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「フラガール」を観てフラッと産業遺構探索 その10 常磐炭礦神ノ山 part1

2016年08月25日 00:00

まだ現役で多くの住宅が使われている

まだ現役で多くの住宅が使われている

Sony α6000, EPZ16-50mmF3.5-5.6


※ブログに視覚要素を加えるlightboxを導入しています。上記画像をクリックすると少し大きな画像をポップアップして見る事が出来、暗くなった部分をクリックするか、画像下部のCloseをクリックすると元に戻ります。



常磐炭礦神ノ山礦には2つの大きな見所がある。1つは常磐炭礦神ノ山礦石炭積込所(万石)とフラガールのロケ地にもなった鉱山住宅だ。でも両方とも残念なお知らせがある。

神ノ山の万石、選炭場(その上には発電システムもあった?)はほんの一部が残されているだけで太陽光発電所になってしまった。Googleの航空写真ではまだ遺構が残っているように見えるが、ストリートビューを見るとこの辺りは2014年5月と2016年1月に撮影をしており、2014年分は大規模な遺構が見えるものの、2016年のものはすでに太陽光発電所が見えている。そう、2015年にこの常磐炭田最大級の遺構は解体されてしまったのだ。

日本はヘリテージツーリズムに流行の兆しがある。群馬県の富岡製糸場、そして長崎県の産業革命遺産群・・・、そして今後は同じ長崎県で教会群がユネスコ世界遺産になるかもしれず・・・。

いわき市と北茨城市に広がる常磐炭田遺構は十分にこれらに対抗出来る要素を持っている。でもこの最大級にあたる神ノ山遺構を壊しちゃった・・・。

震災の影響で倒壊の危険性があった?、そんな疑問もあるにはある。でも恐らく土地を有効利用しようとしただけなのではなかろうか?。しかもである。有効利用しようと試みたのに関わらず(あれだけ日本政府が脱原発で太陽光発電に力を入れているのに)現地の関係者からの情報によると実際に売電してみると全く儲からないらしい。

ここが倒壊の危機にあったのでなく、単に政府の方針に従っただけで(美味しい話だとある意味騙されて)撤去してしまったのならホント勿体無い。日本ってそういう国なんだろうなぁ。古い物への価値を国が理解していない。そして損をするのは民間だけ。

ここを所持していたのも確かハワイアンズの母体である常磐興産なのかな?。今頃発電所を作って失敗したと大いに思っているのではなかろうか?。実際に上記関係者からはこの手の事業には多くの企業がもう手を出さないのではなかろうかと言っている(あくまでも「噂」として)。


一部まだ残っている

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Sony α6000, EPZ16-50mmF3.5-5.6





そしてもう1つの残念は炭鉱住宅だ。住宅そのものは多く残っているのだが、映画フラガールのセットがこれまた昨年だかに撤去されてしまった。

運の良い事にそのセットを造ったと言う建築屋さんと知り合う事が出来た。彼曰く老朽化が激しく撤去したとの事だが、北茨城市が修繕の為の補助金を出さなかったそうだ。それどころじゃない、2011年の震災の影響で市にお金がなかったみたい。

ただ不思議なんだ。ここのフラガールのセットはハリボテではなく(ハリボテセットも別の場所に存在していたみたい)1つの住宅として造られているので10年ちょっとで老朽化云々ってあり得ないと思うんだ。だってそうでしょう?、いわき市には昭和20~30年代に造られた鉱山住宅が残っているのだから・・・。

またたかが家と火の見櫓?、だけの修繕にそんなにお金が掛かるか?。ボランティアで修繕をする方だっていらっしゃったろう。

この神ノ山鉱山住宅は今も尚、多くの人が住まわれている。そしてセットはその一画にあるので、映画上映後、多くの見学者がそこを訪れて、住人との間でトラブルがあったんじゃないか?。そりゃぁ自治体は観光よりも住民を優先するでしょう。

東京は文京区に樋口一葉の旧住居跡がある。井戸があるだけで当時の住居は現存していないが(その井戸も当時のものではない)、ここは雰囲気が明治どころか江戸時代にタイムスリップしたのでは?、と思わせる風景が残っており、多くの人が訪れる。

