にほんブログ村 写真ブログ デジタル写真へ
にほんブログ村のランキングに参加中です

レタッチとは? その3

2015年09月10日 00:00

廃屋にて

廃屋にて

Fujifilm X-E2, XF18-55mmF2.8-4
※ブログに視覚要素を加えるlightboxを導入しています。上記画像をクリックすると少し大きな画像をポップアップして見る事が出来、暗くなった部分をクリックするか、画像下部のCloseをクリックすると元に戻ります。



ネタが浮かばない時はひたすらに前の記事を引っ張る(笑)。

前回の記事からの続き。




フィルム時代、(今で言う)ダイナミックレンジが極端に狭いリバーサルフィルム(5~6EV程度しかない)からダイレクトプリントをすると、露出の上げ下げがほとんど出来ず、よりダイナミックレンジも狭くなり、高コントラストで彩度の高いベルビア50を使うと、余程上手い具合の光でないと、まぁしょ~もない写真に仕上がってしまった。

えぇ!?、こんな筈じゃないっしょ!、とプリントを見てショックを受けちゃう。これはフィルムのベルビアを使った事のあるカメラマンなら必ず通った道。

ベルビアが使いにくいとされていたのは感度がISO50(実際にはISO32くらいと言われていた)だからレンズを絞ったら手振れ補正なんて一部のメーカーの一部のズームレンズにしかなかったからドピーカンでないと手持ち撮影が出来なかったのと、このダイレクトプリントが望み通りに仕上がらないから。

1990年代後半くらいから?、デジタル入稿と言うのだろうか?、フィルムをスキャンし、それを元にプリントをするデジタルプリントが普及し始め、リバーサルフィルムでもネガフィルムのように露出の上げ下げ、色相、彩度など大きく変更が可能になった。

要するに1990年代にはリバーサルフィルムもネガフィルムと同様にデジタル化してから「機械が勝手に」自動補正、機械がカメラマンに成り代わりレタッチをしてくれるあり難いシステムになっていった訳だ。

だから那和秀峻氏が言うようにレタッチを否定しまくるカメラマンはデジタルカメラなんて使っちゃならないし、フィルムカメラにおいても勝手に自動補正してくれる、もしくはカメラマンの意図を汲み取ってプリント技術者が変更を加えるネガからのプリントや、リバーサルフィルムでのデジタルプリントなんてしちゃ駄目。

レタッチ否定派はリバーサルフィルムを使ってダイレクトプリント、これしかしちゃいけないんだ(今もダイレクトプリントって方式が存在していたら)。それしか選択肢はない。

これは屁理屈である(間違っちゃないが・・・)。「レタッチをしない」と言う人は単にデジタルカメラの撮って出しJPGを利用しているだけだろうから。撮って出しJPGを後から加工したり、RAWで撮影してパソコン用の現像ソフトで現像をしていないだけに過ぎないだろう。

しかしそれが果たして凄い事なのか?、「レタッチをしない」、これは自慢に繋がるのだろうか?。レタッチをしない人は偉いのか?。それを考えるとクエスチョンマークが灯ってしまう。だって上述の通り、フィルム時代から我々はレタッチのお世話になっていたのだから・・・。

FujifilmデジタルカメラのフィルムシミュレーションはFujiflimと言うメーカーが用意したレシピに従って現像、レタッチされている。

これを料理にたとえてみよう。老舗の洋食富士のベルビア豚を使ったレシピが門外不出のポークソテー。昭和の時代からずっと愛されてきた。レタッチをしないと言う人は洋食富士のポークソテーこそ一番だと思っていて、それ以外を一切認めない。

しかしその洋食富士も代替わりをし、息子が調理場を仕切っている。先代からのファンは洋食富士のベルビア豚のポークソテーには、変わりなく美味には違いないが何か違うような気もしている。

また味覚は人それぞれ。味が薄いと感じたり、パンチがないと思ったり・・・。すると洋食富士から素材としてベルビア豚に調味料一式を提供された。味が物足りないと思ったらどうぞご自分で・・・。

味に深みを出す為に色々と工夫した結果、もし自分にマッチしたベルビア豚のポークソテーを作れればそれこそが世界一のベルビア豚のポークソテーではあるまいか?。他の人が何を言おうが自分の舌に一番マッチしたポークソテーだ。

レタッチを認めない人は、洋食富士のベルビア豚のポークソテーこそが正しいと思い込んでいる人。息子が調理をしても味は変わらないと言い張っている人だっている。

勿論、洋食富士の味は天下一品で、最高の味を提供してくれている。でも味覚は人それぞれ。暖かい地方の人と寒い地方の人とでは必ず好みが異なる。簡単な話、関東と関西でも全く味が違うでしょう?。

写真も全く同じで「良い悪い」ではなく「好き嫌い」でしかない。だから本ブログでも撮って出しJPGしか使わない人に対して本人がそれで良いと言っているのだから無理にRAWから現像しようよとは薦めていない。

