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RawTherapeeのRetinex、まずはどんな感じか?

2015年11月23日 00:00

Tokyo Snap

Tokyo Snap

Pentax K-5, SMC M50mmF2

※ブログに視覚要素を加えるlightboxを導入しています。上記画像をクリックすると少し大きな画像をポップアップして見る事が出来、暗くなった部分をクリックするか、画像下部のCloseをクリックすると元に戻ります。



またまたRawTherapeeネタだ。いや、ホント、最近他のネタがない!。何しろ自宅で写真関連の作業をしている時のほとんどをRawTherapee内で過ごしているから・・・。




このネタは3週間くらい前の下書きをベースにしており、もしかするとこれが掲載される時、RawTherapeeのRetinex処理に対して判り易いチュートリアルが関係者の間で作られているかもしれないが、下書き時点では開発者によるフランス語で書かれた機能説明しかなく、またそれがかなり学術的なもの。

RawTherapeeのフォーラムを覗いてもユーザーからは「難しい」とか「早く判り易いチュートリアルが欲しい」、「デフォルトセッティングだといまいちだが?」と言った言葉が発せられており、全世界のユーザーもこのRetinexに対して期待はしているものの、手探り状態みたいだ。

RawTherapeeは非常に優れた現像ソフトであるが、大きな欠点として開発者の思考もあるのだろう、複雑過ぎちゃってユーザーが何をするべきか、糸口が見つからず迷走する事が時折起こる。各カメラメーカーの純正現像ソフト、Lightroomやその他の市販現像ソフトは勘で何とでもなるのにRawTherapeeはそうは行かない。

特に純正、市販の現像ソフトと差別化を計り、RawTherapeeでしか出来ない処理であるLab調整、CIE色の見えモデル2002、多様なノイズリダクション、ウェーブレット、デモザイクのオプション・・・、これがあるからRawTherapeeを使うのに、その使い方が複雑怪奇。

未だにCIE色の見えモデル2002は何の為に、どんな時に利用するべきかちっとも理解出来ていないし、今回搭載されたRetinexも仕様なのかバグなのかも判断付かないような作用をする時があり、クエスチョンマークだらけ。

10月下旬、RawTherapeeでRetinex理論を用いた処理が可能になった。Retinex(レティネックス/レチネックス)とはなんぞや?。さらに1ヶ月遡って開発テストバージョンからRetinexを使っているが、最初はチンプンカンプンだったし、今も「自分が使う程度なら・・・」と言う条件でしか理解出来ていない。

「Retinex」、ネット検索すると幾つか出てくる。簡潔に言えば「人間の目で見えているような風景になるよう高輝度、低輝度でも正しい色を実現させる機能」と言えば良かろうか?。擬似HDRとかトーンマッピングをさらに高度にした処理と考えれば良いのだろう。

NASA - Retinex Image Processing

上のNASA関連のサイトを参照されたし。でも擬似HDR、トーンマッピングと何が違うのか?。うーん、判らん!。少なくともRawTherapeeのトーンマッピングは主に低輝度(シャドー部)を明るくするように働くようで、ハイライトにはあまり作用しないので使いどころが違う気がする。

そして恐らく人間の目にそっくりな状況を作り出すには露出値を変えて何枚か撮影しそれを合成するHDRが柔軟度があり、一番勝手が良い。適正露出を基準に-3EV~+3EVまで1段刻みで7枚も撮影していればハイライトもシャドーも全て再現出来る。

うちにはそれに特化したPhotomatix Proと言うHDR合成ソフトがある(LightroomやPhotoshopのそれよりも遥かに美しい像を提供してくれる)。流石に面倒だから7枚も合成はしないが、-2EV、0EV、+2EVの3枚の撮影して合成する事は多い。

しかし合成処理の欠点は動いているものには弱くゴーストが発生してしまう。Photomatixはある程度ゴーストに対応しているが、それでも完璧ではない。また常にそんな風景でパチパチと3枚撮影するのも正直面倒だったりする。

ちょっとした輝度差だったらRAW現像でなんとかなるさ!。事実その通りで、Lightroomでハイライトを落とし、シャドーを持ち上げればそれなりの写真になってくれちゃう。そしてハイライト補正(霞の除去を含め)はLightroomに適うソフトはない。

ハイライト補正で真っ先に浮かぶのが白く飛んだ空だろう。ところがハイライトの補正が最も優秀と思われるLightroomでも綺麗に空の色が出ない時もある。RAWファイルの中に色情報がほとんどないと輝度が落ちるだけのくすんでグレーになってしまう。でもRawTherapeeでそんな写真を現像すると空に色が乗ってくる時があるんだ。

