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許容錯乱円

2016年01月06日 00:00

路地の風景

路地の風景

Pentax K-5, SMC PENTAX-M 50mmF1.4

※ブログに視覚要素を加えるlightboxを導入しています。上記画像をクリックすると少し大きな画像をポップアップして見る事が出来、暗くなった部分をクリックするか、画像下部のCloseをクリックすると元に戻ります。



許容錯乱円、なんだかとってもアカデミックな響き。でも内容は算数レベルなので・・・。




面倒なので許容錯乱円をご存じない方はネット検索で調べて頂きたい。実は私も詳しく解説しろと言われると困ってしまう・・・。

とにかく被写界深度を計る上で必要な係数とでも言えば良かろうか?。各種フィルムフォーマット、もしくはセンサーサイズによってこの値は変化する。

一般に135フィルム、センサーの許容錯乱円は0.033ミリ。その3分の2程度のサイズのAPS-Cセンサーは0.022ミリ、135センサーの半分のサイズのm4/3、4/3は0.0165ミリとなる。

但し、これは六つ切り相当(今ならA4程度)のプリントを30センチくらいの距離で見た時のおおよその数字。そして見るサイズが大きくなればなる程、見る距離が近くなればなる程、許容錯乱円の値は小さくなる。

だからA3ノビプリントが主流の今、A3ノビプリントを30センチの距離で見るのなら上の値は全くの間違いになってしまう。この辺も(プリントサイズと鑑賞する距離に対して)ちゃんとした計算がある筈なんだが、これを書いている今、ネットから探し出せなかった。

それで私個人の経験からするとA3ノビプリントを5~60センチ離れて見た場合、APS-Cセンサーだと許容錯乱円は0.17ミリくらいと思っていた方が良い気がする。wikiを見るとAPS-Cセンサーの許容錯乱円は0.019とあり、これはA3ノビプリントを1メートルくらいから見た感覚に近く、通常はそれくらいで眺める筈なのでwikiの数字は正しいと考える。

50mmレンズで絞りF2で距離10メートル被写体を撮ったとしよう。従来の場合、APS-Cセンサーで許容錯乱円を0.022ミリにすると363センチ程度の被写界深度がある(切捨て、四捨五入とかでこの値は結構変化するんだけど)。それがA3ノビプリントを想定して許容錯乱円を0.017で計算してみると277センチ程度の被写界深度になる。たかが86センチの差と思うなかれ!。

おおよそのカメラはAFが優秀だから等倍で見てもジャスピンが多く、A3ノビどころか全倍プリントでも問題はないにせよ、一眼レフのMFで撮っているとこの86センチの差が命取りになる。ワーキングディスタンスによってはピントリングを1ミリ動かしただけで1メートルも距離が変化するレンズだってあるからだ。

うちの40年くらい前の24mmレンズがそう。135用のレンズで従来の考え方でレンズが作られているから2.2メートルから無限遠までのピントリングの駆動量が5ミリくらいしかない。だから20メートルくらい離れている被写体を絞り開放のF2.8で撮ろうと思うと気合と根性だけでは駄目で神頼みを必要とする。

その気合と根性を入れてかつ神頼みをしないと等倍ではピントを外しているのがすぐに判り、A3ノビでギリギリ、A2だったらもうアウトだろうなぁってな写真を量産しちゃう。

だから「絞り開放隊」が出動すると撮影にかなり慎重になる。当然、不安だから「一段絞り隊」も同時に出動し、加えて「F5.6後方支援隊(ドピーカンならF8後方支援隊となる)」も投入されるんだ。さすがにF5.6まで絞っていれば20メートル先の被写体なら雑にMFしても1600万画素のK-5なら等倍でも被写界深度内におおよそ収まるから。

写真はプリントしてナンボ、A3ノビ~A2ノビ程度を想定しているのなら被写界深度を考慮して、もし一番表現したい部分が奥にあってもその手前にピントを合わせるのが正しい手法だと思う。フィルム時代、特にパンフォーカスを得ようとしたら多くはそうしていた筈だ。

