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「フラガール」を観てフラッと産業遺構探索 その6 住吉の坑口と扇風機上屋

2016年08月09日 00:00

扇風機上屋跡

扇風機上屋跡

Sony α6000, EPZ 16-50mmF3.5-5.6

※ブログに視覚要素を加えるlightboxを導入しています。上記画像をクリックすると少し大きな画像をポップアップして見る事が出来、暗くなった部分をクリックするか、画像下部のCloseをクリックすると元に戻ります。



今回も「いわきヘリテージ・ツーリズム協議会」が発行した小冊子を中心とした解説となる。またマウスクリックで長辺1200ピクセルで表示されるので是非!。

選炭工場があるのだからその近くに坑口があるのは当たり前。

その坑口はその中央選炭工場を少し登ったところに位置する。坑口は2つあり、左は石炭や資材を運ぶ「本卸(ほんおろし)」、右は坑夫を運ぶ「連卸(つれおろし)」となるらしい。


住吉一坑

住吉一坑


戦前までは石炭を運ぶ、人を運ぶ坑口は共通で1つしかなかったらしい。そして坑口が2つになった事でどうやら人運搬専用のケーブルカーのような乗り物が出来たらしい。

どうでも良い事だが、こうやって今回のネタを作るに当たって写真を選定していて不思議に思う。何故上の写真、斜めから撮っているのか?。なんと正面から撮影した写真が1枚もないんだ(笑)。

そんなに広い場所ではないので広角レンズでも引けなかったのか?。同行した連れの写真を見るとE-M5markIIで12mm(135換算24mm)で正面から撮影していて左右が切れている。なるほど、やっぱり正面からは引きの写真は撮れないと判断したんだな。

さて、炭坑には2つの方式があり、それは石炭層に斜めに掘り下げる斜坑と一気に垂直に掘り、そこから水平に進んでいく堅坑(たてこう)がある。この住吉一坑は前者。700メートルくらい下っていたらしい。フラガールで描かれていたのは斜坑だ。

またフラガール、谷川一家の食事のシーンにて「天皇陛下が蒸し風呂の坑内を30分もご覧下さった」とあるが、これも斜坑から入られたとの事。それは上の住吉坑口ではなく湯本駅近くの湯本第六人車坑。

ガイドさんから聞きそびれたのだが、どうやら湯本駅近くにあった坑口には堅坑があったらしい。堅坑も石炭用と人用と2つあった筈で、人用の堅坑は排気口にもなっているようだ。

その仕組みを見られるのが「いわき市石炭化石館ほるる」だ。ここは模擬坑道も設備されていて、炭坑の仕組みを理解する事が出来る。今回の旅では時間がなくて見学しなかったが、次回は炭坑の歴史からしっかりと掘り下げたい。

また天皇が視察された湯本第六人車坑はこのほるるからすぐにところにあるようで、これも今後見なくちゃなるまい。
坑口に近くに妙な人工物の壁がある。これが何かと尋ねると新人育成としてここで発破の賭け方を教えていたらしい。ところどころパイプ穴のようなものを見つけられると思う。ここにダイナマイトを仕込むそうだ。


発破練習場?

発破練習場?


この日は舞い上がっていたと言うか時間に余裕もなかった事から詳しい説明をあまり受けなかったが、当然、2つの坑口には石炭用トロッコ、そして人車(ケーブルカーみたいなもの)の線路が敷かれていた筈。

これら線路はすでに撤去されていて、これが選炭工場までどのように敷かれていたか、また選炭工場からその下の水中貯炭場までどう石炭を運んだか、価値のないズリはズリ山にどう移動したか、それがトロッコによるものなのかベルトコンベヤーが利用されていたのか、この辺が今一歩理解出来ていない。

フラガールでは鉱夫は坑口出口で降りるとバス乗り場まで徒歩。ではの住吉ではどうだったのか?。こういうのを知りたい訳だ。風呂に入らずにバスに乗るのか?、だとしたらバスの車内は1日で真っ黒?、坑口の近くには銭湯がなかったのか?。色々と疑問がある。

山間の廃屋だと雰囲気だけで昭和ノスタルジックを感じられるが、産業遺構ってその規模には圧倒されるものの撮るだけだとすぐに飽きちゃうんだ。歴史や文化、産業遺構なら仕組みを学んでこそそれを撮りたい気持ちが持続する。世界遺産、国宝に認定された富岡製糸場でも同じ。ガイドさんの話がなかったら、ただの煉瓦の工場でしかない。

