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再びRawTherapeeのフィルムシミュレーションについて

2015年10月30日 00:00

秋の山里

秋の山里

Nikon D90, Nikkor 16-85mmF3.5-5.6

※ブログに視覚要素を加えるlightboxを導入しています。上記画像をクリックすると少し大きな画像をポップアップして見る事が出来、暗くなった部分をクリックするか、画像下部のCloseをクリックすると元に戻ります。



前回の記事を踏まえ・・・。

RawTherapeeには独自のカラールックアップテーブルであるHald CLUTの画像データを用いてフィルムシミュレーションが可能となっている。今日はそれについて。




Hald CLUTそのものがフィルムシミュレーションではない。Hald CLUTと言うカラーテーブルを利用して、有志達が作り出したのがRawTherapeeのフィルムシミュレーションだ。

「有志達」って誰?。フィルム撮影に卓越している、フィルムデータを仰山持っているプロカメラマンやレタッチャー?・・・。それが判らない。だからフィルムシミュレーションと言っても話半分くらいに思っていた方が良い。

ベルビアだったら「ベルビア風」、コダクロームだったら「コダクローム風」と思うべきで、ここで「いやいや、ベルビアの絵はもっとコントラストが高い!」とか「コダクロームってただ渋いだけじゃないんだぜ!」と言ったところで「だからなんなの?、それが判っているんだったら自分で作れよ!」って事になっちゃうでしょう?。

Fujifilmのカメラのフィルムシミュレーションを考えてみよう。自社のプロビア、ベルビア等のフィルムを模倣している割にはカメラによって絵作りが事なると言う。これは厳密なシミュレーションではない。本来はカメラが違ってもセンサーの性能が異なっても同じ絵じゃなくちゃならない。

Fujifilmのカメラでさえそうなんだからフリーの現像ソフトにフリーのフィルムシミュレーションに対してはもっとおおらかな心を持たなくちゃならない。

海外のサイトを見ているとこのフィルムシミュレーションに対して「赤の色がおかしい!」と検証している人がいたが、だったら自分で直せば良いだけじゃないのか?、その為に現像ソフトを使っているんでしょう。どうしてもマウス一発でフィルムに近付けたかったら素直に私も使っているAlien SkinのExposureやDxOのFilmpackを買えば良い。そういうところをケチっちゃ駄目だって。

Fujifilmのベルビアだっていつの時代のベルビアなのか?。私の記憶にあるのは1990年代のベルビア50だ。コントラストが強くやたらに赤に転ぶ(特に人の肌が赤っぽくなる)印象を持っていて、これらは市販のExposureやFilmpackでさえ「違うなぁ」と思ってしまう。

フィルムとそっくりな絵にしたい、そう思ったら最低でもオートホワイトバランスなんて使っちゃいけないし、現像ソフトの5000Kは本当に5000Kなのか?、そこから疑って行かなくちゃならない。デイライトのリバーサルフィルムなら日陰の像はかなり青っぽくなる。しかしオートホワイトバランスにセットしちゃうと青っぽさが消え、そこでフィルムらしさが皆無になってしまうんだ。

主にレンズの先端付ける色温度フィルターや色補正フィルター等を付けてその風景の色温度を厳密に測って撮影をするカメラマンもいたろうが、そんな人は一握り。

ベルビアにPLフィルターを付けてさらにLBAやCCフィルターで色補正していた人なんて見た事が無い。
だからそれぞれの記憶違いもあるだろうし、現像済フィルムを保存していたとしてもその時にどんな撮影をしていたか、それを完全に理解していない限り、100%再現するなんて所詮無理なお話。もう一度書くけどFujifilmのカメラでさえフィルムと寸分違わぬ絵にはならないのだから。

ネガフィルムにおいても我々は本当のネガフィルムの発色を理解しているか?。補正無しでプリントしている人なんてほとんどいないと思う。一般的に同時プリントは自動補正されていて、その発色を見て「Kodak Goldはこんな発色じゃない!、全然シミュレーションしていないじゃないか!」と文句を垂れてもねぇ・・・。

KodakのフィルムはFujifilmに比べて黄色が強いなんて話がある。確かにそんな気もしないでもないのだが、一説にはKodakのフィルムパッケージ、つまり「箱」、これが黄色中心のデザインだからそんなイメージがついてしまったとか・・・。

また、特にヨーロッパの太陽の光は日本のそれと全く異なるので、ヨーロッパに合わせた設定をしているKodakのフィルムは日本の太陽の下では合わない、そんな説もあったりする。

そんな訳でRawTherapeeのフィルムシミュレーションはPentaxで言う「カスタムイメージ」、Nikonなら「ピクチャーコントロール」だと思ってりゃ良い。Fujifilmのカメラもそう。ベルビアじゃなくVivid、プロビアじゃなくStandard、そう思って使えば文句はない。