では今回のRitinexを使えばよりダイナミックレンジが広がる?。救える写真がLightroomよりも増えるのか?。

うーん、RAWに情報がないものをどーにかするのはどんな現像ソフトでも無理なのだから、ダイナミックレンジが劇的に広がるって訳ではなく、冒頭に書いた通り、人の目に近い絵になってくれるとでも言おうか?。2ヶ月近くこの機能を使って色々な写真に処理を施しているが、半数くらいの写真はそれなりに絵になってくれている。言い換えると半数はRetinex処理とは合わない写真だ。

Retinex実践の前に「Retinex処理とは合わない写真」について書いちゃおう。

絵画調に処理したHDRと同じく特にハイライト側で輪郭の付く白いハローが目立つ写真がある。アプリケーション側が輪郭部分を判断出来ていない。だから輪郭周辺を曖昧にしちゃう。言い換えるとこれはボケなんだな。輪郭がボカされてちゃって白く縁取るのがハロー(場合によっては黒く縁取る)。

下はそんな写真をわざとRetinex処理だけで作ってみた。


2015-11-23-02


これが太ければHDRにしか見えないし、ある程度輪郭を見つけてハローが細くても空背景の電線に沿って真っ白い線が走ってしまうのであり得ない風景になっちまう。白い輪郭が上側に付いているのなら日光の反射であると言い張れば信用されるかもしれないが、地面側に白い線があったらおかしいでしょ?。

Lightroomはマスク処理が可能なので空を分離させて空部分だけに色を付ける手法があるが、これもマスクが上手く行っていないと(Lightroomでさえも輪郭を見極められない)小さなプリントでもバレちゃう。電線や山の稜線に通常のシャープネスとは異なる白い線、ハローが出てしまう。

現像なのかレタッチなのかコンピューターグラフィックなのか?、そんな論争以前の問題でデジタル特有の不快な輪郭は写真にあっちゃならないと思っている。だから絵画調のHDR写真は写真じゃなく絵画にしか見えない。あれを写真だと言い張る人もいるから一概に駄目とは言わないが、好みではない。

デジタル特有の輪郭に見えないのがPentax独自のエクストラシャープネスであるが、これを嫌う人が多い。どうやら低感度でも空にノイズが乗るから嫌なんだと。確かにこれを強く掛け過ぎるとISO200くらいから空にあり得ないノイズが出たり、細かい模様の壁などにラーメンノイズが出たりもする。しかし余程大きなプリントしない限り判らんって!。

しかしPentaxはそういうユーザーの声をちゃんと聞くべきだと思う。さらに優れたシャープネスをとっとと開発するべきだろう。

だって、余程大きなプリントをしないならエクストラシャープネスのノイズが目立たない、これは言い換えると、余程大きなプリントをしない限り、エクストラシャープネスも不要って事なんだ。

そして大半のカメラマンは余程大きなプリントなんてしない。A3ノビ程度ならノーマルシャープネスの0設定でも十分にクリアな絵になるのだから・・・。

しょ~もない解像力のレンズを使っていればエクストラシャープネスはA3ノビ程度でも効果はあるとは思うが・・・。
要するにハローが出ない、もしくは目立たない風景があり、それにはこのRitinexは大いに使える。輝度差があり、ハイライトが飛んでいる、シャドーが潰れている、そんな風景なら最初にRetinexを試す価値はあるが、初期設定状態で違和感のある絵になったらその写真はRawTherapeeでは現像するべからず、そう言い切っても良いかもしれない。

2つ目の欠点はRitinex理論の本来はどんな明るさにおいても人間の目のように色もしっかりと忠実に再現する事にあるようだが、RawTherapeeのRetinexは彩度が落ちてしまう時もあるんだ。そんな時はLabモードやカラータブのHSLエディターにて色を正す作業を強いられる。

フランス語で書かれたRawTherapeeのRetinexのマニュアルの彩度に関しての部分をGoogle先生で訳したところ「Labモードの色度、CCカーブを利用せよ」、「ウェーブレットの残差像にて彩度を上げろ」と書かれている。現状、RawTherapeeにおいてRetinex処理は完璧じゃない事が伺える。

そして彩度を上げると、また最初の欠点に戻ってしまうんだ。特に空、空の彩度も上がるので、よりハローが目だってしまう(ハロー、輪郭部分は白いままだから)。そうなるとLabモードで空部分だけは彩度を上げない、そんな処理をしないといけない。

3つ目の欠点、これはセンサー由来ならしい。良くハイライトのマゼンタ被りって耳にするでしょう?。何故か白く飛んだ部分にマゼンタが着色される。これはレッド、ブルーよりもグリーンが弱いから起こる現象との事だが、RawTherapeeではそれが顕著に現れる。