しかしこの樋口一葉住居跡では一時期観光客と住民とで結構揉めていたなんて話を聞く。それと同じ事が神ノ山鉱山住宅でもあったのではなかろうか?。

あくまでも勝手な推測として観光客と住民との間でトラブルがあった、そして映画フラガールバブルも数年前で終了してしまった。観光資源としての価値も薄れ、2011年の震災の影響もあり、市からの補助打ち切り、取り壊し・・・、そんな流れなんじゃないかなぁ~。


ここにオープンセットが組まれていた

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Sony α6000, EPZ16-50mmF3.5-5.6


万石と選炭場に関してはここで残念だの無念だの言ってももう後の祭り。どうにもならない。でも上の写真の通り、まだなんとか当時を伝える遺構が残っているので来年、草木の枯れた頃、探索してみたい。どうももう1つ、遺構らしきものが残っている筈なのだが、この時は草木が茂り近付くことすら出来なかったもので・・・。

神の山鉱山住宅はフラガールのオープンセットが消えてしまったものの、まだ相当数の棟が存在しているので当分は安泰?。何せここは廃墟ではないんだ。まだ現役で使われている住宅地。

ではトップ写真も含め、その現役の旧鉱山住宅の写真を幾つか紹介しよう。


昭和な路地

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Sony α6000, EPZ16-50mmF3.5-5.6


鉱山住宅の多くは1段上がった位置にある

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Pentax K-5, SMC PENTAX-DFA100mmF2.8Macro


ほとんどで生活を感じられる

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Pentax K-5, SMC PENTAX-DFA100mmF2.8Macro


この神ノ山住宅は常磐炭田の鉱山住宅の中でほぼ最新の設備を整えている。ほとんどの棟で今も人が生活しており、下の写真の通り、外便所はなく、ポツンと浴槽があったりと、ここは内便所、内風呂形式の家屋であるのが判る。


外便所は見当たらない

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Sony α6000, EPZ16-50mmF3.5-5.6


浴槽発見

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Pentax K-5, SMC PENTAX-DFA100mmF2.8Macro


ほとんどの棟に人が住まわれていたが、幾つかオペンホウセ状態、モデルハウス的な家屋があったのでちょっとお邪魔してみた。

でもそれは次回へ!。


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コメント

  1. tsunomagari | URL | -

    お上の旗振りは

    税金を投入して儲かる一部の人、メーカーの為だけなんでしょう。
    エリート官僚が特権意識を発動させ、公権力を実行するのです。
    そもそも役人の発想は貧困ですから。
    あと日本の国土は人口に対して狭いのでしょう。
    古いものを残せないんでしょう。
    残念賞です。

  2. auf | URL | 3eyVfeeo

    人が住んでいるからよい状態で残っているんでしょうね.まさに昭和の住宅です.
    人が住まなくなったら短時間で荒れてしまいそうです.保存といっても難しいで
    しょう.写真で記録するくらいしかできないですね.意義のあることだと思いま
    すよ.僕もそういう考えで写真を撮っています.

  3. tsunomagari | URL | -

    朝はスマホで文章のみ拝見したもので、恐縮ですが、コメント投稿二つ目です。

    改めてお写真を拝見すると鉱山住宅は、子供の頃に住んでいた住宅に似ています。
    内便所を示すトイレの排気煙突がありますね。
    子供の頃にうちの煙突からサンタが家に入ってきたら、とんでもないことになるからサンタが来ないんだと思っていました。
    長屋ですよね。こんな路地で遊んでいました。
    懐かしい。
    僕の田舎でも残っているんですけどね。現役で人が住んでいるから似たような状況だと思います。
    ちなみにうちは外風呂でした。

  4. ハッセルじいちゃん | URL | od2ryG16

    昭和な路地 住んでいたわけではありませんが なんかなつかしいです。
    しかも 未だにお住まいとのこと。
    静かであってほしいですが雑草の枯れた時期  行きたいですね。

  5. BigDaddy | URL | -

    > tsunomagari さん

    朝夜とコメントありがとうございます。

    もし現地の方から聞いた話が本当ならばまさに仰る通りで、役人の発想の貧困さが伺えますよね。地方に行くとあっちこっちで太陽光発電所があり、それはかなり異様な風景であり、風景を壊してまで儲かる仕組みなのか首を捻っちゃいます。狭い国土で産業遺産を壊して太陽光発電ですからねぇ(笑)。