135のフィルムで六つ切りワイドプリントをする場合、28mmレンズをF8に絞ったら自分から3メートルの位置にピントを置けば手前1.5メートルから無限遠までピントが合っているように見える訳だ。幾ら主になる被写体が10メートル先にあっても誰が何と言おうが3メートルに合わせるんだ。

でもデジタルの場合、写真を等倍で見られちゃう。そうなるとこのフィルム時代の手法が合わなくなる。当倍で見るのだから許容錯乱円なんてさらに小さくなる。等倍で見る事が前提ならピント位置は主になる被写体に合わすのが適当になるし、よりカメラのAF精度が要求される。

PentaxはK-5まではこのAF精度に難があった。とにかく「赤」に弱い。厳密には赤と白が混在しているとAFが嘘を吐くらしいが、白がなくても遠方の赤、例えば50メートル先の紅葉なんかはほぼ外している気がする。

50メートル先の風景で10メートル外すのなら良い。等倍で見ればピンボケだけとA3ノビプリント程度ならギリギリセーフ。でもK-5は40メートル外すから!(笑)。2L程度のプリントしか出来ない。

まぁそれを理解してれば紅葉を狙う時でも葉っぱにピントは合わさない、木の幹や隣の木の緑や黄の葉っぱにピントを合わせるようになるから運用でカバー出来るのだが、それを一切修正しようとしなかったHoya時代のPentaxはやっぱり糞だったんだ。普通はリコールだろ、赤にピントが合わないカメラなんて!。

K-3では赤に対してのAF精度が高くなったとアナウンスしているようだが、私個人は丸っきり信用していなかったりする。将来K-3を買っても遠景の赤にはピントを合わさないだろう。
私は等倍で感動したいし、プリントでも楽しむタイプ。こういう人間はどうする?。まぁAFならやはり主になる被写体にピントを合わせるべきだろうが、MFではフィルム時代の手法を取るべき。

本日の写真がまさにそう。50mmのMFレンズを使って「絞り開放隊」が出動している(マウスクリックで長辺1200ピクセルになり、絞り開放描写をご覧頂ける)。

皆さんは「なにこの写真?」と思われるだろうが、微かな上り坂の路地で奥のスクーター、なんかこれに魅力を感じちゃったんだな。絞り開放で奥のスクーターにピントを合わせ、左手前の2台の自転車を大きくボカす!、そんな意図があった。

ところがどう考えたって奥のスクーター(50メートルくらい先か?)にピントなんて合う筈がない。PentaxのカメラはMFでも合焦マークが出るのだがこれくらいの距離だとそれすらも信用しちゃならない。

だからどうしたかと言うとちょっとだけ妥協して、中央の右側に自転車があるでしょう?、そこにピントを合わせたんだ。そうすればA3ノビ程度のプリントなら奥のスクーターまでギリギリピントが合っているように見える筈。

実際には等倍で見ると判るんだが、ちょっと後ピン。でもちょうどそれが上手くハマって右側のチャリンコから奥のスクーターまで等倍で見ても被写界深度に入っていた。A3ノビプリントならスクーターの奥の建物まで被写界深度に入っている筈。また左手前隅の自転車は被写界深度から大きく外れているし、収差も手伝ってちゃんとボケてくれる。

しっかりと奥のスクーターにピントを合わせられればさらに強烈な前ボケになってくれてより面白い絵になるから、デジタル写真なんて何枚撮ってもタダなんだから色々な場所にピントを合わせて複数枚撮るのが最善だろう。

それでも1枚しか撮れない時ってあるでしょう?。デジタル一眼レフでMFレンズを使う場合、絞りを開けていようが絞り込んでいようが主になる被写体が奥にあっても被写界深度を考慮しつつ少し手前にピントを置く、これを皆さんにお勧めしたい。そうすれば等倍で見ると外しているがそれよりも小さい像になるプリントでは救える確率が上がる。

