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RawTherapeeでFujifilmのフィルムシミュレーションを実現する 序章

2017年01月10日 00:00

とある集落にて

2017-01-10-08

Fujifilm X-E2, XF18-55mmF2.8-4


※ブログに視覚要素を加えるlightboxを導入しています。上記画像をクリックすると少し大きな画像をポップアップして見る事が出来、暗くなった部分をクリックするか、画像下部のCloseをクリックすると元に戻ります。



RawTherapeeでFujifilmのフィルムシミュレーションを実現すると言っても私が何かを作り上げたんじゃない。RawTherapeeのフォーラムをウロついていたらRawTherapee用のFujifilmのフィルムシミュレーションを模倣したカメラプロファイルや設定ファイルを作った人がいてそれを見つけたってだけのお話。

それを今回紹介するが、Fujifilm X-E2で撮影された写真をRawTherapeeで現像しようとすると不思議な現象が出たので先ずは「それってなんじゃろか?」、その辺の話をしたい。

そもそも昨年12月29日の記事にて、何故Lightroomから直接RawTherpaeeを呼び出したかったか?、それはRawTherpaeeでベルビア、プロビア、クラシッククローム、アクロスを「RawTherapeeのフィルムシミュレーション」で実現した人をフォーラムで見つけたから。

Fujifilmカメラが持つフィルムシミュレーションじゃなきゃ嫌だ!、そんなタイプじゃない。むしろ昨年の12月25日の記事昨年の12月27日の記事に書いた通り、Fujifilmカメラのベルビアはフィルムのベルビアとは似ても似つかないのが判ったから、ぶっちゃけ特にFujifilmカメラのフィルムシミュレーションを気に入っている訳じゃない。

それでもFujifilmユーザーはカメラのベルビアなどのフィルムシミュレーションが絶対であり、ついつい羨ましく思ってしまう自分もいる。

名称が単に「ヴィヴィッド、スタンダード、ナチュラル」だったら、へぇ、Fujifilmのカラーモードね・・・、程度。でもそれが「ベルビア、プロビア、アスティア」とか名が付くからフィルム時代からFujifilmのフィルムを使っていた人間はどうしても気になってしまう。

もしKodakが事業に失敗せずに今もしっかりと魅力あるカメラを作り続けていて、それにコダクロームやエクタクロームなる名称のフィルムシミュレーションが搭載されていたら、FujifilmカメラよりもKodakのカメラの方がステータスが上になっていたに違いない。それほどフィルム時代から写真を撮っているカメラマンはフィルム名に敏感。

フィルムは好き好きで日本ではFujifilm派が多かったと思うが、私は大のKodak派だった。発色云々よりも単なるアメリカ被れなだけなのだが(笑)・・・。

そう言えばKodakが再びエクタクロームを販売するそうで・・・。日本に入ってくるか未定なものの、もしブローニーフィルムが手に入るのなら是非ともPetnax 645で使ってみたい。

販売価格は勿論の事、増感耐性がどの程度あるかがキーだろう。 ベルビアは1段だが、プロビアが2段の耐性があるから、エクタクロームも2段なくちゃならないし、ISO100だけでなくISO400も発売してくれれば増感費用が不要になるので嬉しい。
それとデジタル写真は加工してナンボなのだから、せっかく有志の皆さんが「RawTherapeeでもベルビア、プロビアが使えるぞ!、Fujifilmカメラでなくても利用出来るぜ!」と言ってくれているのだから使わない手はないでしょう。

Classic Chrome HaldCLUT like the X-T2 for RT

直リンクも出来るが、これがどのような経緯で作られたなど知るのも面白いだろうから、あえて伏せた。上のリンクのどこかにGoogle Driveへのリンクがあるので(後ろの方にあったと思う)、それを探しつつ、どんなディスカッションがされているか楽しんで頂きたい。

Google Driveへリンクしたらベルビア、プロビア、クラシッククローム、アクロスのTIFファイルをダウンロードし、HaldCLUTフィルムシミュレーションのあるフォルダにコピーするだけで誰もが使えちゃう。

※この手のファイルは作者の都合で消される時が多々あるので本気でそれを使いたければすぐにファイルをダウンロードすべし!

