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超高感度での写真は素材として撮影するべき

2014年12月28日 00:00

山中の廃屋にて

山中の廃

Pentax K-7, Sigma AF17-70mmF2.8-4OS HSM

※ブログに視覚要素を加えるlightboxを導入しています。上記画像をクリックすると少し大きな画像をポップアップして見る事が出来、暗くなった部分をクリックするか、画像下部のCloseをクリックすると元に戻ります。



何を今更・・・、ではあるが、常用域を超えたISO感度(APS-CならISO3200を超えたら)で撮影された写真をどう綺麗に見せるか?、初心に帰ってみようと思う。一番の基本を書きたい。

皆さん、こんな事に出くわさないだろうか?。

ISO6400で撮影したある写真よりもISO9000やISO12800で撮影した写真の方がノイズリダクションを掛けたら綺麗にノイズが消えた・・・。

これは以前から本ブログに書いている通り、単にISO感度だけでノイズ云々は語っちゃいけないと思う。撮影した時の明るさ、つまり露出、EV値がどれくらいであったか?。

ISO6400で露出がF5.6、1/8secとするとこれはEV2。ISO9000、F5.6、1/30secはEV3.5。ISO感度だけを見ればISO6400の方がノイズは少ないと思うが、ISO9000の方がノイズが少ない時もある。またISO感度、EV値関係なく、明るく写っているのと暗く写っているのとでは前者の方がレタッチ耐性が強い。

例えばISO9000の方、レンズの焦点距離にもよるが、仮に広角域を使っていたらブレ補正を信頼して1/8secまでシャッタースピードを落とせ、結果、ISO2200でも撮影出来る風景となり、ここで(あくまでも数値の上では)逆転する。

※だからレビューサイトの超高感度テストでISO12800を使いつつも、シャッタースピードがF8、1/250secなんて像を見せられても、さほど参考にはならない

フィルム時代から写真を撮っている、特にリバーサルフィルムを常用していたカメラマンはRAW保存をしていても、見たままに写るように露出を調節するし、ISO感度が上がる、イコール、暗い風景を写すのだから、意図してローキーに露出を調節する人も多い。

結果、(露出不足の)暗い写真になってしまう時だってある。これが常用出来るISO感度なら問題はないにせよ、それを超えているとレタッチ耐性がほとんどない写真と化す。RAWで撮影していても撮って出しJPGと同程度のクオリティにしか仕上がらない。

デジタルカメラを使って廃墟を撮り始めた頃、これをあまり理解していなくて、フィルム時代、リバーサルフィルムと同様の撮影、露出設定ををしていた。これらがことごとく駄目なんだ。特に私はハイキーよりもローキーを好むので、廃墟の屋内は見た目以下の暗さで写真を撮っていた。

その写真が思惑通り、明るさがドンピシャリであれば良いのだが、いけねぇ、ちょっと暗いか?、と思っても後の祭り。ネガフィルムと同様、(特に超高感度域で撮影された)露出不足のコマは現行のデジタルカメラでもレタッチ耐性は限りなく低い。反対に明るく写っているのを暗くするのは実に簡単だ。むしろ見えているノイズが黒く潰れて見えなくなる。

全く同じ条件で検証していないのであくまでも個人的見解として・・・、暗い廃墟の屋内でローキーに撮ろうとして、露出補正値を-2EVに設定したとする。そこを敢えて-1EV程度に留める。絞りとシャッターを固定したら当然ISO感度は1段上がり、写真も意図したものより明るく写るだろう。

でもRAWで処理をするのならその方が良い時もある。いつでも明るく写すのを心掛けるのでなく、常に意図した露出になる事はないから、(超高感度域での撮影では)意図よりも暗く写ってしまっていたら救うのが難しく、ならばISO感度が上がっても気持ち明るく写ったコマも保険で用意するべきで、思考はネガフィルムと一緒。露出不足は救えないけど露出過多は救える可能性がグ~ンと上がる。