    鉱山住宅とは言え、普通の住宅でしょうから、多分おおよその規格はあったんでしょうね。外壁がモルタルになった比較的近代的な市営住宅でも結局中身はほぼ同じ造りみたいですし(便所が水洗になるくらいでしょう)。Googleの航空写真で見ると全て鉱山住宅に見えていてもストリートビューで確認すると「あっ、普通の市営住宅だ・・・」って。

    今回は建築時期がそれぞれ異なっていたようで3つの鉱山住宅集落で「外便所、風呂なし」「内便所、外風呂」、「内便所、内風呂」の3パターン見られました。

    「内便所を示すトイレの排気煙突」・・・、なるほど!、言われて見ると確かにこれって便所からの煙突ですね。そうやって見分けるのか!。サンタさんもしっかり見分けてそこからは入らないのでしょうね(笑)。これが水洗になると多分煙突がなくなるんですよね?。

  6. BigDaddy | URL | -

    > auf さん

    「人が住んでいるからよい状態で残っている」、なるほど確かにそうなんでしょうね。このての鉱山住宅は今では民間業者かあの斡旋だそうで、修繕なども貸主、もしくは借主がしっかりとやるのでしょう。人が住まないとまず草木に侵食されますもんね。そしてその自然の生命力には人工物は勝てないのでしょう。

    廃墟好きと廃墟に興味のない人とでは単に性格、嗜好の違いなのでしょうが、近代的遺構に興味のある人って、文化が好きなんだと思いますねぇ。その文化を自分では体感出来ないのでせめて写真に残し、それを見ながらあれこれと想像するのが楽しかったりしますよね。

    歴史的遺構、例えば城跡とかもっと言えばエジプトの遺跡なんかが好きな方は文化よりも歴史が好きなんでしょうねぇ~。

  7. BigDaddy | URL | -

    > ハッセルじいちゃん さん

    私もこの手の風景で育ったんじゃないのですが懐かしさを覚えます。多分、子供の頃のテレビでこういう映像を見ているんでしょうね。長屋ってのは江戸時代から同じですしね(笑)。時代劇を見て育っているんで、なんか郷愁の思いが出ちゃうのでしょう。

    ハッセルじいちゃんは昨年でしたっけ?、東京へいらしたのですから、さらに2時間ちょっと頑張ってこの辺りの探索、良いかもしれませんよ。行かれる場合は全ての遺構の場所、お教えしますよ~。

  8. | URL | 199HUcSE

    >もし現地の方から聞いた話が本当ならばまさに仰る通りで、役人の発想の貧困さが伺えますよね。地方に行くとあっちこっちで太陽光発電所があり、それはかなり異様な風景であり、風景を壊してまで儲かる仕組みなのか首を捻っちゃいます。狭い国土で産業遺産を壊して太陽光発電ですからねぇ(笑)。

    ほとんどが、あなたたちの住んでる都会のために使われてるんだが・・・麻痺って怖いわ
    かつての原子力だって都会のためだろ?
    狭い国土?
    だったら、狭い都内に固執してるのはどなたたちでしょうかね
    笑っちゃいます

  9. やまちゃ | URL | On2jM1Ac

    フラガールセットを撮りに行こうと思って調べててたどり着きました。
    グーグルの航空写真にはまだ写ってたから、まだあるのかと思ってたんですが、一昨年くらいに解体されたんでしょうか?

    フラガールセットだけでなく2020年にはこの地域の炭住も消滅しそうな状況なんですね。
    貴重な昭和の風景がどんどん失われて行くのは残念・・・

  10. BigDaddy | URL | -

    > やまちゃ さん

    コメントありがとうございます。

    残念ながら本文の通り、セットは全て解体されていました。
    また中郷の炭住は解体が始まり、住まわれている方も次回の更新延長は無しとの事で仰る通り、2020年頃には中郷に関しては消滅しているかもしれません。神ノ山の方も将来的には同じ運命を辿るかもしれませんね。

    ホントに残念です。映画フラガールをあと3年早く観ていれば万石も含めどこも完璧な状態で残っていたんですけどねぇ。

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