これが輪郭だけに現れているのなら色収差、フリンジ補正でおおよそなんとかなるが、Retinexだと白く飛んだハイライト全体に着色されるのでお手上げだ。

Lightroomではそれを上手く消している。内部でレッド、ブルーの色情報が残っていてもそこにグリーンがなかったら白く飛ばしてしまえ!、そんな処理が施されているのかもしれない。そしてそこの輝度を無理に落とそうとするとグレーになる。でもユーザーは「あっ、グレーになるって事はそこに色情報がないのね、諦めよう~」と納得する。

ところがRawTherapeeはそこに着色しちゃうんだ。だから白く飛んだ空、どんな現像ソフトでも救えないくらい飛んでいる部分に自然界ではあり得ない色が出てきちゃう。他の現像ソフトでは諦めて白く都バスところ、少しでも情報があればRawTherapeeは(救おうと?)努力をしちゃう。それがユーザーにとって不快な努力だったりする。

その例が下。この写真はPentax K-5特有の分割測光の馬鹿露出によって撮られた(撮らされた)もので適正な露出よりも2段以上もオーバーになってしまい、それを救えるかどうか・・・。でも駄目だった。こうやってハイライトにあり得ない着色。

これはフリンジ補正、HSLエディターで排除は出来るが、結果、ハイライトは飛んだまま。ハイライト補正が優秀なLightroomでも救えない写真はRawTherpaeeでも決して救えないんだ。


ありえないっしょ?

2015-11-23-03


HSLエディターで紫を排除

2015-11-23-04


これでもまだハイライト部分が被っている。紫だけを下げちゃ駄目で、この写真に限っては青紫も下げると良くなった。


HSLエディターで青紫も排除

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RawTherapee関連のサイトでは各社のRAWをdngファイルに変換するとそれが起こらないと書かれていたが、確かに若干改善されたような気もするが、これは完全に改善されなきゃ意味がない。Lightroomのように白く飛ばしてくれれば良いだけなのだが・・・。

そうなるとあり得ない色を消す作業を強いられる。上の通り、Lab調整やカラータブのHSLエディターで綺麗さっぱりに消えてくれるのだが、せっかくRitinexでダイナミックレンジを広げたのに彩度を上げたり、変な着色をなかった事にするのは面倒臭い。

加えて、もしハイライト以外に実際にこの色が存在する写真だったらどうなるか?。きっとその部分も彩度が下がり、見た目とは全く異なる発色をしてしまうのだろう。

また、欠点と言うべきなのか、発展途上にあるのか何とも言えないが、上記リンク、NASAのRetinex関連のページを見るとこの理論を用いればDehaze、Lightroomで言うところの霞の除去が出来るらしいのだが、RawTherapeeのRetinexはどう設定を変えようが霞の除去は出来ない。

Lightroomの霞の除去とほぼ同じ作用にさせるにはRetinex処理の他に露出タブの彩度、Lab調整、そしてカラータブのHSLエディターを駆使しなくちゃならない。そしてむしろRetinexの機能よりもLab調整などの色設定の方が重要だったりする。

そのNASAの関連ページでRetinex処理を施すとこうなるんだよ、そんな例が掲載されている。ご覧の通り、ハイライトとシャドーを調整してダイナミックレンジを広げていると言うよりもRawTherapeeのトーンマッピング同様にハイライトはそのままを保ちシャドーからミドルを上げている像ばかりだ。

しかもRawTherapeeのRetinexはハイライトもなんとかしようと思っちゃうから(と言うよりもRawTherapeeそのものが)白く飛んだ部分に無理矢理着色を施してしまう。

そしてページ後半ではDehaze(霞の除去)のような処理も施されている。RawTherapeeのRetinex処理だけでここまで可能なら万々歳なのだが、上述の通り、他の処理と併用しないと霞みなんて取れない。

そして上リンクからHOMEページに戻ると冒頭に「・・・making images brighter, sharper, and clearer to look like the world you see.」とある。これは「あなたが肉眼で見えているように明るくてシャープでそしてクリアーになる」と訳せるのかな?。

これらを踏まえ、RawTherpaeeに新たに加わったRetinexはまだ完全には機能していないんじゃないかと思っているんだ。

長所も述べておこうかな。RawTherapeeのRetinexは他の露出タブ内のトーンマッピング、シャドウ/ハイライトと同様にコントラストを調整するものなのでダイナミックレンジを拡大すると同時に見た目の解像感が上がってくれる。

その為、等倍でもシャープネスを一切を掛けずともハッキリクッキリに見える写真が増える。だから今までしょ~もないレンズを使って解像感せずに無理にシャープネスを上げていたような写真を等倍で見ても「おっ、ワンランク上のレンズを使ったか?」と思ってしまう。