HaldCLUTフィルムシミュレーションファイルのインストール、使い方に関してはRawPediaの「フィルムシミュレーション」の項を参照して頂きたい。

ここからが今日の目玉ネタ。FujifilmカメラをRawTherapeeを使う上での注意とでも言えば良かろうか?。

どうもFujifilmカメラは内部でISO感度の粉飾めいた作業を積極的に行っているのかRAWをRawTherapeeで読み込むとデフォルトで出てくる像が無茶苦茶暗くなる写真が出てくる。常に暗いのではなく、何かの条件によって暗い写真になってしまう。

LightroomのAdobe Standard像と比較すると最大で2.4EV違うんだ。これが判ったのがRaw File Converter EX(以下RFC)のお陰。そういう暗くなる像をRAWを読み込ませるとダイナミックレンジ拡大の値が+2.4EVになっているんだ。

どうやらデフォルトの値が+0.4EVのようで、FujiflmカメラはISO200だったら実際にはISO160くらいの感度で撮影されており、それをRFCの値が正しければ現像時に+0.4EVくらいになるようにトーンカーブでミドル部をプッシュしていると想像出来る。

つまりRFCのダイナミックレンジ拡大の値が+0.4EVならRawTherapeeでも問題なくカメラプロファイルにAdobe Standardをセットし、DCPトーンカーブ仕様にチェックを入れればLightroomのデフォルト像と同じ発色になってくれる。

しかしRFCのダイナミックレンジ拡大の値が+0.4EV以上の写真、それが+2.4EVであればRawTherapee側で+2EVの露出補正をしてやらなくちゃならない。そうしないとLightroomと同じ明るさになってくれない。その+2.4EVになっている写真はISO800だから撮影時にダイナミックレンジ400%にセットしたコマ。

何しろ確実にISO200で撮れる風景なのに135換算焦点距離が50mm程度のレンズでシャッタースピードが1/680secとかになっていたから、明らかにX-E2のダイナミックレンジ拡大のテストをしていたんだろう。実際に撮影状態を見られるMy Finepix StudioでEXIF情報を見ると確かに「Dレンジ400%」と表示されている。

下の写真、X-E2で撮影している。同じ場所を広角域と標準域で撮影していて広角のはダイナミックレンジ拡大オフ、標準のは400%にしている。当然Lightroomで出力される明るさはほとんど変わらない。

※以下マウスクリックで長編960ピクセルとなる

DR100% ISO200 DR400% ISO800
2017-01-10-02 2017-01-10-03



しかしこの2枚をRawTherapeeで現像しようとするとカメラプロファイルにAdobe Standardを割り当てDCPトーンカーブをオンにしても次のように大きな違いが出てしまう。

DR100% RawTherapee DR400% RawTherapee
2017-01-10-04 2017-01-10-05



そしてダイナミックレンジ拡大で400%を適用した写真をRawTherapeeで+2EVしたのが下。


2017-01-10-06


ダイナミックレンジ拡大が200%ならRawTherapeeでは+1EV、400%なら+2EV、常に露出補正しないとLightroomと同じ明るさにはならないんだ。これはしっかりと覚えておかないとならない。

記憶が曖昧、Fujiflmのダイナミックレンジ拡大って凄く複雑な事をやっているってどこぞのレビュー記事に書いてあったような気もするが、少なくともRawTherapeeでは(ダイナミックレンジ拡大が400%なら)ISO800で適正露出になるのに単に2段アンダーのISO200で撮影した像にしか見えない。

上の例ではISO800で1/680secが適正露出なのにRawTherapeeではISO200の1/680secで撮影した写真しか見られない、そう判断にしても良いと思う。FujifilmのRawをRawTherapeeが100%解析出来ていないだけかもしれないが、いずれにせよFujifilmカメラでダイナミックレンジ拡大をオンにしているとドアンダーの写真を見せられる事になる。