RAW派の人はおおよそ寛大なのだが(JPG撮って出し派の人も認めてつつ自分はRAWから現像する)、撮って出しJPG派はネットで幾つかの掲示板のスレッドを見る限り、徹底的にRAW派を否定している節がある。これが不思議でしょ~がない。洋食富士でご馳走を頂こうが、素材の提供を受けて自分で調理をしようが個人の勝手でしかない。

FujiflmとPentaxユーザーにJPG撮って出し派が多い気がする。確かにどちらもフィルムシミュレーション、カスタムイメージの内容は優れていると思う。私も以前はPentaxのカスタムイメージである「鮮やか」や「雅(みやび)」が最高だと思っていた。

ところがある時からPentaxの吐き出す緑の色が気に食わなくなった。料理、食事で言えば味覚が変わったんだ。味覚が変わったのだから料理本のレシピ通りに作ると他人がどう思おうが、自分自身は不味く感じるでしょう?。だからRAWから現像する、門外不出のレシピを無視し、それに似せつつオリジナルの料理を作る訳だ。それのどこが悪いのか?。

「RAWから作り上げてもFujifilmのフィルムシミュレーション、Pentaxのカスタムイメージに勝る写真を作れない、結局は徒労に終わる・・・」

撮って出しJPG派の中にはそういう事を言い出しちゃう人が出てくる。でも先日も述べた通り、それは個人の好き嫌いだから、クオリティ、優劣なんてどーでも良いの。他人から見てそれが好みに合わなくても自分が良いと思えばそれが「優」なんだ。

料理でもホームパーティを開いた際に、自分の味覚だけにマッチする料理なんて作らないでしょう?。子供の誕生パーティーに幾ら自分が好きだと言ってもめっちゃ辛い料理なんて出さないでしょう?。

写真も同じで自分の好みと世間の好みのギャップをしっかりと理解していれば、万人向けの写真表現も出来るんだ。言い換えれば世間に好まれるような写真が必要な場合は大胆な現像、レタッチは行わず、カメラメーカーのレシピに従った写真作りをする。

結局、レタッチをする、しないなんて話題は特にデジタルの今、不毛でしかない。全く意味がない。料理本のレシピ通りに料理するか、自分なりの味付けをするかだけの違いでしかないのだから・・・。

最近、うちではラタトゥユがブーム。大量の野菜を摂取出来るから週に一度はコレ。フランス風野菜のごった煮とでも言おうか?。食材はおおよそ、トマト、ナス、ズッキーニ、パプリカ、タマネギ。この時、「タマネギを買い忘れたからラタトゥユが作れなかった」、なんてアホでしかない。別にタマネギがなくなってラタトゥユはラタトゥユ。

パプリカはうちではトマトが赤いから黄色のそれを使うが、料理本によっては赤を指定しているのもあるかもしれない。それを見て「赤いパプリカじゃないと駄目!」なんておかしいっしょ?。

一般に香り付けににんにくを使用するが、連れはにんにくが大嫌い、だからにんにく抜きのラタトゥユも同時に作る。これを「にんにくとタマネギを入れなきゃラタトゥユじゃない!」、と言い張っても意味がないでしょう?。

またレシピのよってはお肉を入れるラタトゥユもあるようだ。でもうちは夏だから冷やしてそれも頂く。そうなると肉の変な脂が固まるのが嫌だから動物性たんぱく質は一切入れない。これも「肉が入っていないなんて!」と言われても、それはうちはうちだから・・・。

しつこくもう1個。ラタトゥユはオリーブオイルで炒めていくが、うちはココナッツオイルなどにも含まれている中鎖脂肪酸が配合されているヘルシーリセッタを使っている。これも同じく「オリーブオイルじゃなければラタトゥユじゃない!」、そう言い張られても困っちゃう。

もう一度書く。これはJPG撮って出し派を否定している訳じゃない。洋食富士の味付けが最高!、料理本通りに調理するのが一番美味いと思っているだけなのだから、それに対して何も言うつもりは無い。むしろそれはそれで良い事だ。本来、それが一番幸せなんだ。

馬鹿にしているのはそんな中で「レタッチはしない」、つまり「洋食富士、そして料理本のレシピ以外は絶対に認めない!」と平気で言い張っている一部の人達。

最後に本日の写真について。

昨年お借りしたFujiflm X-E2からの像。これもベルビアなんだが、それがFujifilmのシミュレーションのベルビアなのか、Lightroomのカメラプロファイルのベルビアなのか、はたまた私が好き勝手にRawTherapeeで作り上げたベルビアなのか、さらにはDxO FilmpackやAlien Skin Exposureと言ったフィルムシミュレーションプラグインを使ったベルビアなのかを判断出来る方はいらっしゃるだろうか?。

※小さな像だから判らないと言われると癪なのでマウスクリックで長辺1200ピクセルに拡大する


にほんブログ村 写真ブログ デジタル写真へ
にほんブログ村のランキングに参加中です



コメント

  1. ココロトレール アキオ | URL | -

    レタッチなんかすると上達しねーよ と 言われた事があります

    レタッチをやらないなんてこんな楽しい事を否定する人は きっとその人の奥さんには化粧なんかするなと言ってるんだろうと勝手に想像します
    ただ レタッチしようとする気も起きないくらい完璧な描写で写ったなら そりゃー嬉しい 一度も無いですそんな事

