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嗚呼、像面湾曲

2014年04月30日 00:00

廃工場の机の上・・・

廃工場の机の上・・・

Pentax K-5, Sigma AF17-70mmF2.8-4OS HSM

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本当は前回の記事の続きで、「タモリが見たhogehoge」を掲載する予定が、文章の推敲も、そして写真選定が間に合わず、しょ~がないので、以前没にしたネタを多少弄くって本日はお茶を濁したい。

4月22日の記事で、Sigma 17-70mmをほんの少し後ピン設定にしていると書いた。何故そんな事をしているのか?。

それは像面湾曲のせいだ。「像面湾曲」、これを解説するのは面倒なのでご存じない方は検索して頂きたい。

今更過去の自慢をしてもしょ~がないけど、フィルム時代はCanonのEFとFD、ContaxのRTS、G、そしてPentaxと5つのシステムで合計すると単焦点レンズをMAX時20本以上所持していた。それに比べてズームレンズは幾つか持っていたが、良く使っていたのはCanonのEF28-135mmF3.5-5.6IS、EF70-200mmF4IS、ZeissのVario Sonnar 80-200mmF4の3本だけ。

お散歩写真と言えば大昔からの定番、28mm、50mm、135mmの3本セット、もしくは35mm、85mm、200mmの3本セット。Zeissでは200mmレンズは持っていなかったので35mm、85mmを使う時は望遠を80-200mmで賄っていた。

だから当時は、単焦点で像面湾曲の激しいレンズなんてほとんどないから、像面湾曲を体験する機会がほとんど無かったと言って良いだろう。

そしてPentaxのK-m、K10Dでデジタル一眼レフデビューをし、単焦点レンズよりもK-mのキットズームレンズを多用していても1000万画素だから等倍で見てもさほど像面湾曲が醜いとは感じなかった。単にキットのズーム性能なんて良い筈も無い、その程度の認識。シャープを掛ければなんとかなるさ!。

ところが1400万画素のK20Dを手にした瞬間!・・・。おいおい!、なんじゃこの周辺部の甘さは!?。ぶっちゃけ、この時、初めて「像面湾曲」を気にするようになったのだ。

その際、もしやっ?、と思い、Pentaxのサービスに「個体差でこんなにひどいの?、それとも・・・」と相談したところ、デジタル時代の像面湾曲はしょ~がない、デジタルはピントは1点しかない、但し・・・。

って事で、K-7を経てK-5を買った時に(例のドオーバー馬鹿露出をなんとかしろ!、のついでにピント調整を依頼したところ、馬鹿露出は基盤だかソフトウェアの改造だかで1/3段アンダーになる設定をされ、ピントもAF微調節0位置で後ピンになるようにセットされて戻ってきた。

これが3年前の話かな?。それから馬鹿のひとつ覚えと言ったら聞こえが悪いけど、AF微調節でさらにほんのちょっと後ピンにセットするのがデフォルトになったんだな。何故後ピンにするのか?。それは・・・。

一般的な像面湾曲の酷いレンズは中央部より周辺部が強烈な前ピンになる(後ピンになるレンズもあるが、まれだと思う)。だから中央部を後ピンにしておけば周辺部の前ピンがほんの少し改善され、像が流れていなければA3ノビ程度のプリントなら被写界深度に収まっているように見える。

特に中央部の解像感がベラボーなSigma 17-70mmF2.8-4では、中央部の解像感を多少失ってもその効果は高い(まぁ17-24mmまでの周辺部は像が流れるのでどう頑張っても改善されないが・・・)。

だからRicohからK-3を借りていた時、どうも個体の問題だろうか、AFが結構暴れてくれちゃって、前ピンになる率が高く、純正のDA18-135mmよりも遥かに解像感が高いDA17-70mmF4を使っても2400万画素と解像度が高くなったので、等倍で見ちゃったら最後、周辺部なんて見られたもんじゃなかった(笑)。

※DA17-70mmF4ALの像面湾曲はDA18-135mmやSigma 17-70mmよりも弱く(=周辺部の描写力が及第レベル)、カメラのAFが正確であればAF微調節をしなくても気にならない筈で、借りたK-3側になんらかの問題があったと確信している

余談だが、価格.comなんかを見ていると、時折、AF微調節をするのにメジャー(物差し)を縦に置き、絞り開放で撮影して、前後の被写界深度が同じになるようにセットせよ!、なんて言っている人がいるが、これは大きな間違いだ。

被写界深度は前方が浅く、後方が深い。厳密に何対何とは言えないが、前4:後6~3:7だと思って良い。だから前方と後方が同じになるようにセットすると本来のピント位置から大きくずれる筈。だから焦点距離、絞り、撮影距離、プリントサイズによってはピンボケするかもしれないし、像面湾曲のあるレンズだと周辺部はグチャグチャになるかもしれない。

※この辺はそういうテストをやった事がないから想像でしかないが・・・

そもそもメジャーでAF微調節なんてカメラからほんの数十センチでテストしているから、丸で意味が無い。常にマクロレンズでマクロ撮影をしていたり、撮影距離の短いテーブルフォトしかやらない人は別にして、近距離でピント調節をしちゃうと遠景で確実に合わなくなる筈なんだが・・・。

ピントテスト、AF微調節を厳密に行うのだったら、レンズの最短、1メートル、3メートル、5メートル、10メートル、無限遠、これくらいで何度もテストを重ねないとしっかりとしたピントは出ないと思う。またズームレンズは製品によって焦点距離が変わると特性も変化するので、どこを落としどころにするか、それを考える必要がある。

