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フィルム時代は機材ありきの写真生活

2017年04月10日 00:00

提灯

提灯


Contax RX, Planar 85mmF1.4


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写真、カメラ雑誌を買わなくなったのはいつからだったろう。フィルムカメラをやめたのが2006年くらいだったからそれ以前、優に10年以上は買っていない。デジタルになってからは図書館で主要な写真、カメラ雑誌を読む程度で、それも5年くらい前が最後だったと思う。

今日はそんなお話を・・・。

フィルム時代、写真、カメラの知識を得るのは雑誌やHOWTO本しかなかった。アサヒカメラ、日本カメラは毎号買っていて、興味の無い機材でもおおよその仕様は暗記出来るくらい雑誌の隅から隅まで読んでいた。

しかし今になってみると仕様などの数値は別にして、我々はカメラマンやライターのレポートを100%信じるしか無かった。ヤシコンのZeissレンズに至っては(記憶に間違いがなければ)赤城耕一氏のZeissの主要レンズを紹介していた書籍で学んでいて、彼の言葉を100%信じていたと言って良い。

勿論、仮に内容に嘘、偽りがあったとしても結局は今よりも当時の方がブランド買いをしていたカメラマンが多かったろう。Zeissだから優れているに決まっている、高いんだから質が良いのは当たり前。あとは赤城氏などの言葉を引用しさも己が体験したかのように仲間と話し合う。

そして面白いのがその嘘の体験談を誰も疑おうとしなかった点。結局は各自、Zeissの情報は赤城氏を含めた数人のZeiss好きのプロカメラマンから得ていただけだから全く同じ内容の情報しか知らなかった訳だ。

「Zeissレンズは解像力は値段の割には大してないものの、コントラストが高い描写になるのでシャープの像を結ぶ」

これが正しいのか否かなんてアマチュアで体験したカメラマンなんていないんじゃなかろうか?。それでもこれはカメラマンの中で常識であり、それは事実として受け止めていた。

この頃、(これまた記憶が正しければ)EOS使いのポートレート系カメラマンの増田賢一氏が初めてEF50mmF1.8の費用対効果が高い!、と様々なメディアで伝えていたが、「いや、それでもEF50mmF1.4を持っているからそんなレンズ要らねぇし、人に50mmF1.8なんて絶対に薦められねぇよな」、そんな会話が日常だった。EF50mmF1.8の描写なんて見た事もないのに平気でそう言ってしまう。

あの頃は「高かろう良かろう」、「安かろう悪かろう」、それが当たり前、EF50mmF1.8なんて恥ずかしくて使えなかった。50mmならEF50mmF1.4が当たり前だし、欲を言えばEF50mmF1.2Lを誰もが望んだ。

レンズメーカーのレンズなんて糞同然だった。Tamronは28-200mmと言った高倍率ズームと90mmのマクロレンズはそれなりに評価を受けていたし、Sigmaは28-70mmと70-200mm(210mmかな?)のF2.8ズームが純正の半額くらいで買えるので使用しているカメラマンも多かった。しかし・・・。

Sigmaに28mmF1.8と言うレンズがあった。結構な期間愛用していたが、最終的には純正のEF28mmF1.8に買い換えている。描写力どーの、そんな比較なんてしない。純正が良いに決まっているし、この頃のSigmaの28mmF1.8はボディ内モーターで動かすタイプでジーコジーコと煩く、Canon EOSを使うなら意味の無いレンズだった訳だ。

「普通は純正選ぶぜ!、レンズメーカーは貧乏人が使う代物だろっ!」、大きな声では言わないが、そんな思考のカメラマンは少なくなかったと思う。TokinaとCosinaなんて「わざわざそのメーカーのレンズを使う意味が判らない」、結果「あまのじゃくで変な奴」、そんなレッテルを貼られてしまう。そんな時代だ。

本ブログでしつこい程「どんなレンズでもA3くらいのプリントだったら粗なんて見えない」、と言っている。糞にも満たないレンズだと言い続けているPentaxのDA18-55mmF3.5-5.6だってA3プリントなら十分鑑賞出来る。当時もSigma 28mmF1.8とEF28mmF1.8を比較して六つ切り程度のプリントで優劣なんて付く筈は無い、それを理解していたけれど、なんだかんだと「ブランド買い」するのが日常だった。

比べやすいのは絞りを開けた際のボケであるが、実際には全く同じシチュエーションで撮り比べて初めて理解出来る代物であり、光の加減がほんの少し、1/3段でも違っていれば比較出来る代物で無くなる。だからPlanar 50mmF1.4とEF50mmF1.4の違いを実体験で理解している人なんてほとんどいなかったと思う。

「Zeissはボケが柔らかい、Nikkorは解像力が高いが反面ボケが硬い、EOS EFはその中間でAFが驚速、だからシステムとして優れているのはCanon EOS!」

私はそんなイメージを常に持っていた。ところが良く良く考えるとコントラストが強いZeissレンズならボケも汚くなる筈なんだが・・・。しかもZeissの一部のレンズはF4くらいから絞りの形状が手裏剣のようになってしまう。所持していたPlanar 85mmF1.4がそうだった。背景に点光源があったら絞り込んだらボケは汚くなる筈。

結局は写真、カメラ雑誌で書かれている事を信じるしかなかった時代だ。プロが断言しているだから間違いないし、そんな事を反論しても不毛でしかない。

Planarの85mmF1.4はF4まで絞り込んじゃいけないレンズなんだろう。絞ってしまえばどんなレンズも描写は一緒!。F2.8までの描写を語らなくちゃならない時代だった。

