にほんブログ村 写真ブログ デジタル写真へ
にほんブログ村のランキングに参加中です

レタッチとは? その2

2015年09月08日 00:00

Tokyo Snap

Tokyo Snap

Fujifilm X-E2, XF18-55mmF2.8-4
※ブログに視覚要素を加えるlightboxを導入しています。上記画像をクリックすると少し大きな画像をポップアップして見る事が出来、暗くなった部分をクリックするか、画像下部のCloseをクリックすると元に戻ります。



前回の記事からの続き。那和秀峻の写真論 - 写真の「レタッチ」は恥ずかしいことなのだろうか?を読んで感じた事を書く。




「レタッチ」、この言葉が一般に普及したのはアマチュアカメラマンがフィルム原稿をデジタル化するようになってからだろう。1990年代後半くらいの話になる。

その頃の多くのアマチュアカメラマンは原稿(リバーサルフィルム)と同じ発色になるようにデジタル化した像をPhotoshopでレタッチしていた訳だ。

やがてPhotohsopが機能を増すにつれ(Photohopの使い方を熟知するにつれ)、それだけに止まらずレンズ補正やパースペクティブ補正、そして最終的には電柱や電線、人と言った邪魔者を消したり、色相そのものをガラリと変えたり、カラーをモノクロにして楽しんだり・・・。

そういう「何でも出来るPhotoshop」、ここからレタッチが悪者扱いを受けるようになったんじゃなかろうか?。言葉としての伝わり方が悪くなってきている。

プリントされた1枚の写真があったとしよう。それを人に見せて「レタッチで仕上げた」と言ってしまったらもうおしまい。レタッチ=「肉眼よりも綺麗に仕上げる」とか「電柱や電線、人を消す作業」だとインプットされているから写真の良し悪し、好き嫌いを語る場が写真のあり方を議論する席に変化してしまう。

ではそこを「デジタル暗室で仕上げた」とか「Lightroomで再現像した」と言い換えれば写真のあり方云々なんて話にならない。反対に「良い処理しているねぇ!」と感心される可能性だってある。

ストリートフォトグラファーのエリック・キム氏はあるサイトで、、、

『Photoshopを使ったというと、なぜか人は急にあなたの写真の価値を下げる。こういう時は、「Photoshop」はなく「デジタル暗室」という言い方をすること。』

と言っており、まさにその通り。

今の時代、写真を加工するのに言葉として「レタッチ」は使っちゃいけない。前回の記事の通り、本来、「レタッチ」も「RAW現像」もやる事は一緒、露出の上げ下げ、コントラストの強弱、ホワイトバランスの変更、シャープネスの調整etc・・・。でも我々はそれを「レタッチ」と言わずに「RAW現像」と言い換えなくちゃならなくなった。

うん?、ではJPG保存した写真でそれら調整をしたらそれはレタッチ?。うん、ここが難しい。本来現像処理とはRAWファイルを元に行う。JPG保存された像はすでにそれが済んだ完成した像だから、そこから発色などにさらに変更を加えると・・・。

やっている事は同じなのにおおよその人はメーカー添付の現像ソフトや汎用的なLightroomと言った市販現像ソフト内で処理をし、それをJPG、TIFFに保存する事を「現像」と表現し、JPGやTIFF保存の写真をそれ以外のソフトウェアで加工を加えると「レタッチ」、そう無意識に分類している気がする。

Photoshopだけで考えると判り易いかもしれない。PhotoshopはRAWファイルを読み込むとLightroomの現像モジュールと同じCamera Rawプラグインが起動する。この中で可能な作業は一般に「現像」だろう。そして完了ボタンを押してPhotoshop本体に戻ってからの作業が一般に「レタッチ」。我々はそう考えている。

言い換えるとLightroom内で設定する項目に関しては「一般では」は「レタッチじゃなくて現像」だと考えられている節がある。

パソコン用の現像ソフトの中にはJPGやTIFFと言ったファイルに保存する事を「現像」と表現しているのがあるが、そこまでに至る過程全てが現像と考えた方が良いだろう。
となるとLightroomのVer5とVer6/CCとでは「現像」の範囲が違ってくる。Ver6/CCからは「霞の除去」と言う機能が追加されている。これは明瞭度に似ていて、コントラスト処理の1つと考えて良い。