反対に撮影する対象が常に決まっているのなら(またはそれ専用のカメラを持っているのなら)、被写界深度をAF微調節で操れる。ポートレートでは背景を大きくぼかしたい、目よりも睫毛の先端にピントを当てたい、そんな作風があり、そうなると4:6の被写界深度を前方の深度が深くなるように極端に9:1くらいにしちゃえば、厳密なピント調節が可能なEVFやMFアシスト機能のあるカメラならその意図にマッチする写真を撮れるだろう(やった事はないけど)。

私は後方の深度を深くしたいし、上の通り、像面歪曲の影響を少しでも減らしたいので後ピン設定にしており、最短撮影距離は捨てている。かなり大袈裟だけど1メートル先からしかピントは合わないと言っても良いくらい。最短~2メートルくらいまでの被写体はK-5のファインダーでもMFでピント合わせが出来るし、暗くてピントの山が判らないような場合も、AFを合わせた後、自分が後ろに下がる。これを感覚的に身に付けちゃったから何とかなっている。

だからせっかく後ピン設定にしていたK-5を昨年秋に基盤を換装しちゃったから、さらにSigma 17-70mmも修理されて戻ってきちゃったものだから「ガラガラポン」されちゃって、自分の意に沿うピント位置にするまでになんだかんだと1週間くらい試行錯誤していたと思う。

本日の写真。錯綜後、これで大丈夫!、と思ってから初のお散歩写真での撮影。被写体まで50センチも無かったろう。それだとおおよそ後ピンになるのが判っていて、絞りを幾つか選択して保険を掛けたり(絞り込んで被写界深度を深くする)、今回はAF合焦後、首をほんの気持ち後ろに引っ込め撮影してドンピシャリ(笑)。

※但し、このAF合焦後、首を後ろに引くってのは駄目な時は何枚撮っても駄目だし、DA17-70mmではまた違うから、MFで撮る事の方が多い


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コメント

  1. やす | URL | -

    BigDaddyさん

    お久しぶりです。
    Fujiを買いましたが、相変わらずα57+1770(Contemporary)を主に使っています。
    なぜかこの組み合わせではAFで使う限り、近距離も遠距離もジャスピンになり、周辺・四隅ともに満足な解像を得られます。というより流れが気になったことはないです。

    たぶんですが、位相差AFがMFで厳密にあわせた時より少しだけピンが甘いので、ほどよく像面湾曲を回避できているんではないかと思ってます。あとは現像ソフトで解像を上げるだけ。
    これがコントラストAFだとたぶん像面湾曲が出てくるのでは?と思ってます。

    反対に中央でMFで合わせると、激しく周辺が流れます。
    ピーキングで全体がマックスになるように撮ってみたり、
    フォーカスポイントを左右にずらせてみたりしてますが、
    成功する時もあればしない時もあり・・・MF難しいです。

    しかし、Sigmaのレンズは全数検査をしているせいか、ハズレ固体にあたったことはなく全幅の信頼を置いています。
    評価の高いFujiはXC16-50に関しては2本とも固体差のあるものでした(1本目我慢できず売却)。
    というようなことで、メインレンズは1770で不動です。
    逆行に弱いくらいで本当に良いレンズです。
    16-70であればもっと言うことなしです。

    FujiのX-A1の方はXF10-24を組み合わせて初めて2台体性を構築できます。
    でも重くて高いんですよね~。それにアンバランス。いつのことになりますやら。
    消費税も上がってタバコも高くなりとうとう禁煙を始めました。
    そこで浮いたお金をレンズに投資する予定。お釣りがきます(笑)

  2. BigDaddy | URL | -

    > やす さん

    新しいSigmaの17-70mmの画質は旧タイプよりも改善されているみたいですね。α57は1600万画素ですから、この組み合わせは良い写りが期待出来そうです。旧タイプの周辺部は解像していませんから、広角側はたとえそこにピントが合ってもシャープで強めてもそれなりにしかならんのです。まぁDA18-135mmよりはましですけど・・・。

    トランスルーセントミラー機の場合、光は1/3に減ってAF測距するんでしょうかね。いまいちその辺を理解していません。純粋な一眼レフ機とは若干異なる方式なのでしょうかね。それもあり、そろそろ発表されるであろうα77のII型、これに大いに興味がありますねぇ。

    高感度がK-3相当なら、値段によっては心が揺らぐ可能性が大きいです。最近、Fujiの独自のセンサーの優秀性や、Sonyのα7系を見ると、どうも所詮センサーメーカーには勝てないんじゃないかとか思っています。

    ピーキングも完璧ではないのでしょうね。K-3のライブビューにもピーキングが付きましたが、モニター機で何度か試した結果、慣れもあるのか、「えっ!、ちゃんと合わせたじゃねぇか!、なんでピンボケなんだよ!」と思う時、ありました。

    私も不動のレンズ、早く欲しいです。Sigmaの17-50mmのF2.8にするか、現行の17-70mmにするか、今も尚、お悩み中であります。あくまでも個人的な感情ですが、先日の修理において、アフターサービスが良かったのと、工場が福島の会津若松って事で、今後もSigmaは愛用します。もしSonyカメラに乗り換えてもSigmaを使うでしょうねぇ。

    Fujifilm、もしかするとX-Eシリーズを使える機会があるかもしれず。ただもし使えても短期間で、厳密なレビューは出来ないにせよ、レンズは18-55mmがセットみたいなので、このレンズの描写力、そしてXシリーズの高感度だけはテストしたいと思っています。ただまだ借りられるかどうかは不明なもので・・・。

    タバコ、私も止めれば半年でK-3+縦位置グリップが買えちゃいますからねぇ。でも止める気ないです(笑)。ただ流石に1箱以上は吸わなくなりましたね・・・。


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