しかもRawTherapeeのフィルムシミュレーションにはそんなイメージが300個くらい搭載されているんだから、フィルム名で選ぶのでなく300の絵を実際に出して、自分の好みを再認識すりゃ良いだけでしょう。

さて、そのフィルムシミュレーション、何がアップデートされたのか?。

よりフィルムに近付いた訳ではないようだ。カラーコレクションに「CreativePack-1」なるシリーズが追加されただけ。フィルムをシミュレーションしていると言うよりも、製作者がこれは使えるぞ!、と言った発色集とでも言おうか?。製作者の考えるカスタムイメージでありピクチャーコントロール。

恐らくRawTherapeeのそれでなくてもフィルムシミュレーション系のツールを使うと必ずやってみたいと思うのがブリーチバイパス(銀残し)だろう。

Pentaxはカメラ内で生成するイメージに「銀残し」があるし、Lightroomにも「ブリーチバイパス」がプリセットされている。Alien SkinのExposureにも4種の「銀残し」が存在したりする(DxO Filmpackにはない)。

不思議なのがこの手のものにブリーチバイパスと必ずセットになっている「クロスプロセス」はないんだ!。今回追加されたのは「CreativePack-1」だからいずれPack-2なるものが出てきてそこに加わるのかな?。

そのCreativePack-1、30個くらい用意されているのかな。ざっと見る限り、美しい系ではなく、どちらかと言うと色被りしているものや、いわゆる「ローファイ」(汚く加工された絵)なものが多いので万人が「これだ!」と思うのは少ないだろう。

しかし世の中不思議なもので上の通り、Pentaxカメラには当初、一体誰がこんなの使うんだ?、そう思えた銀残しや、ここ最近のFujfilmカメラに搭載されているクラシッククローム、これらも広義に捉えればわざと汚い加工をするローファイ処理だからして、これを好むカメラマンは確実に一定数存在するんだ。

Pentaxの銀残しをメインに使おうなんて人は少ないだろうが、Fujfilmのクラシッククロームは特に海外では一定数のファンがいらっしゃるようだ。そう言えば良く見ればクラシッククロームって色被りはしていないんだよね。空が濁るからてっきりグリーンに振っているかと思ったが・・・。

私も、明らかに色を弄っちゃいました!、それは敬遠するが、色褪せ、色被り、日焼けしたオールドフィルム、オールドプリント風な絵が大好きだったりする。

新たに加わった「CreativePack-1」、どんな作用をするかは各自で1つ1つチェックして頂くとして、今回は従来のフィルムシミュレーションも含め、(私なりの)注意事項を以下に。

「CreativePack-1」の銀残しはBleachBypass1~4まで4つ存在する。処理によってはどれも全く使い物にならない。何故?。

「BleachBypass1」はカラーマネージメントの入力プロファイルにLightroomのDCPを選んじゃ駄目なイメージなんだ。通常通り「プロファイルなし、カメラの標準的プロファイル、カメラ固有のプロファイル」のいずれでないとちゃんと作用しない。

「BleachBypass2~4」は反対に入力プロファイルにLightroomのDCPファイルをセットしないと意図したイメージにはなってくれない。

※Lightroomの入力プロファイルはなんだって良い。撮影カメラがPetnax K-5で入力プロファイルがNikon D90のCamera Landsccapeとかでも良い

この解釈が正しいか否かは何とも言えないが、明らかに「BleachBypass1」と「「BleachBypass2~4」とでは発色が違い過ぎる。

RawTherapeeのフィルムシミュレーションは入力プロファイルにLighroomのDCPファイルを与えない方が「よりらしい」絵になるのもあるんだ。当然LightroomのDCPを読み込んだ方が「らしい」絵になったりするのもあるから厄介なんだ。同じシミュレーションでも風景によってDCPを読み込んだ方が良かったり悪かったり・・・。

だからフィルムシミュレーションをオンにして「こりゃ明らかに絵がおかしいぜ!」と思ったら入力プロファイルをチェックするのをお勧めする。もしLightroomのDCPファイルを読み込んでいたらそれをキャンセルする、そうでなかったら反対にDCPファイルを読み込む!。

また何らかの理由でLightroomのDCPファイルじゃなくちゃ嫌!、なんて場合は(そんな事はないとは思うが)、DCPのオプション部分に「DCPトーンカーブ使用」があり、通常はこれがチェックされているのでこれをオフにすると良いだろう。