50mmレンズはF8まで絞って良いけど85mmレンズは絞ってもF2.8。それ以上絞り込んだらそのレンズを使う意味が無い。絞って使ったら最後、ピントを外すのを怖がっている女々しい奴、男気がないと言われる。
きっと今も尚、当時、田中長徳氏に影響を受けてロシアレンズを含め、オールドレンズを愛用しているカメラマンも多いと思う。

しかもだ!。突然思い出した。

フィルム時代、ロシアレンズ収集家と会話する機会があったのだが、彼は何故かガイガーカウンターを持っていた。「放射能を浴びているレンズとそうでないレンズとでは描写が違う!」、その為にガイガーカウンターを買ったんだと。チェルノブイリ原発事故の影響でキエフで造られたある時期のレンズは放射能を浴びているからそのレンズを集め始めたと言うんだ。

ここまで来るとそんじょそこらのマニアじゃない。気持ち悪さを感じた。この人は単なるマニアだから実害はなかろうが、福島の原発事故を思い出し、そういう思考を持っている人も少なからずいる筈で、だから風評被害が減らないのだろうと考えさせられる。

放射能がレンズの描写に影響を与えるかどうかは置いといて、当時はとにかくプロカメラマン、先輩方、その道のマニアの言葉が真実であった。

ところが今はどうでしょう!。

情報はインターネットに転がっている。国内外のレビューサイトを覗けばその機材の全ての性能を知る事が出来る。もう写真雑誌やHOWTO本なんて不要だ。またプロカメラマンやライターの言葉を信じてはならぬ、今は「はっ!、この提灯持ちが!」と平気でライターを罵れちゃう時代になった。

デジタル化のお陰で自分の目で「質」を確認出来るようなった訳だ。自分の目だけ信じていれば良い。知ったかぶり、見栄を張る必要がなくなったのは非常にあり難い。

そんな今の時代のお話はまだ次回!。


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コメント

  1. ド素人志向 | URL | CjlWd7YA

    ご無沙汰しております。

    昨年、一昨年とカメラ物欲は消滅していたのですが、桜の季節にNEX-5n外付けEVFを落として修理に出したのを機に遅ればせながらGX7中古ボディ、NEX-6PZキットときて某氏のブログを参照しK-S2 18-135キットをポチってしまいました…

    勿論α6000の方を欲しかったですが16-50PZ込みで2マソぐらい違ったのでレンズ欲しさに止む無く慣れ親しんだソニー1600万画素センサーですが5nより一回り大きく専らGX7に某氏オススメの12-50EZ付けて今日も桜満喫してきました(汗)

  2. ド素人志向 | URL | CjlWd7YA

    因みに純正以外のレンズデビューは35年くらい前でME-superにtokinaの25-50&100-300です(爆)

  3. ピンぼけ小僧 | URL | 6GgKOieI

     社会人になって写真は一度やめたので、フィルムカメラ時代いいレンズは使用していません。
    minolta純正レンズは55mmと135mm、24mmはコムラー、標準ズームはサンでした。
     近所の人がヤシコンのZeissレンズを大量に保有していますが、Canonのフルサイズにマウントアダプタじゃピント合わせが大変で防湿庫の肥やしになっている状況です。

     増田賢一氏がNikonで費用対効果が高いと推奨のAF-S 50mmF1.8Gを私は入手して使っています。ちなみに私の知り合いの美術家の女性の旦那さんが増田賢一氏で何度かお会いしています。

  4. auf | URL | 3eyVfeeo

    今でもライカ,ツァイスのレンズは高いですけどね.(笑) 僕はアサヒカメラを
    立ち読みするのみで田中長徳や赤城耕一とか全然知らなかったなぁ.RTSのレンズは
    造りからして国産とは一味違うし絞りリングもガタ皆無でいい感じ.きっと写りも
    いいんだろうなと思って使っていました.(笑)

  5. BigDaddy | URL | -

    > ド素人志向 さん

    たいそう買われていますね。1台のカメラを大切に使うのも用途に合わせてマッチするカメラにどんどんと買い換えていくのもどちらもカメラ好きとしては否定できないものがありますよね。私もK-5は長く使いましたが、他は取っ替え引っ換えですから(笑)。

    ME Superの時代は恐らくまだレンズメーカーが沢山あった時代ですよね。それはそれで純正以外を楽しむのは間違いではないのかもしれません。私が写真にハマり出したのはAF全盛時代でしたので純正以外はペケ、そんな風潮でした(笑)。

  6. BigDaddy | URL | -

    > ピンぼけ小僧 さん

    私が写真にハマったのはAF全盛時代だったのですでにサンとかコムラーと言ったブランドはありませんでした。良く覚えているのが、秋葉原のアメ横デパートの中にカメラ屋さんあるのご存知でしょうか?。

    そこで在庫処分(恐らくどこかのバッタ屋から大量に買い付けたんだと思うんですが、FDマウントのマキノンのズームが仰山あって買った事があります。当時はインターネットなんてありませんからマキノンが果たしてどんな代物なのかちっとも知らないで買いましたねぇ。

    マスケンさんが推奨したのってEF50mmF1.8じゃなくてニッコールの50mmF1.8でしたっけ?。うーん、記憶が曖昧です。確かあの方、EOS使いだったような気がするのですが・・・。それとも両方のF1.8バージョンを薦めていたんですかね。

  7. BigDaddy | URL | -

    > auf さん

    Leica用レンズは全く知らないのですが、Zeiss系は今の方がボッタクリ感があります。と言うのもヤシコン時代のZeissは長い間販売していたので末期になると初期の中古がかなり安く買えたんですよね。ですから95年以降ですかね、安くなった初期のAEモデルを買い漁っていました。

    手裏剣絞りになるのはそのドイツ製のAEモデルなんですよ(笑)。日本製になってから一般的な絞り形状になったそうです。その事から当時Zeissはボケ云々は気にしていなかったって話、真実味がありますよね。

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