元々RawTherapeeのデモザイク処理も優秀なのだろう。Lightroomはデフォルトでシャープネスの適用量を25にしているが、RawTherpaeeはデフォルトでは一切シャープネスを掛けない。センサーの持った情報だけで表示している。なのにLightroomよりもシャープに見える。

だからこそカリカリ好きのカメラマンはRawTherapeeの一択と言っても良いくらいだ。
またRetinexにてシャドー部を持ち上げるとノイズの発生が最小限に抑えられたりもする。これは高感度ISOで撮影している写真に対しても非常に嬉しい。

全体に半段から1段くらい露出を上げたい場合、明度や露出補正、トーンカーブでシャドーを持ち上げ通常のシャープネスを掛けるよりも単にRetinexでダイナミックレンジを確保した方がノイズが少ないんだ。特にカラーノイズはほとんど出ないみたいだ。

そしてウェーブレットタブの残差画像と組み合わせると輝度ノイズも最小限に抑えられる(ノイズ量は同じだがノイズを見え辛くする)。あとはノイズリダクションを(シャープネスを使っていない分)通常よりも軽く掛けてやれば良い。これもカラーノイズが発生していなければウェーブレットタブだけでノイズを抑えられる。

ISO3200になってしまう風景があったとする。これをなんとかISO1600に抑えたい場合、絞りを開けるか、シャッタースピードを遅くするかしかないが、Retinexで処理をするのを考慮しておけば絞り、シャッタースピードはそのままに感度だけISO1600に落としてわざと1段アンダーに撮影する、そんな選択肢も出来てくる。

但し、実際にRetinexを使って見た目の露出を1段上げた場合のノイズがどの程度なものかは様々な風景でテストしないとならないだろうし、ドアンダーの写真をRetinexで見た目の露出を2段、3段上げてしまえばノイズは大幅に増え、幾らシャープネスを使わないで良いと言っても写真としてのクオリティは低くなる筈。とにかく撮影時の選択肢が増えた、これは確実に言える。

現時点で把握している特徴はこんなもんかなぁ。そしてこれはCIE色の見えモデル2002と同じく、このRetinexを使わずともハイライト、シャドー補正、トーンカーブ、トーンマッピング、ウェーブレット等を用いればおおよそ意図した写真になってしまう。

冒頭にRawTherpaeeは複雑過ぎると書いた。Retinexは正にそれを物語っていてLightroom等の他の現像ソフトは「これをするにはあれを設定する」と言ったようにすぐに解が見つかる。でもRawTerapeeは選択肢が多過ぎて「これをするにはあれとあれとあれとあれとあれが使えるけどどれを使うのが正解なんだ?」とユーザーが無間地獄に陥る。

使用者が少ないのもネックだ。この手のマニアックな作業は日本人よりも海外の人の方が長けているが、彼らですら難しいと嘆いている。RawTherapeeはVer3まではしょ~もない単に無料で使える現像ソフト、パソコンの環境によってはすぐに落ちて全く使えない代物でしかなかった。だからこれを駆使している先人がいない!。

特にウェーブレットやRetinexと言った最近追加された処理を確信を持って使用しているカメラマンは全世界に一人もいないんじゃないかと思うくらいだ。

本日トップ写真。こういう心象的な風景はRetinexは物凄く合う!。様々な設定項目があるので撮影者の好み通りのセッティングになってくれる事が多く、さらにウェーブレットの残差画像にてハイライト、シャドー、色度に手を加えたら、よりイメージ通りになった。こういう写真ってハローが出ていても特に気にならないでしょう?。


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コメント

  1. のっぽ親父 | URL | ibdEl2N.

    表紙の写真 実におしゃれな写真です。以前も書きましたがモダンな写真って環境なんでしょうね。ちょっと羨ましい。しばらく東京キャンプでもしようかな(笑)BigDaddyさん のRaw Therapee 世界はすっかり深〜いところまで進んでいるのですね。まだまだ入り口付近でウロウロしています。頑張らなければ。(苦)(笑)

  2. BigDaddy | URL | -

    > のっぽ親父 さん

    ありがとうございます。

    結局は「ないものねだり」であり、各自が日常からの脱却を望んでいるのでしょうね。そして多くはなんだかんだと飽きっぽいんでしょうね(笑)。私も洒落た写真だけとか廃墟だけなんて撮っていたら数日で飽きちゃって、ないものねだりでネイチャー撮りたいなぁとか思いますもん。

    RawTherapeeは先人がいないから面倒な反面、いないからこそ面白いってのもありますね。試行錯誤しながらこーすればどーなんるんだろうと考えるのが楽しくてしょ~がないですよ(笑)。

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