自分のカメラの限界を知るのも大切だろう。経験上、AF補助光が照射されたら「やばい」と思っている。K-5II以降ではAFの暗所性能が上がっているのでこれには該当しないが、K-5やK-7ではAFが自然光で合焦してくれない風景での超高感度撮影はダメダメ写真になる事が多い。AFと同じく、暗過ぎてセンサーの限界を超えているんだ。

そんな場合は諦めるか、描いた構図を犠牲にして、柱やテーブルなど、カメラを固定出来る場所を選んでシャッタースピードを遅くセットし、また絞りを開けられるのなら開け、1段でも感度を落として撮影するか、素直に三脚を利用してISO100~ISO400で撮影するしかない。

写真合成、コンポジットでノイズを軽減するのも可能だが、(K-5では)AFが補助光無しでは合焦しない暗い風景では構図全体にコントラストがないので、合成すると、ノイズは消えてくれるが、同時にディテールも皆無になるので、全体にボヤッとするから決して傑作は生まれない。

また、画質云々ではなく、今の現像、レタッチ技術ではブレた写真を修整するには無理があり、ブレる限界でシャッターを切るよりも確実にブレないシャッタースピードで1枚保険を掛けておくのも大切だろう。感度が1段上がっても、ノイズリダクションで救える可能性もあるのだから・・・。

それぞれの過去の経験からある焦点距離で1/8secがブレないギリギリだと思ったら(ギリギリ=ブレる時もある)、時間に余裕があるのなら、何枚も連写するべきだし、さらにそれが全滅している可能性だってあるのだから、感度が1段上がっても1/15secで1枚写真を撮っておくべき。

また、肉眼で見たままの明るさをカメラで再現する・・・、これは撮影の基本中の基本ではあるが、あくまでも基本である。だからローキーとかハイキーなる写真表現が存在する。

日没時の路地裏や、廃墟の暗がりを見たままの明るさで写すと全体のコントラストが弱く、インパクトのない写真になってしまう事がある。ならばハイキー気味に撮影しておいて、現像時、レタッチ時に部分部分で濃度の上げ下げをした方がドラマチックな写真に仕上げられる。

冬の今、夕方の路地裏なんて常に-1EV以上露出補正をするものだが、そこをあえて出た目もしくはせいぜい-0.5EV、それくらい明るく撮っておく。その方が素材として扱いやすい。これはJPGでしか撮影した方にも有効だ。(白く飛んだ部分はどうにもならないにせよ)明るい状態から暗くするのはJPGでもさほど無理がないからだ。

これらを踏まえて・・・。

Pentaxのノイズ耐性に関しては黒歴史でもあるK-7。一般論としてこのカメラの限界はISO1600だろう(ノイズ嫌いの人はISO800がギリだそうで)。それを超えたら(等倍で見る限り)多くのカメラマンは使いたいとは思わないに違いない。

私はノイズに対して恐らく皆さんよりもかなり緩い思考を持っており、、、

「どーせA3~A2程度でしょう?、仮に等倍で厳しくてもそれくらいのプリントならノイズも縮小されるからオレはK-7はISO2200までは常用しているぜ!」

イコール、ISO3200からの像はそんな私でも目を覆いたくなるようなノイズ大王。モノクロ表現くらいしか使い道はないか?。

しかし、実際にはそうでもない時もある。自宅でテストした時の事(自宅風景なので掲載はご勘弁あれ)。27ワットの読書灯だけ点し、そこからおおよそ1.5メートル離れた場所を撮影した。肉眼と同等の明るさにするとISO2200、F3.5、1/20secのEV3.5の明るさ。

次にわざとISO6400、F3.5、1/30secで撮影する。これはEV3.5の風景を敢えてEV2.5を想定して撮影するから、ISO2200のコマよりも1EV明るく写している事になる。そしてその2枚を現像、レタッチすると画質に大きな差はないんだ。

