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カメラマン心理の不思議

2010年10月17日 00:00

「トタンのある風景」

トタンのある風景

Pentax K20D, SMC FA28-70mmF4AL

※ブログに視覚要素を加えるlightboxを導入しています。上記画像をクリックすると少し大きな画像をポップアップして見る事が出来、暗くなった部分をクリックするか、画像下部のCloseをクリックすると元に戻ります。また複数枚の掲載の場合、写真上の左右をクリックすると画面が遷移します。



ただ写真が好きなのでなく、カメラやレンズにある種の拘りを持っているカメラマン、特にフィルム時代から写真、カメラに親しんでいる人達の心理って自分も含め面白い、不思議だなぁと感じる事があります。

と言うのも・・・。

※以下、写真初心者の方は楽しめる内容になっていると思います。ベテランは「そーだ、そーだ、そうだった」とノスタルジィに浸って下さい(笑)。

フィルム時代、ポジフィルム(リバーサルフィルム)は撮ったフィルムのコマをライトボックスやプロジェクターを通してそのまま見る事が出来ます(いわゆる透過原稿と呼ばれる物)。プリントする際も、一部でインターネガ方式を利用するカメラマンもいますが、大半はほぼ原稿(フィルム)と同じようにプリントされるダイレクトプリントが主流でした。つまりポジフィルムは撮影した瞬間に作品が完成している事になります。

思えば、90年代初めだったでしょうかね(パソコンがまだWindows 3.1の時代です)、当時勤めていた会社に英語版のphotoshop Ver3があり、コダックのフォトCDでデジタル化した写真画像をそれで加工出来ると知った時は驚きでした。

トリミングは勿論の事、アンダー、オーバー、色彩傾向、さらにはモノクロ化も出来ちゃう。まさにカルチャーショックでした。しかし当時はまだフィルムをデジタル化してそれを加工するなんてプロの現場を除いては誰もが許さざるべき行為と思っていた節があります。

カラー写真をモノクロ化するなんて言語道断だし、トリミングと言う写真技法でさえ嫌っていたカメラマンが多かったんです。ですからアマチュアの中でもプロに限りなく近いカメラマンと言う人種は視野率100%のファインダーを持つ高級カメラを好んだりしていた訳ですね。

デジタルになった今でも視野率100%をうたう一眼レフは希少で、大半のカメラは95%~97%くらいでしょう。要するに周辺部がファインダーからは見えていない事になります。結果、フィルムの四隅に無駄な物が写ってしまう現象に悩まされるのです。

今回の写真がそう。自転車の位置に注目して下さいませ。この辺でいいやぁでなく、絶対にここに置きたかった、ドンピシャリ、この位置に置かないとこの写真は成立しない!、そう思ってパチリしたものです。でも使用機種はPentax K20D、このカメラは視野率が95%で、ファインダーで見た像を信じてしまうと自転車はさらに内側に入り込んでしまうんです。

下の写真を御覧下さい。おおよそファインダーではこんな感じに見えていて初めて上の写真の位置に自転車が来るんです。つまり、視野率を考え、推測して自分の立ち位置、構図を決めないと、後からphotshopで一回り小さくトリミングしないとならなくなります。


トタンのある風景(サンプル)


この原稿がデジタルでなくポジフィルムだったと思って下さい。トリミングするなんて恥ずかしい、そんな風潮の時代、視野率95%のカメラを使い、「四辺の外側、5%が余計に写ってしまう事」が頭からすっぽりと抜けていたら、どーにもならん訳です。今回の写真だったらまだ良いでしょう。もし、この写真、自転車の左ハンドル付近に邪魔な草がペンペン生えていたら、それだけでカッコ悪い。作品としては成立しません。

ですから自分のカメラがどれくらい余計に物が写るか(視野率100%のカメラでも実際には98~99%)、知っていないとならない事になります。当時はCanon EOS、Canon FD、Contax RTSシリーズ、Pentaxと10台以上のカメラを使用していましたので、それぞれ微妙に写る範囲が異なり、相当神経質になっていましたね。

ちなみにこれがネガフィルムを利用し、一般的な写真屋さんにお願いする機械焼きの場合は、プリント時に実は10~15%くらい周辺が削られるんですよ。つまり視野率100%のカメラを使っていたら実際にはそのうちの85%~90%くらいしかプリントされないんです。

本日掲載した写真はファインダーで構図を決めてから20センチくらい前に進んでいますが、ネガフィルムで機械焼きをする場合は、構図を決めてから最低でも半歩は後ろに下がらないとまともな構図になってくれないんですね。

「写真は寄るべし」なんてHOWTO物や入門書に書かれていますが、原稿や成果物によっては「写真は下がるべし」って事にもなるんですねぇ~。

さて、これを踏まえて、ここからようやく本題に入るんですね(笑)。

写真がデジタルになった今、photoshopで加工するなんて当たり前ですよね。それ以前にカメラ内部でアートフィルターとかでホワイトバランス、色彩、コントラスト等の調節が出来ちゃうのですから、今更、写真は撮影した時の状態で見せなくてはならないなんてのはナンセンス以外のなにものでもない訳です。