  2. BigDaddy | URL | -

    > ココロトレール アキオ さん

    上達の意味が判りませんよね。「光を読む、構図を作る、露出(シャッタースピードで動感)を制御する、水平を保つ、ブレを抑える」、この辺の基礎テクニックはレタッチする、しないは全く関係がなく、本人が学ぶ気があればどうにでもなりますよね。

    レタッチ(RAWからの現像処理も含む)は表現力を広げる為の技でしかないですから、これは「センス」とか「感性」とか呼ばれるもので、むしろ経験値が高ければ高い程、レタッチの技術によってより表現力が増すんですよね。

    「レタッチしようとする気も起きないくらい完璧な描写は一度も無い」、ココロトレール アキオさんも私もカメラが生成する像に納得していないだけであり、それは上達とは関係ないですもんね。

    「レタッチなんかすると上達しねーよ」、まぁそういう人には「センサーにゴミがついていても消さねぇのか?」、「ホワイトバランスが狂っていてもそのままにするんか?」と屁理屈を言ってあげましょう!(笑)。

    お化粧の話が出ましたが、ポートレートで女性を撮影する時、今のデジカメは毛穴まで写ってしまい、時としてわざとぼかしを後から入れたりしますが、「レタッチしない」と言う人は反対に撮影対象の女性に「毛穴が写らないように厚塗りしろよ!」ととっても失礼な事を言うのでしょうね(笑)。

  3. おかべさせ | URL | -

    SIGMAのMerrillセンサーでとると女性の肌が凄いことに。。被写体によって機材を選べ、とか言う人いますが、そんななんでもかんでも買えるかよ! と言いたいです。第一、現像処理やレタッチした方が圧倒的に綺麗に仕上がりますし。

    あと、SIGMAの現像ソフトのFill LightはRawTherapeeのトーンマッピングと似たような作用をしますね。

  4. BigDaddy | URL | -

    > おかべさせ さん

    被写体によって機材を選ぶのは理想は理想ですよね。私も繁華街スナップ用に小さくてお洒落なカメラが欲しかったりします。

    どうもJPG撮って出し派の人々の中には「現像やレタッチをすればする程質が落ちる、やっぱりメーカーの色は良いよね!」、そんな主張を繰り返している人がいるようですが、それはきっとその人のセンスが悪いだけでしょうね(笑)。撮って出しじゃ満足しないから面倒な現像処理をしている訳でして。

    とにかく「レタッチ」と言う言葉を間違って使っている人が多過ぎる、現像(調整)とレタッチは違う!、「現像や調性はするけどレタッチはしないよ!」、と妙な事を抜かしている人も多い、そんなネットをウロチョロしていてそれを一番感じました。ゴミ取りなんて調整でもなんでもなく完璧にレタッチですしね(笑)。

  5. harada | URL | irFTj9vI

    こんばんは。
     私は白黒の暗室作業しか知らないのですが、仕上がりは暗室作業、つまり調整が不可欠ですよね。その辺を含めて写真行為ですから昨今のデジタル暗室も理解できます。ただ、いろいろ出来すぎて「合成?」の域まで平気で行ってしまうような、、。

     一方リバーサルフィルムは、印刷とか業界の人以外には特殊なフィルムだったのではと思います。
     アマチュアな楽しみ方はスライドプロジェクターで見るという事が前提だったと省みます。ゆえに、現像所から帰ってきたマウントされたポジフィルムは、それで「仕上がり」という事だったのでは。
     ある意味撮影に対して実直で、後でどうのこうのしようという目論みが無い、今そこにある光景を見る真摯な姿勢だけがあったのかもしれません。

  6. BigDaddy | URL | -

    > harada さん

    コメントありがとうございます。

    白黒、特にフィルムをやられている方はデジタルのレタッチするしない論争を不思議に思われていますよね。私はモノクロのプリント作業は下手糞でしたが、上手な方は今で言うHDR処理でさえ焼き込み、覆い焼きで自在にやられていましたもんね。

    そしてどうやらこの論争は合成以前の問題でJPG撮って出しかRAWから現像するか、それの戦いのようで、これはデジタルメインの人間でもなんでその程度の事で大袈裟にもめているんだ?、と感じますねぇ。

    リバーサルはプロジェクトで見る人もいるでしょうし、私はプリント派でした。仰る通り撮った状態が仕上がりなのでせいぜいトリミングするくらいでした。確かにリバーサルと今のJPG撮って出しは同じような印象を受けますが、デジタルと銀塩はやはり全く別物と考えるべきで、JPG撮って出しでもメーカーの意図が大きく入ったレタッチがされている、各自がそう思うべきかと。

    今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

コメントの投稿

(コメント編集・削除に必要)
(管理者にだけ表示を許可する)