次に紹介するのは扇風機上屋。トップ写真もこの上屋跡の風景だ。


扇風機上屋を横から

扇風機上屋を横から


扇風機上屋の内部

扇風機上屋の内部


ここの2基の大型扇風機があったそうだ。勿論当時はここに空気を流す斜坑があったのだろう。稼働中はとんでもない音がしたろうなぁ~。これを管理する人もいた筈だから大変だったろう。

そして次の写真。


煉瓦に注目

煉瓦に注目1


煉瓦に注目2


地下700メートルまでの空気穴は斜めに下がっている。この水平から斜めになる外壁、煉瓦部分に注目されたし。小さいレンガや三角形の煉瓦を組み合わせによって自然に煉瓦が斜めになるように施されている。当時の煉瓦職人はこういう仕事をいとも簡単にやってのけたそうな。

ここで問題。この扇風機は外気を坑内に入れる為のもの、それとも反対に坑内の空気を排出するもの?。答えは後者。

単純な話で2つの本卸、連卸と言う坑口からは自然に外気が中へ入り込むらしい。しかし地下700メートルともなるとそこまで到達する間に温泉の熱気で暑くなってしまい、そこにもう1つ穴を開けると熱気は上昇するのでそれをより排出させる為の扇風機。言い換えると換気扇。

さて、坑口があって空気を排出する扇風機があり、さらに石炭を仕分ける選炭工場。となると最後に紹介するのは選炭した商品を貯めてそれを貨物に積み込む施設が必要だ。これがここでは水中貯炭場と呼ばれるもの。

でも今回写真はない。先日もお伝えした通り、貯炭場は麓の道路沿いにあるのでガイドさんは不要。だから時間節約の為にその日は撮らなかったんだ。翌朝、早めに宿を出立して撮影する予定だった。ところがとんだ大失態、大寝坊してしまったのだった。だからこの水中貯炭場は来年までここでは紹介出来ない(笑)。

さて、今も述べた通り、この場所には炭坑のほぼ全てが揃っている。つまり今後産業遺産ブームが続けばここは観光地なる可能性を秘めている。

今は所有している企業や有志によってボランティアでこれらが保存されている。扇風機上屋の横からの写真をもう一度ご覧になって頂きたい。6月の初めに撮影しているが、すでに蔦類が侵食している。

これを産業遺産とするのならばこの手の蔦類は全て除去したいらしい。また夏場には周辺の草刈りも大変ならしい。

ここが難しいところ。私のような廃墟好きとしては植物に侵食されている様を美しいと感じる。しかし当事者はそれをよしとしないんだ(笑)。

例えば扇風機上屋の水平から斜めになっている煉瓦部分。写真を見ると変な杭が打ち込んであるでしょう?。どうも管理している側、産業遺産として観光を目的とするのならばこの杭を取り除きたいらしい。でも私は断固反対した。こういうのは残っていた方が良いと(笑)。


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コメント

  1. auf | URL | 3eyVfeeo

    富岡製糸場みたいに世界遺産に登録されれば集客は見込めますが・・・産業遺跡
    って好きな人は好きだけど観光地化は難しいかもしれないですね.

    もし予算がついて整備されたら「廃」の魅力は薄れてしまう.しかし手入れをしな
    いとどんどん自然に帰っていく.難しいところです.

    夕張にも炭鉱公園とかいうのがありますが,僕なんか「公園」じゃぁ全然行こうと
    思わないですものね.



  2. BigDaddy | URL | -

    > auf さん

    常磐炭田も含め、日本の多くの炭鉱遺構は今のところ行政が保存する意思がほとんどないようなので世界遺産って事は当分はないでしょうが、観光地化する可能性はあるかと思います。行政とは別に地域がどれだけ頑張るかでしょうね。

    当然そうなったら仰る通り廃の魅力は薄れましょう。例えば万石の前に駐車場とか出来ちゃうんですよね(笑)。日本のお城と一緒でもはやそうなると遺構ではないですよね。日本の城は大好きですが公園化している城址なんて興味ないですから(笑)。たまに空堀とか見て感動しますが、やっぱり地元の人しか知らないようなかつての山城、要害山は行こうとは思いますけど。

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