※このDCPトーンカーブがカメラ固有を印象付けるのでこれをオフにするとLightroomのDCPファイルを読み込む意味がないのは確か

どんなフィルムシミュレーションでも元になる写真の発色によって違いが出る。そりゃ当たり前だ。フィルムシミュレーションソフトであるDxOのFilmpackでもLightroomから呼び出されればAdobe Standardなどが元絵となるが、DxO Optics Proの場合はカラープロファイルをレンダリングと呼ぶらしいが、これに直接フィルム名を入れてしまう。だから同じベルビア100でも発色は異なってしまう。

下、発色の傾向は似ているが、特に中央の納屋と右側の黄葉を見れば違いがあるのが容易に判る筈だ。

※本日はクリックすると長辺1200ピクセル像がポップアップする


LightroomからFilmpackでベルビア100

2015-10-30-02


DxO Opticsでベルビア100

2015-10-30-03


これを見てどう感じるかである。私はこの程度の違いなどど~でも良いと思っている。だからLightroomを使っている時はそのままAdobe Standardの絵からFilmpackのベルビア100を作るし、DxO Optics Proを使っている時はそのままベルビア100をセットするだけ。

次の2枚はRawTherapeeでフィルムシミュレーションにベルビア100を使ったものであるが、違いは1枚目は入力プロファイルにNikon D90用Adobe Standardを読み込んでいて、2枚目はカメラの標準的プロファイルを読んでいる。


RTにてD90用Adobe Standardからのベルビア100

2015-10-30-04


RTにて標準的プロファイルからのベルビア100

2015-10-30-05


この4枚の写真を見ちゃうとRawTherapeeの標準的プロファイルを読み込み、フィルムシミュレーションでベルビア100にした像が露出アンダーと言うかコントラストが低いと言うか、明らかにおかしいと感じるでしょう?。

しかしRAW現像を極めようと考えると、この一番地味な標準的プロファイルを利用したベルビア100が最適だったりする。いや、これが一番フィルムらしいと感じるんだ。そこから露出やトーンカーブをいじって「オレのベルビア」を作り上げる訳だ。それが下。


オレのベルビア

2015-10-30-06


そして本日トップ写真がオレのベルビアと同じ手法で作り上げた「オレのコダクローム」である。コダクロームが渋いってのは実は嘘でベルビアには劣るが発色そのものは意外としっかりとしているんだ。

最後、下はRawTherapeeで入力プロファイルにD90のAdobe Standardをセットしてフィルムシミュレーションの「CreativePack-1」のBleach Bypass2を使ったもの。


RTで銀残し

2015-10-30-07



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コメント

  1. tsunomagari | URL | -

    オレのベルビア!

    BigDaddy様、こんにちは。

    オレのって、ネーミングがいいですね(笑)
    WBのケルビン値もあてにならないですよね。
    同じメーカーでも機種によって設定違いますから。
    最近知人のベルビアスナップショットを幾つか見まして、いいなぁ思った矢先の記事でした。
    135でも1本千円以上しますが、ポジフィルムで撮って、私のベルビアの比較データにしてみようか企んでいます。

  2. のっぽ親父 | URL | ibdEl2N.

    当店の「俺のツマミ」シリーズみたい。(笑)
    銀残し。渋いですね。 紅葉を過ぎて初冬のイメージです。色で季節感が変わりますね。
    ところでお茶畑の緑と紅葉の対比が好きです。そちらの方だと埼玉のへんでしょうか。すぐ静岡県内をイメージしてしまいます。

  3. BigDaddy | URL | -

    > tsunomagari さん

    「オレのなんちゃら」とネーミングしておけば誰からも文句は言われませんしね(笑)。

    ホワイトバランスの設定を「日中」にしても日陰で青くならないのがおかしいです。ポジだったら(フィルムによってもありましょうが)真っ青なりますもんね。Lightroomではシャドーだけ色を変化させるとか部分補正がありますから、かなりフィルムに近い絵に出来ますよね。

    本物のベルビアとの比較、是非ブログでご報告をお願いします!。日陰部分のコントラストや現行ベルビアでも人の肌に赤味が出るのかとか知りたいです。

  4. BigDaddy | URL | -

    > のっぽ親父 さん

    おお!、そんなシリーズがお店にあるんですね!。お店でグルメなお客さんがその「俺のツマミシリーズ」を見本にさらに「常連さんAの俺のツマミ」なんてのを創作したり・・・。

    例えばししゃも。マヨネーズがついてこないお店も多いです。さらにマヨネーズだけでなくプラス七味なんてのを私は所望しちゃうんですよ。ししゃも+マヨネーズ+七味ってが大好きなんですよ(笑)。そんな時「オレのししゃも」になる訳です(笑)。

    さて、RawTherapeeの銀残しは色がある程度残っていて晩秋~初冬なんてイメージにマッチしそうですね。この茶畑は神奈川県の相模湖周辺の山間の集落だったと思います。だから車の止め場所に苦労しました(笑)。

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