トリミングにしたって最近ハマっているRicoh GX100やGXRを利用しての1:1のスクエアフォーマット。これは単にカメラ側でソフト的な処理、4:3の原稿が1:1になるようにトリミングしているだけですから、それをカメラ側で設定するか、撮影後、photshopで1:1にトリミングするのと結果は全く同じですよね。

でも、上述したような神経質なフィルム時代を過ごしていたので、叶うのなら撮影後の処理はしたくない、そんな思いが未だに多々あるんです。カラーをモノクロにしたり、彩度やコントラストをphotoshopで変化させるのはもう慣れっこになりましたが、未だに馴染めないのがトリミング。

勿論、ちょっとしたトリミングくらいは平気でしちゃいます。今回の写真はじっくり被写体と対峙する事が出来たので、トリミングしないような構図で撮影しましたが、咄嗟の撮影の場合は、ここまで気を使えませんからね。

でも大胆なトリミング・・・。カメラに1:1の設定があるGX100やGXRではそれを多用するけれど、Pentaxの一眼レフを使用し3:2で撮影後(3:2フォーマットしか存在しない)、それをphotshopで1:1にトリミングするのには未だに抵抗があるんですよね(笑)。

でもこのネタを機に、Pentaxの一眼レフでもスクエアにトリミングし、ここに掲載してみようかなと、ちょっと冒険心が沸いて来たとでも言えば良いでしょうか。

少なくとも画質に関してはGX100よりもAPS-Cフォーマットの一眼レフの方が遥かに優れているのですから、構図と画質を優先させるのだったら一眼レフでスクエアが最適なんです。何せ私はスクエアの写真が一番美しいと思っているタイプのカメラマンですから。

願う事なら、どんなサイズのセンサーでもいいですから、スクエア専用に設計されたセンサーを持つカメラをどこかのメーカーで発売して貰えないだろうか?、なんて思っています。

ソフト的に1:1にするのでなく、センサーそのものを1:1にすれば、それ専用のレンズ設計になって行くのですから、例えば超広角レンズを使用したらしっかりと四隅に周辺光量不足や像の流れ(歪曲含め)が再現出来る訳です。レンズの旨みとはそういう事を言う訳ですから、ハードウェアがそうでなくちゃならんのです。


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コメント

  1. ゆたか | URL | LkZag.iM

    こんにちは。

    京セラが岡谷市?にカメラを寄贈したそうですね。

    これだけ多く写真ブログを書いている人がいるのにフィルムのことなんて

    ほとんど話題にならない時代になりましたね。

    写真文化も時代とともに変わっていくのでしょうか。

    フィルムをデジタル化する時のほうが、フォトショップを使うのが皮肉です。

  2. BigDaddy | URL | -

    >ゆたかさん

    京セラはカメラマンを裏切った最低の会社、カメラ部門からの撤退を強要した稲盛はA級戦犯、私はずっとそう思っています。だから氏が会長に就任したJALも一気に嫌いになりましたよ(笑)。

    フィルムカメラ、そうですねぇ、フィルムの良さを伝えるのには無理がありますからねぇ、デジタルの方が遥かに便利ですから。でもフィルム文化はやはり残すべきだと思っています。これからもちょくちょく、フィルムに付いて書いて行きます!。

    「フィルムをデジタル化する時のほうが、フォトショップを使うのが皮肉です」、いやぁ仰る通りです!(笑)。フィルムスキャナーで完璧なものは存在しませんからね。ゴミ取りから始まり、ネガフィルムなんてかなり彩度が異なる事が多く、photoshopでの作業はかなり多いですもんね。



  3. まりす | URL | Fu/cmvJM

    BigDaddyさん、こんにちは。

    今日の話はわたしには少し以上に難しかったですが、大いに興味を抱いています。
    わたしも少し前にトタンの家を撮ってきたんですが、やはりスタイリングがBigDaddyさんのと比べるとかなりしょぼい気がします。。
    上手い人と比べてはいけませんよね。。

    やはりスクエアーの方が画的に面白いんですね。

  4. BigDaddy | URL | -

    >まりすさん

    今回の話は、要約すると、しっかりとフレーミングしたつもりなのに何故か周辺に無駄なものが映っていた、何故だろう?、ってお話で、これは視野率100%のカメラを買うしかないって事なんです(一般的なコンパクトデジタルカメラの液晶画面は視野率100%ですが、一眼レフと言うカメラは視野率100%のカメラは少ないんです)。

    どんな風景でもそうだと思うのですが、上手い、下手も多少はあるでしょうが、他人よりも良い風景を見つけたらその人の勝ちだと思っています。カメラマンは風景ハンターとでも言いましょうか。

    スクエアフォーマットは好き嫌い分かれるでしょうね。スクエアの難しさって縦長横長よりも、フレームを引かないと部分的にしか切り取れない事で、無駄なものが多く写るんですよ。

    以前は写真に無駄は必要ないなんて風潮でしたが、今は、如何にその無駄な部分を脇役、添景として押さえるか、これがキーなのではないでしょうか。その面白さがスクエアにはあると思っています。

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