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Pentaxのカスタムイメージについて その2

2012年10月15日 00:00

矢切の渡しを渡ってみると・・・

矢切の渡しを渡ってみると・・・

Pentax K-5, Sigma AF17-70mmF2.8-4OS HSM

※ブログに視覚要素を加えるlightboxを導入しています。上記画像をクリックすると少し大きな画像をポップアップして見る事が出来、暗くなった部分をクリックするか、画像下部のCloseをクリックすると元に戻ります。



前回の記事の続きを・・・。

また今回の写真達はいちいちカメラ内で再現像するのが面倒だったので(笑)、全てPentax Digital Camera Utility 4で処理しているから、純粋なPentaxカラーでない事を初めにお断りしておく。まぁパソコンモニターのカラーキャリブレーションがそれぞれなので、余程のPentaxマニアでも気にならないと思うけど。

Pentax K-30の仕様を見ると、カスタムイメージの種類はK-5に加え、ポップチューンとクロスプロセスが加わったようだ(K-5にクロスプロセス処理は存在するが、カスタムイメージとは別に独立している)。

しかし面白い事にカスタムイメージ内の各種設定項目はK-5の方が多いようで、K-30には例の判り辛い「コントラストハイライト」と「コントラストシャドー」がない。

K-30の方が新しく、若者向きだから(20~30代男子がターゲット?)、ポップチューン、クロスプロセスと言った派手目のカスタムイメージを追加したが、K-5、K-7の方が上位機種、それが微かに判った瞬間。

さて、うちのK-5(K-7も)はこの特殊な「コントラストハイライト」、「コントラストシャドー」の2つは常に最大の+4に設定にしている。

「コントラストハイライト」は空の雲を考えると判りやすい。真っ青な空に真っ白な雲、そんな時には特に必要としないが、空色が薄く、雲もボンヤリとしている天気の方が多く、そんな時に空の色を変えずに雲のディテールを出す事で、雲が浮かび上がってくる。

「コントラストシャドー」も試せばすぐに理解出来ると思う。見た目に黒く潰れた部分のディテールが出てくる。ある種のシャドーのダイナミックレンジ補正と思っても良いかもしれない。

「コントラストシャドー」を+に補正すると黒く潰れたディテールが出てくる?、そう、ここが判り辛い。この考え方はカメラの露出補正や、Lightroom ver4と同じ。白い、明るいものを白く明るくするには+側(右側)へ、黒い、暗いものを黒く暗くするには-側へとなる。

だからシャドーのコントラストを高めたい時は+側でなく-側に設定するのだ。同じくハイライトのコントラストを抑えたい時は-側に設定せねばならない。

K-7からの露出傾向として、シャドー側のディテールを出す方向性となってしまったのと、K-7は高感度ISO、ISO1600くらいでかなり強烈がノイズが乗ってしまい、ノイズはシャドー側で目立つからより汚く見えてしまう。

そんな時はシャドーを潰せば良く(黒色ではノイズが見えない)、シャドーコントラストを-側に設定する(シャドーのコントラストを上げる)と具合が良くなる。

そしてこの2つのコントラスト補正は「キー」と関係してくる。「キー」も露出補正と同じく+側(右側)へセットすると中庸部分明るく、-側(左側)にセットすると中庸部分が暗くなってくる。

私はこれを-側に設定しているので(中庸部分を暗くする)、「コントラストハイライト」で明るい部分のコントラストを上げ、「コントラストシャドー」で暗い部分のコントラストを下げる事によって全体のバランスを保っている。

しかし困った事に「コントラストハイライト」、「コントラストシャドー」、「キー」の3つは全体をコントロールする「コントラスト」の影響を大きく受ける。だから色々と設定していると次第に訳が判らなくなってしまうのだった(笑)。

私はカメラ内で現像したJPG、もしくはTIFFファイルをLightroomで最終調整するので、コントラストが高過ぎるとレタッチし辛く、カメラのカスタムイメージ内「コントラスト」はデフォルトの0か僅かに緩める-1に設定する事が多い。

独特のカスタムイメージの「銀残し」、デフォルトは「キー -4、コントラスト +4」である。これは明るい風景でさほど輝度差の無い場合にはこの設定のままで使えるが、全ての風景にマッチしない。そこで「キー」を-4から-3に変更してやり、「コントラストシャドー」を+4、「コントラスト」を+4から+3にする事で、シャドー側の黒潰れが減り、多くの風景で使えるカスタムイメージになってくれる。

さらにそのまま「銀残し」最大の特徴でもある彩度の低さを無視し、「彩度」を+4にし、「コントラスト」を+4から+2に落とす事で地味であるが、味わい深くなり、緑が多い自然写真にも使えたりする。下の1枚目はデフォルトの「銀残し」、次が今書いた設定に変更し、色温度を5000Kから4170Kにしたものだ。

※最初の1枚の「銀残し」はPDCU4の絵なので、これをPentaxカメラの銀残しと思ってはいけない。PDCU4の銀残しのクオリティは非常に低く、デフォルト状態ではまず使えない場合が多い


参考1


参考2


「銀残し」の真逆とも言える「ほのか」、これは女子写真のような彩度が弱く、ハイキーな写真になってくれ、ハマってくれると面白いが、やはり一般的ではないカスタムイメージだろう。