また今のバージョンからLightroom単体でHDR処理とパノラマ合成処理が可能になった。現像とレタッチを明確に分けている人はHDRとパノラマ合成はどっち?。Lightroom Ver5まではPhotoshopを使わなくちゃ出来なかったからレタッチ?、でもVer6/CCからはLightroom内で作業出来るから現像?。

当然カメラ内で処理された像が撮って出しJPGファイル(もしくはTIFFファイル)だからこれもレタッチではなく現像と一般では表現されている。だからカメラ内、Pentaxで言えばカスタムイメージやホワイトバランスの値を変更してもそれはレタッチではないと言い張る人達が出てきちゃう。

一部のメーカーにはHDRやパノラマ合成、ノイズ軽減合成が可能なカメラがあるが、だとするとそれらのメーカーのカメラで処理をすればHDRもパノラマ合成もノイズ軽減合成も現像?。そうでないカメラでPhotoshopで同じ作業を行うとレタッチ?。

デジタルにおいてのレタッチの定義は色々とあるとは思うがおおよそ、、、

「入力されたデジタル化された像を変更、修正し、出力する作業」

これがレタッチなのだから我々が思い込んでいる現像もレタッチなんだ。それを撮影者本人の意思で加工しているか、カメラメーカーが本人に成り代わって加工しているかだけの違いでしかない。Pentaxのカスタムイメージやホワイトバランス等の設定をPentax/Ricohがレタッチの代行をしているに過ぎない。

百歩譲ってデジタルカメラで撮影された写真において「レタッチしていない」、この言葉が通用するのはPentaxなら標準のカスタムイメージ、Fujifilmなら標準のフィルムシミュレーションの値を一切変えずにJPG保存されたものにしか言えないだろう。

前回の記事でも述べたようにカスタムイメージやフォルムシミュレーションの項目を1つでカメラマンの意思で設定値を変更したらそれは立派なレタッチだ。シャープネスを0から+1にしただけで「シャープネス調整」と言うレタッチをしているんだ。

相当な屁理屈に感じられるかもしれないが、那和秀峻の写真論 - 写真の「レタッチ」は恥ずかしいことなのだろうか?の中で逆切れしちゃう人が本当にいるのならば、こうやって屁理屈じみた「理屈」を説明をしなくちゃならない。

那和秀峻氏は「レタッチは恥ずかしいことなのだろうか?」と疑問を投げ掛けている。「デジタル写真とレタッチは切っても切り離せないのだから極普通の作業」と回答するしかなく、氏が文末で結んでいる言葉『「レタッチ反対論者は現代のドンキホーテなのである』、言いえて妙だ。

あとはFujifilmが我々の代行として作ってくれたフィルムシミュレーションのベルビアとLightroomなどのパソコン用現像ソフトで作り上げた「記憶の中にあるベルビア」のどちらが人に好まれるか?、どちらのセンスが優れているか、だけのお話だし、仮にFujifilmのベルビアが圧倒的に好まれたとしても自分が「記憶の中にあるベルビア」を気に入ればそれこそがベルビアカラーなのだ。

ここで「Fujifilmのベルビアはレタッチしないでここまで表現出来ている。でもおまえのベルビアカラーは強烈にレタッチされた作られた像でしかない」なんて言う人がいたらそれは「私はアホです」と言っているのと同じ。

  1. Fujifilmカメラのフィルムシミュレーションのベルビア
  2. Lightroomで作り上げた記憶の中にあるベルビア
  3. LightroomからDxO Filmpack等のフィルムシミュレーションプラグインモジュールを呼び出す、もしくはPhotoshopからフィルムシミュレーションプラグインモジュールで設定したベルビア
  4. RawTherapeeのフィルムシミュレーション機能を用いたベルビア
これらは全てレタッチされて作られたそれぞれの「ベルビア」である。Fujifilmのベルビアだけがレタッチされていないなんてアホの戯言でしかない。

人の感覚なんていい加減。Pentax K-7からだったか?。カスタムイメージに「リバーサルフィルム」が加わった。そのアイコンが富士山のマークだったのとやたらにコントラストと彩度が強い絵作りだったので、プロカメラマンがこれはFujiflmのフィルムのベルビアを模倣していると考えていた。