ISO6400ではわざと1段明るく写しているので、現像ソフトで2/3段くらいマイナス補正をし、部分補正でシャドー部を黒潰してしまえば、ノイズリダクションの掛け方にもよるが、光が当たっている部分のコントラストはしっかりと保ち、そうでない部分は潰している。

だから常人では決して実践しないであろうK-7のISO6400、そんな冒険野郎な設定でも等倍鑑賞においてギリギリではあるが及第点をあげられちゃう。イコール、A3ノビプリントなら問題のない写真に仕上がるんだ。

※そりゃぁ低感度の像と比較したら画質の荒れは否めないが、比較しなきゃいいんだから

外での撮影でK-7を使ってISO3200やISO6400を多用したいとは流石の私でも思わないが、本日の写真は正にわざと明るく写しておいて、後で明るさを調整した像。普通に撮ればISO1100で行けたろう風景をISO2200で撮影している。

この施設、隣は食事処でまだ営業中だったが、ここが良く判らない。なんとか中を覗けるのだが、行事スケジュール用の黒板や、会議室のようなものがあったので、公民館みたいな施設か?。でも公民館が廃になるって事はないよねぇ・・・。


K-7はこの手の風景ならISO2200まではおおよその現像ソフトでしっかりとノイズリダクションを掛ければA3ノビなら問題なくプリント出来る(勿論、ノイズの好き嫌いは千差万別なので私が許容出来る程度としよう)。だからブレて失敗するのなら、ISO2200までは感度を上げてシャッタースピードを上げるようにしている。

露出データは35mm(135換算52mm相当)、F4.5、1/30sec。だからISO1100で撮っても(1/15secになる)ブレない写真も撮れたろうカット。それでもブレを嫌ってあえてISO2200で撮影している。ISO1100でももう1枚撮るべきカットだろうが、この時、雨が本降りでとっととその場から去りたかったんだな(笑)。

下にA3ノビプリントを前提とした等倍切り出し像を示す(クリックで1000x1000ピクセル)。だからノイズを完全には取り払っていない。切り出しの2枚目、構図左下のシャドー部のノイズ、この程度ならA3ノビでは気にならないし、仮に気になっても、ほんの少しノイズリダクションを足すか、この部分を潰してしまえば良いだけ。

今回はRawTherapeeで現像していて(フィルムシミュレーションにコダクローム64をセット)、後日、ネタとして書くと思うが、このところ超高感度で撮影された写真の現像にはRawTherapeeを使っている。Version 4.2.16からノイズリダクション機能はLightroomを超えたと言っても良い。Lightroomはノイズを消すとディテールも大きく失われるからK-7くらいひどいノイズだと対応し切れない時もある。

※勿論、RawTherapeeも万能ではないので、駄目な写真は何を使っても駄目)


2014-12-28-02


2014-12-28-03


反対に、失敗例として、次の写真はトップ写真から10分前くらいのコマですでに雨が降っている。おおよそほぼ肉眼通りの明るさで、ISO1600、F4.5、1/20secのEV5の風景。感じた以上にEV値は明るいが、風景のほとんどが日陰の山道だからして、構図の多くはEV3くらいの風景だろう。



2014-12-28-04


これは保険で絞り、シャッタースピードはそのままでISO感度だけ3200にした1段明るいコマも撮影しておくべきだったと後悔している。まぁ大した風景じゃないのと、コンポジット合成用に4枚同じコマを撮影していたので大きな後悔ではないが・・・。

ここまで風景がごちゃごちゃしているとコンポジットせずに1枚だけをどうノイズリダクションを掛けても等倍ではまともな像にはならない。しかし、A3ノビプリントで綺麗に見せようと思えば、ISO1600の素材よりも、恐らく1段明るく撮影したISO3200の像の方が「素材」としてノイズ耐性はあったかもしれない。1段明るく写したISO3200の像を8枚連写し、コンポジットした方が良い絵になった気がする。