でもこれも「キー」を+4から+2へ、「ハイライトコントラスト」を+4、「シャドーコントラスト」を-4、「シャープネス」を-2から0~+2に変更するだけでほぼどんな風景でも扱えるようになる。次の写真は最初のがデフォルトの「ほのか」、2枚目が変更したものだ。


参考3


参考4


話はダイナミックレンジへ。Pentax K-5、K-7(K-30でもそうかな?)は、ハイライト補正とJPGファイルのみ影響を受ける「シャドー補正」がある。これがあるからまた厄介。

ハイライト補正はRAWに働くもので、100%真っ白く飛んだ部分はRAW現像でも救えなず、そしてこの補正は再現像時には利用出来ない、だからドピーカンの日中は輝度差がある事が多いので、常にオンが望ましい。

これをオンにすると最低感度がISO200になるが、感度拡張で最低感度をISO80にしておく事で、最低感度がISO160になってくれる。絞りの関係でどうしてもISO80、ISO100を使いたい以外はやはり日中は常時オンが望ましい。

問題はRAWは関係なく、レタッチ処理としてJPG、TIFFファイルに働くシャドー補正だ。これがオフ、オン(3段階)の設定でデフォルトではオフだ。

これをオンにするとカスタムイメージの「シャドーコントラスト」に大きな関わり出てくる。「シャドーコントラスト」を+側に設定していれば、さらにシャドー側のディテールが出てくれるだけだが、-側に設定していると、せっかくシャドーのコントラストを高めてるのに、シャドー補正をオンにする事で、明るくなってしまう風景もある。

よってカスタムイメージの「シャドーコントラスト」を-側に設定している場合は(黒の締りを良くしたいから-側にしているのだから)、シャドー補正はオフ、これをお勧めしたい。「シャドーコントラスト」を+側に設定しているのなら、風景に応じてシャドー補正を使うのが良いだろう。

私個人は今夏、ひまわり畑を撮影した時は流石にシャドー側のコントラストがきつく、シャドー補正を2くらいにしていたが、普段はオフだ。この辺は微調節が可能なLightroomに任せる事にしている。

本日トップの写真は近頃のお気に入り設定。カスタムイメージの「鮮やか」を利用し、彩度を-1、色相を+2、キーを-2、コントラストを-1、コントラストハイライトを+4、コントラストシャドーを+4にし、ハイライト補正をオン、シャドー補正をオフにしたもの。

彩度を-側にしているは、昨年の秋、紅葉を撮影した時、確かその時はカスタムイメージの雅(MIYABI)を利用していて、紅葉だから少し派手にと彩度を+1にセットしたら、PLフィルターを装着していた事もあったろうが、赤色が飽和してしまった。

※デジタルカメラの多くは赤色が飽和しやすいらしい

勿論、RAWで再現像すれば問題はないのだが、JPGでもそれなりの絵になってくれないと面倒が増える。そこで最初から彩度を少し下げた方が、後から何か設定するのも楽かな・・・、そんな理由もある。

それとこの設定は、フジフィルムのプロビアに似たような濃度、コントラストに仕上がってくれると勝手に思っており(彩度を下げているのでプロビアとアスティアの中間くらい)、近頃、再現像する際はこの設定を使っている。

勿論、撮影中のカスタムイメージは地味で特徴も何もないが、失敗も少ない「ナチュラル」である(笑)。

次の最初の写真は「鮮やか」のデフォルトの絵だ。Pentax K-5のデフォルトがこの色合いなので、決して悪くは無いが、個人的には中庸部分が明る過ぎだと感じるのと、トップ写真の彩度を落として、キーやハイライトとシャドーのコントラストを変更した絵と比較すると、意外と派手な割にハイライト(雲の部分)の描写が弱い事が判ると思う。

ここで見せたいのは手前の柳?、もそうだが、やっぱり雲、ここの描写がしっかりしていないと良い写真にはならないと思っていて、だとするとトップの写真かな思っている。


参考5


また雲をより際立たせるのなら、上に掲載した「銀残し」のデフォルト、これをPhotoshopで読み込んで、シャドー部の露出をやや持ち上げ、特に黒く落ち込んでいる手前の3本の木部分だけを覆い焼きした次の写真も良いと思う。


参考6



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コメント

  1. ハッセルじいちゃん | URL | lalX43Vc

    こんばんは!
    すごく凝った加工をされたのですね。
    僕もラストの写真が良いと思います。
    異次元な色合いではありますが、ただ綺麗な写真は何も伝わりませんが、これは重厚感もあり、涌き立つ雲が光って見えます。

  2. BigDaddy | URL | -

    > ハッセルじいちゃん さん

    最後の写真を除き、カメラ1台でピンキリに現像出来るのがPentaxの特徴かもしれません。
    しかし、それを活かして写真を撮っている人ってさほどいない気がするんですよ。本文にも書きましたが、色々な事が出来るからこそ、面倒でそんな事をしない訳です(笑)。でも撮影中で無く、自宅で色々と弄って自分らしい色を作る、これを怠るなんてデジタル写真では勿体無い、今回はそんな主旨で書いてみました。

    最後の写真は最終的にphotoshopで加工していますが、やっぱりここで見せるのは雲なんですよね。モノクロレタッチで赤フィルターを足したり、赤外線風にしても良いのですが、カラーだからこそ面白く、色転びなんてど~でも良いと思っています(笑)。

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