また、ダイナミックレンジ拡大を設定していないのにRFCのダイナミックレンジ拡大の値が+0.4EV以上の写真も多々ある。その多くはISO1600を超える超高感度域での写真っぽい(ISO1600までは+0.4EVみたいだ)。

ISO3200で+0.9EV前後、ISO4000で+1.3EV前後、ISO6400で+1.9EV前後と言う値になっている。それらのダイナミックレンジは100%なのでこれはFujifilmカメラがJPGにする際に意図的に露出を上げているのが判る。試しにISO4000でRFCのダイナミックレンジ拡大値が+1.28EVになっている写真をRawTherapeeで読み込み、露出補正を+0.88EVにセットし、DCPトーンカーブにチェックを入れるとLightroomのデフォルトとほぼ同じ明るさになった。

次の写真はISO6400で撮影しており、ダイナミックレンジ拡大は勿論オフ。でもRDCのダイナミックレンジ拡大の値は+0.4EVではなく+1.98EVになっていた。当然、LightroomとRawTherapeeでは(RawTherapeeでAdobe Standardを宛がっても)このように明るさに大きな違いが出てしまう。

Lightroom RawTherapee
2017-01-10-07 2017-01-10-08




そこでRawThepraeeで現像する際、Adobe Standardを使いDCPトーンカーブをオンにしても0.4EV分しか確保出来ないから、残り1.58EVは露出補正で補う必要が出てしまう。だから露出補正に+1.58をセット。するとLightroomと同じ明るさになってくれる。

※今この写真を見るとRawTherapeeの最初の現像での明るさの方が遥かに廃墟らしくて良いねぇ・・・、よってトップ写真はそれを採用した


2017-01-10-09


この超高感度域でのFujifilmカメラのからくりが良く判らないが、大半のカメラはISO感度のいわゆる「粉飾」を行っており、それをJPG化する際にトーンカーブ等で明るさを取り戻す作業をしているから、Fujifilmだけが悪い訳じゃないが・・・。

Fujifilmのカメラはトーンカーブの調整で+0.4EVを確保し、さらにダイナミックレンジ拡大設定した写真や超高感度写真では露出そのものを他社よりもかなりプッシュしている事になるのだろう。しかもISO1600を超えるとその露出アップの値は同じ感度でも大きく違っていたりする。

とにかくX-Transセンサーの画質に不満足でRawTherapeeを使われているFujifilmユーザーの皆さんはこの点だけ注意されるべき。少なくとも撮って出しJPGに近い像をRawTherapeeで得たいと思ったら、面倒でもRFCを立ち上げてダイナミックレンジ拡大の値をチェックし、それを元に+側に露出補正しないと似ても似つかぬ絵になってしまう。

ひょんな事からFujifilm X-E2を使ってみた その14 ダイナミックレンジ拡大

上のページでFujifilmカメラのダイナミックレンジ拡大を半ば否定している。何しろ400%(2EVの拡大)にセットするとISO感度が800スタートとなり、明るいレンズで絞りを開けた撮影はほぼ無理。また記憶がおぼろげだが、ダイナミックレンジ拡大をオートにしておくと風景に輝度差があったらすぐにISO400、ISO800と上げてしまい、撮影中に「へっ?」と首を傾げていたような気もする。

また本ネタ最初の比較写真、ダイナミックレンジ100%と400%を見ると、Lightroomで現像するとほぼ同じ濃度、シャドー部を見れば判ると思う。となるとこのダイナミックレンジはRAWでは作用しないのが判る。無理矢理ISO800に上げてRAWのダイナミックレンジは同じ?。

これに今回のネタを加えると、撮って出しJPG派にはダイナミックレンジ拡大が有利に働く時もあるだろうが、RAWから仕上げる、しかも現像ソフトにRawTherapeeを使うのならば全く使えない、決して使っちゃならない機能だ。