しかしである!。Fujifilmのデジタルカメラのベルビアを像を見るとPentaxの「リバーサルフィルム」は似ても似つかぬ絵。えっ?、あのプロカメラマンがベルビアだと断言していたのって何?。俺達ってそいつに騙されたの?。

私もPentaxの「リバーサルフィルム」はしっかりとベルビアを模倣していると信じて疑わなかった。人間ってその程度の曖昧な感覚しか持っていない。PentaxユーザーがK-7のリバーサルフィルムを使って「これはベルビアの発色なんだぜ!」と言い切っていた時代があったんだ。

ではFujifilmのフィルムシミュレーションのベルビアがフィルムのベルビアを同じ発色をしているかと言うと実はそうじゃない。Fujifilmのカメラ毎に発色が異なっている、それだけでもフィルムとは異なる発色をしているのが判るだろう。

結果、何が正しいか?。どれも正しいし、正しくない。最終的には言った者勝ち。「俺のベルビア」と言い切る事で十分に話が成立してしまう。

言い換えると「俺のベルビア」がどのような過程で作られたか、はたまた「現像」だろうが「レタッチ」だろうが、表現、言葉なんでどうでも良く、それを「ベルビア」であると思わせる特長さえあれば良いだけなんだ。

本日の写真、FujifilmのX-E2を使っている。皆さん、これがFujifilmのフィルムシミュレーションのベルビアなのか、はたまた汎用現像ソフトで作られた「俺のベルビア」なのか、明確に言及出来る方、いらっしゃる?。

余程にFujifilmのカメラに精通されている方でもこの1枚だけを見て判断出来るとは思えない。となると・・・。

この写真が正真正銘のFujiflmのフィルムシミュレーションのベルビアを使っていたとしたら、それを断言出来ないのだからベルビアの発色を理解していない事になり、Fujifilmのカメラ、撮って出しJPGに拘る必要はなくなる。

もしこれが現像ソフトで作り上げたベルビアっぽい写真であったとしても、それを答えられないのだから、この写真は「ベルビア」でしかないんだ。誰が何と言おうがベルビアなんだ。

屁理屈か?(笑)。


にほんブログ村 写真ブログ デジタル写真へ
にほんブログ村のランキングに参加中です



コメント

  1. のっぽ親父 | URL | ibdEl2N.

    成る程、レタッチではなく現像ですね。(笑)うーん、悩みそう。グチャグチャに弄っているのでボロクソだ僕は。
    霞の除去、、あれは便利だ、楽チンさせてもらってます。シグマの現像ソフトも評判はよろしくないようですが僕は気に入っているのがあります。フィルライト Fill Light って言いますがときどきこれで全く違う雰囲気を作って喜んでいます。僕ってダメなのね。(笑) 反省していませんが。爆

  2. BigDaddy | URL | -

    > のっぽ親父 さん

    レタッチの中に現像処理が全て含まれるんですよね。でも現像処理でも使うカメラ、ソフトによって出来る、出来ないがあり、じゃぁそれは現像処理以外のレタッチ?、そんな訳の判らない話になっていくんでしょう。

    最近のNikonとPentaxのカメラには「明瞭度」なる機能が盛り込まれましたが、それがないカメラで後から明瞭度を足したら「レタッチしている!」と言い掛かりを付けられるんですよ(笑)。センサーに付いたゴミ、それを取り除くだけでもレタッチなんですがね。また霞の除去もコントラストの上げ下げですからこれも立派なレタッチですもんね。

    さて、仮にぐちゃぐちゃにいじってボロクソだったとしてものっぽ親父さんがそれで満足されているのなら誰も文句は言っちゃならないと思っています。現像だろうがレタッチだろうが関係ないんですよね。

    Fill Lightがどのような処理をするのか判りませんが、例えばOlympusアートフィルターのドラマチックトーン、ジェントルセピア、ラフモノクロ辺り、撮って出しJPGでもあれこそぐちゃぐちゃにレタッチされた代物ですよね。

    レタッチネタはもうちょっと書くべきところがあり、近々またその4でも書こうと思っています。

コメントの投稿

(コメント編集・削除に必要)
(管理者にだけ表示を許可する)