこなすかなのだろう。

絞り開放を使うのは2つのシチュエーション、背景(もしくは前景)をぼかしたい時か、思うようにシャッタースピードを稼げない時しかない。

最初に紹介した18mmで撮影した写真なんて本来はあり得ない。こんな遠景をISO100で絞り開放を使うのならISO200で1段絞った方が遥かに解像するし、ファインシャープネスも+4でなく+2で良い。

また、この写真はどこかの高台から撮影しているから、この構図を気に入っているのなら18mmを使うしかないが、もし後ろに引けるような状態ならばわざわざ18mmを使う必要がない。5歩でも10歩でも下がってこのレンズがしっかりと解像する24mmくらいを使うのが最適だろう。しかも焦点距離が24mmくらいから樽型の歪曲も気にならなくなる。一石二鳥だ。

望遠側は意外と良くはないが悪くも無く、撮影距離によっては積極的に絞り開放が使えるのだろう。勿論、シャープネスは多少強くした方が望ましいが、これは撮影中に変えるのでなく、家で解像感をもっと欲しいと思った時点で、カメラ内で再現像すれば良いだけ。


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コメント

  1. D*isuke | URL | -

    ご無沙汰しております。と、ほんとにご無沙汰だったので、誰だっけと言われてしまいそうですが…^^;
    初期型を死蔵していた自分にとって、とても参考になりました。

    この記事、DA18-55mm初期型でも、高ISOと現像を組み合わせれば、今ならダメなところを上手くカバーできるんじゃないの?という提案ということで、合ってるでしょうか?

    面白そうだったので、うちでも手元の初期型を絞って使ってみたのですが、思いのほか、ふつうに使えました。なんだか、思い出のレンズが蘇ったみたいで嬉しくなった次第です。ありがとうございます。

  2. BigDaddy | URL | -

    > D*isuke さん

    お久し振りです。

    2400万画素のK-3と合わせて広角側は駄目ですが、24mmくらいから先になると、そこそこの描写をしていたので、せっかくだからネタにしてみました。

    高ISOの場合、センサーの限界がありますので、どんなレンズでもそれなりにしか写らないと思っており、K-3の一連のレビューでもそれを確認しています。

    但し、K20DとK-7の場合、高ISOはK-5系よりも遥かに画質は悪いので、それを利用する限りは反対にISOを低く設定し、開放気味に取り、シャープネスを強める事で何とか出来る、また、被写体が近い距離にある場合は、絞り開放でもギリギリ使える、これが今回の主旨となります。

    今、うちではこのレンズはフィルター枠に取り付けるタイプのワイドコンバージョンレンズで13-38mmくらいのレンズになるんですが(歪曲が酷いので現像時補正して15mm~でしょうか?)、時折、使っています。決して画質が良いとは言えませんが、超広角が利用出来るので、旅行などでは便利に使っています。

  3. PentaxDS | URL | E6kBkVdo

    今でも使ってます

    私、最近、ネットプリントばかり利用してます。
    ネットでプリント出すようになってから、家族写真などには、データ送信に時間がかかってしまう高画素を使わなくなりました。
    ふとボディーが小さく電池で駆動する昔使っていたDSを使ってみると、これが思いのほかいいです。
    最初DA18-55mmF3.5-5.6ALのII型を使っていたのでが、しまってあったⅠ型を使ってみてびっくり、600万画素にはⅠ型の方が良いです。
    600万画素でサービス版でプリントする時はⅠ型の方が良い写真が撮れるような気がします。
    解像度とか収差とかはよく分からないのですが、柔らかい写真というか、フィルムっぽい写真と言うか。なんか暖かい写真になります。

  4. BigDaddy | URL | -

    > PentaxDS さん

    コメントありがとうございます。

    大判プリントや連写の必要がなければ600万画素カメラでも十分なんですよね。A4までは綺麗にプリント出来ますし。私もカメラとして今まで使った中で一番扱い易いのは?、と問われたらK10Dと言うと思います。

    18-55mmのII型はHOYAの技術を利用してレンズの研磨方法が異なるそうで、実際にはII型が写りが良いのでしょうが、600、1000万画素ではI型もII型もさほど変化はないのかもしれませんね。また個体差もあるかもしれません。

    私個人はI型もII型もこのレンズは糞扱いではあるのですが(笑)、実際には2400万画素のK-3に装着しても、遠景撮影時の像面湾曲だけ何とかすれば、お散歩写真でも使えいますし、家族写真でもこのレンズで十分であると思っています。

    もしお読みでなれば下のリンクもどうぞ。K-3に18-55mmを装着したレビューをしております。

    http://bigdaddyphoto.blog41.fc2.com/blog-entry-1163.html

    それでは今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

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