Pentaxのダイナミックレンジ拡大はシャドー部に関してはJPGのみに作用するが、ハイライト部の拡大(1EV)はISO感度は1段上がってしまうものの、最低感度がISO80なのでそれがISO160になるだけ。しかもそれはRAWにも適用される。だからPentaxカメラでは輝度差のある風景には常にハイライト部の拡大はオンにするのが望ましい。
今日のネタ、検証に見繕ったのは20コマ程度で絶対的に分母が足りないし、あくまでも勝手な推測なので正しいかどうかはFujifilmユーザーの皆さんが実際にRawTherapeeで現像し、ご判断して頂きたい。


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コメント

  1. ハッセルじいちゃん | URL | od2ryG16

    廃虚 やっぱいいすね。
    C社のCMに「全てを写しきる」ってのがありますが、こと廃墟に関してはTOP写真が雰囲気に合っていると思います。
    「明るい廃虚」 これは滋賀県に存在していましたが、今は繁盛しているそうです。

  2. auf | URL | 3eyVfeeo

    結局のところダイナミックレンズ拡大って,ステレオ装置で言えばアンプで高音と低音を
    持ち上げて「レンジが広くなりました!」っていうようなものなんですかね.

  3. BigDaddy | URL | -

    > ハッセルじいちゃん さん

    大きな産業遺構も圧巻ですが、和、昭和の廃屋も良いですよね。どんな生活をしていたかが判り、撮っている方も懐かしくなったり・・・。

    写真の場合、ダイナミックレンジを広げ、それこそ全てを写しきるよりも不要な部分を飛ばしたり、落とし込んだり、かつてのモノクロプリントのように主題をどうやってデフォルメするかなのでしょうし、そうやって作り込むのが結構楽しかったりしますよね。

  4. BigDaddy | URL | -

    > auf さん

    恐らくそんな感じなんだろうと思います。写真も音楽もデジタルになってより一層、技術が似通ってきた気がします。
    エレキギターでもゲインを上げるとノイズが出るのでそれをノイズリダクションやハイパスフィルターで消してやったりと写真と全く同じ作業をするんですよ(笑)。

  5. ピンぼけ小僧 | URL | EBUSheBA

    エクタクロームの再販売予定は135の36枚とスーパー8のようでブローニーは無いようですね。
    デジカメinfoにはコダクロームの再販売検討もとありますが、こちらは現像をどうするかの問題があるので難しそうです。
    確かコダクロームの現像は最終的にはアメリカの現像所に送って現像していたからかなり現像が高価だったような。

  6. BigDaddy | URL | -

    > ピンぼけ小僧 さん

    ブローニー出ないんですか、残念ですねぇ。現状、135のフィルムカメラを使う気はなく、となると今後もPentax 645はFujifilmだけって事なんですねぇ。

    コダクロームはアメリカ国内では良いにせよ、日本を含めアメリカ以外では仰る通り現像の点から実用性は皆無ですよね。まぁ時間とお金が掛かっても良いので、フィルム1本でもコダクロームの発色を確認したい、それを元にデジタル写真の現像に活かたいって気持ちはあります。

  7. 通りすがり | URL | -

    下のような理解でよろしいですか?

    Fujiの400%ダイナミックレンジ拡張
    ISO800といってもISO800での適正露出に絞りとシャッター速度を合わせるという意味だけで,A/D変換参照信号はISO200用のままで動作し2段アンダーでRAW記録。次に明るいところが飛びにくいようなしかけを掛けた上で2段増感してJPG画像をつくる。

    LRではRAW現像の時,自動的に増感してくるが,RawTherapeeではしてくれない。

  8. BigDaddy | URL | -

    > 通りすがり さん

    単なる推測ですが、多分通りすがりさんが書かれているような作業をしていると考えても良いのではないでしょうか?。もっと複雑な事をしている気もしますが、それをRawThepraee側では再現出来ないんじゃないかと・・・。そしてPentaxも同じような事を行っているのでしょうが、本文の通り、ハイライトのレンジ拡大はRAWにも作用します。

    海外ではFujifilmカメラにRawTherpaeeを使われている方も多いようで、海外のサイトまでしっかりを目を通せば回答が得られる可能性があります。

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