さて!。

許容錯乱円が小さい程ピントはシビアになる。135は0.03、APS-Cは0.02、m4/3は0.15ミリ。あれっ?、と思うでしょう?。この理論だとm4/3が一番ピントに対してシビアになっちゃう。でもm4/3は被写界深度がAPS-Cより1段、135よりも2段深い筈!。

錯覚とでも言おうか?。これはあくまでも同じ焦点距離のレンズで同じ絞り値を使って同じ距離にある被写体を狙った時の話なんだ。

135でもAPS-Cでもm4/3でも50mmレンズでF2.8の絞りで被写体まで5メートル・・・。この場合、m4/3のピントが一番シビアになる。そりゃぁそうだ。APS-Cで50mmを使えば75mm、m4/3なら100mmの画角になるのだから同じ大きさにプリントするのなら100mmの画角になるm4/3が被写体の像が一番大きく写るのだから被写界深度が一番浅い。

そしてm4/3と同じ被写界深度を同じ距離から同じ構図で得ようとすると135カメラでは100mmレンズを使ってF5.6で撮影する事になり、反対に135カメラの50mm、絞りF2.8と同じ写真を撮ろうとするのならm4/3では25mmレンズでF1.4の絞りを使う。


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コメント

  1. ピンぼけ小僧 | URL | EBUSheBA

    ISO3280000の衝撃

    今日正式発表になったNikonD5を新宿ニコンプラザで見てきました。
    最近、野鳥を撮るようになったので、連写能力は必修でD5は1秒12コマで200枚のバッファがあるので16秒間シャッターが切れるようです。これならカワセミの飛び込みも無敵だな。
    あと、センサーの高感度特性が常用でISO102400、増感でISO3280000というトンデモ無い数字になってました。これなら廃墟撮影でもかなりいけそうですね。
    ISO3280000なら手持ちで天体写真撮れるか実験したいとかネットに流れてます。
    まあ、発売時で本体675000円という価格のカメラなんで手が出ませんが、一度触ると欲しくなるカメラです。絶対無理ですが。
    ISO3280000だと被写界深度にどれくらい影響があるんですか?

  2. BigDaddy | URL | -

    > ピンぼけ小僧 さん

    おお!、知りませんでした。早速色々とサイトを巡って情報収集(笑)。

    D5はお値段がお値段だけにピンときませんからやっぱりD500でしょうかね。アマチュアでも何とか買えるお値段ですし、スペック通りだったら動体撮影だけでなく廃墟番長にもなりますよね。ISO12800でコンポジットせずに1枚の写真でそこそこの画質だったら凄いと思います。

    D500はどこのセンサーなんですかねぇ。普通に考えればSonyですけど・・・。従来のSonyのAPS-C2400万画素センサーはちょいと微妙なところがあるんで、この2000万画素のセンサーが他社にも供給されればPentaxのK-3II以降のカメラも楽しみです。それともPentax K-S2の2000万画素センサーの改良版でしょうかね。

  3. のっぽ親父 | URL | ibdEl2N.

    α7にSMC28mmをつけてF8ぐらいでパシャパシャ撮る、帰ってきて等倍で見ると見事にピンは来ていない。画面のどこかにきてはいるのですが肝心な場所はあまーーい。(笑)
    やはりファインダーを覗いて合わせないとスッキリした写真は撮れませんね。
    おっしゃる通りプリントアウトなら許せる範囲なのでしょうが。

  4. 南米パパ | URL | -

    遅ればせながら明けましておめでとうございます。

    難しい単語が出てきたので即検索してしまいました。
    被写体が点光源だったとして実際にプリントなりしてみた際に点光源に見えるか丸ボケに見えるかといった感じで解釈しました。
    錯乱円(丸ボケ)がだんだん小さくなっていき1つの点(の様に見える)になっている状態が「許容錯乱円」という事でしょうか・・・。

    最近は山岳写真や風景写真が多いので被写界深度の深いパンフォーカス気味な写真が多いですしプリントもA4でクリアファイルで保管しているので、思いっきり外さなければ気にならなくなってしまいました。
    多少外してもシャープネス強めに掛けたらある程度救えてしまう・・・
    デジタルの良い点でもあり悪い点でもありますね(汗