風景がここまでごちゃごちゃしていない、街や廃墟と言った直線で構成されている被写体だとK-7でも露出に気を配ればISO3200でも、優秀なノイズリダクション機能を持った現像ソフトを用いれば十分に綺麗なプリントに仕上がってくれる。

そう、超高感度域での撮影は撮って出しJPGを完成品と思っちゃいけない。幾ら最近のカメラの画像処理エンジンが優秀になったとは言え、所詮K-5もK-5IIsもK-3もAPS-Cセンサーカメラでしかなく、ノイズ耐性の強い135センサーに勝る画質は出てこない。

そんなカメラに対抗するには撮影後の作業も含めて運用でカバーするしかなく、如何に素材として優秀な写真を撮るか、これが最重要。

ISO12800、F4、1/8sec、こんな露出を強いられる暗い中での撮影では幾らブレ補正機能が働いているとは言え、レンズの焦点距離で望遠は選べない。

勿論、運が良ければブレ補正がカタログスペック通りに機能してくれるかもしれないから(通常は3段でしょ?、だから1/8secなら135換算で60mmの焦点距離でもブレない筈)、まずはそれで連写。次に感度を1段、25600に上げ1/15secでパチリ。この時はコンポジット用に連写する。

さらに考慮した構図を一度捨て、近辺の柱やテーブル、床などでカメラを固定し、1/4sec、1/2secのISO6400、ISO3200に落として撮影したり、レンズの広角~標準域を利用し、一回り以上大きく構図し、後に現像ソフトで意図した構図にトリミングする。一回り大きく構図すると(特に暗がりの廃墟では)水平が乱れる時があり、それにも対応が出来る。

だから廃墟の撮影って物凄く時間が掛かる。流石にワンカット毎にこれらを全て行おうとは思わないが、ココだけは必ずモノにしたい!、そんな風景に巡り会ったら時間を掛けてでも考えられるありとあらゆる手段を用いて、優れた素材を作り出せるように心掛けている。

撮影でここまでやっておけばどれかが使えるレベルになってくれるに違いない。三脚を使えば全てがクリアされるのは重々承知しているが、三脚は大嫌いなんだからしょ~がない。


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コメント

  1. ハッセルじいちゃん | URL | lalX43Vc

    こんにちわぁ~
    今年もあと僅かですね
    廃屋の向こうの営業中の赤旗が泣かせます~

  2. BigDaddy | URL | -

    > ハッセルじいちゃん さん

    今日はさっきまで実家で(ちゃりんこですぐなもんで)大掃除の手伝いをしていました。明日も実家の手伝いですよ~。

    この廃屋、単にシーズンオフだから閉めているって感じではなかったんですよ。明らかに何年も使っていない感じでした。そしてこの写真で言えば奥、仰る通り、食事処があるんですが、この写真の反対側、つまり撮影者の後ろにはもっとボロい廃屋があるんですよ(笑)。

  3. Shiro | URL | -

    超高感度写真

    こんにちは
    こちらではISO51200 F6.3 30秒 B2プリントなんてことをやってますので,少々のノイズは平気になってます。α7Sにいっとき浮気してK5Ⅱsペンタレンズ一式を手放したのですが,大きくプリントすると苦しくなり,昨日K-3を買ってきました。高感度そんなに悪くなさそうです(勿論α7Sとは比較になりませんが)。

  4. BigDaddy | URL | -

    > Shiro さん

    ISO51200が常用、羨ましいです。仰る通り、画素数が今時1200万画素、これだけがネックですねぇ。コンデジでも1200万は当たり前、m4/3では1600万画素、私個人では評価は微妙です。

    K-3とα7sのセットなら、日中から夜間、なんでもござれですから、もはや1台のカメラで全てをこなす、そんな時代じゃないのかもしれませんね。

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