  5. BigDaddy | URL | -

    > のっぽ親父 さん

    ミラーレスカメラの場合、MFアシスト機能で厳密にピントを決められるのでゆっくりと撮影出来るのならやっぱりちゃんと主になる被写体にピントを合わせるべきなのでしょうが、本文の通り、デジタル写真の最終形が何になるか、A3プリントとか40インチのテレビモニターなのかでも変わってくるんですよね。

    将来的にアマチュアのプリントサイズの標準がA3ノビよりも大きくなるとはあまり思わないので、現状はやっぱりA3ノビプリントに耐えられるピント位置と言うか被写界深度で考えるようにしています。大型テレビで写真を鑑賞する場合でもでかければ2メートル以上離れて見る訳で、やっぱりA3ノビ基準で良いのかなぁと。

    そうなるとα7に28mmレンズでF8まで絞っていれば結構適当で良い気がしますねぇ(笑)。やっぱり3~5メートルくらいに合わせるのが良いような気がします。

  6. BigDaddy | URL | -

    > 南米パパ さん

    明けましておめでとうございます。

    今、調べたところ意外と許容錯乱円について詳細が書かれているサイトってないですね。ちょっとびっくりしました。

    APS-Cでwikiの通り0.019mmだったとしたら、それをA4サイズで見る場合、おおよそ10倍の約0.2mmの円になり、これが例えば1mmの中に5個あったとしてそれがちゃんと1個1個の円に見えるのか直線に見えちゃうのか?、許容錯乱円とはそんな感じだと認識しています(厳密には間違っている可能性もありますよ~)。

    私の写真の多くもパンフォーカス気味に撮っているのであんまり神経質になってもしょ~がないんですが、Pentaxの場合、それでも外すもので・・・(笑)。今、Sonyから借りているα6000を使っていますが、やっぱりミラーレスはピント外しませんねぇ。それだけで一眼レフを捨てても良いと思っています。

  7. 南米パパ | URL | -

    ところで、私はまだK-5を使い始めて期間が短いのですが「赤に弱い」を元旦から体験してしまいました。

    ハズすのもそうなのですが、そもそも迷ってなかなか合わない現象に・・・
    被写体は初日の出に染まる雪の山肌、「モルゲンロート」というものです。

    しかし-10度対応を謳っているだけあって体感気温-20度の稜線上でもAF以外の動作は良好でした。

    手袋4枚重ねでの各種操作はK-5に比べ以前のEOS40Dの方が断然楽でしたが、ミラーレス機はその辺りが気になりますね。

  8. BigDaddy | URL | -

    > 南米パパ さん

    モルゲンロート知りませんでした。アーベントロートってのが夕方なんですね。

    K-5は朝と夕方は弱いです。色温度が関係しているようで、いわゆる赤い光に弱いんだそうです。だからAFの微調節を個人で行う時は必ず太陽が真上にある時にやって欲しいと言われています。良く自宅で蛍光灯やLEDの光でピント調節をしている人がいますが、それはやっちゃ駄目みたいです。

    それとピントが合い辛い時なんですが、変な方向から光が入ってくるとレンズによって全く合わなくなります。良くあるパターンが逆光、半逆光です。もし今回AFが迷っていたのがそれなら、AF時だけ余分な光が入らないようにレンズを手で覆っちゃうんです。

    各種操作。もしお読みでなかったら下をどうぞ。K-5を冬仕様にしています。少なくともタウンユースの手袋だったら十分に操作出来ます。

    http://bigdaddyphoto.blog41.fc2.com/blog-entry-1290.html

    http://bigdaddyphoto.blog41.fc2.com/blog-entry-1116.html

    Pentaxのカメラって各種ボタンが薄いと言うか低いと言うか・・・。だからボタンの上に何かを貼り付けて背を高くしたり、十字ボタンの上にパッキンを貼り付けたり・・・。

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