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デジタルVSフィルム

2012年11月24日 00:00

YOKOHAMA

YOKOHAMA

Canon EOS-1NRS, EF50mmF1.4

※ブログに視覚要素を加えるlightboxを導入しています。上記画像をクリックすると少し大きな画像をポップアップして見る事が出来、暗くなった部分をクリックするか、画像下部のCloseをクリックすると元に戻ります。



先月、AXNミステリで放映された「バーナビー警部(英国ドラマ)」は面白かった。フィルムカメラマンVSデジタルカメラマン、そんなプロットで物語が進み、互いが敵対、憎しみ合う中、双方のカメラマンが殺される・・・。

ある田舎町の写真コンテストで「今年はデジタル写真を禁ずる」、デジタルカメラマンが締め出しを食らったところから物語は始まる。最後はその図式は無関係でいわゆるありがちな愛憎による犯行だった訳だが、これが2007年の話ってのが面白い。

その中でデジタルカメラマンがぶら下げているカメラを見てフィルムカメラマンが「わおっ、最新のD2Xだ!」、「12.2メガピクセルだぜ!」、「12.2メガ・・・!」、「どうだ、使ってみるか?」、「・・・」、と言うシーンがあった(デジタルを否定しているが内心は興味津々)。

D2X、勿論Nikonの当時のデジタル一眼レフのフラッグシップモデルであるが、調べてみるとこれは2005年の発売だそうで、恐らく翌年に発売されたD2Xsについて語っていたのだろう。

2006年、2007年と言えばフラッグシップ、高級機が1000万画素を越え、中級機は1000万画素以下が主流だったようだ。手元にあるCanon EOS30D(820万画素)と、昨年まで使っていたPentax K10D(1000万画素)も2006年発売だ。

日本でもその頃はデジタル派とフィルム派が真っ向から対決していたんじゃなかろうか?。私が初めてデジタル一眼レフを手にした2009年でさえ、階調はどっち、解像力はどっち!、と様々な意見が飛び交っていた。

特に海外では日本よりもレタッチの技術、文化が進んでいて、例えばナショナルジオグラフィックのカメラマンの中にはすでにその頃にはデジタルカメラに移行している人も多かったらしい。

デジタルがフィルムを越えたか否か・・・、これは不毛の話だが、越えたと思って良いだろう。作業効率を考えればフィルムはすでに過去の遺物だ。一部ではスローフードが流行っているが、マジョリティはファーストフードであるのと同じで、写真の世界もせっかちな方が有利である。

近頃、ひとつの言葉、表現に対して過敏に反応し、嫌がらせコメントを書き込む面倒臭い輩がいるが、ファーストフードの対義語は厳密にはスローフードではないらしい


デジタルカメラマンは撮影し、帰宅後すぐにプリンターに出力すれば良く、オンタイムで全世界に写真を提示出来るが、フィルムの場合は現像処理が必要で、それがリバーサルフィルムであればプロラボに出さない限り、数日から1週間のタイムラグがある。

モノクロフィルムにせよ、暗室に篭っての様々な作業が、デジタルであれば複雑な覆い焼き、焼き込み処理を施しても快適な空調の効いた部屋で10分足らずで相当凝った写真を作り上げられるだろう。

カラー、モノクロと撮り分けるにはカメラが2台必要なのがフィルム、炎天下での撮影後、暗い屋内での撮影ともなれば感度の高いフィルムを装てんし直せねばならないが、デジタルならばボタンを幾つか押すだけでカラーにもモノクロにもなり、高感度撮影さえも出来てしまう便利さもあろう。

紅葉の季節、行ったはいいがまだ色濃く出ていない、もしくはすでに茶色になってしまった・・・、そんな時でもデジタルは色相を変えてやるだけで燃えるような紅葉風景になってくれる。フィルムではそうは行かない。

単純な話だ。餃子を餡から作るか、冷凍餃子を焼くかチンするだけか・・・。どちらが美味しいとは言えない。冷凍餃子でクオリティが高い商品もあるし、自家製の餃子でたまげる程不味いものだってある。そしてその反対も然り。

しかし良く良く考えると、どちらが自家製餃子、冷凍餃子か判らなくなる。モノクロフィルムは除き、カラーフィルムの場合、リバーサルでもネガでもカメラマンは写真を撮るだけが仕事だ。現像、プリント工程は専門家に委ねる事になる。カメラマンが介在出来るのはせいぜいプリントの仕上がりを指定するくらい。

一方デジタル写真は撮影から現像(レタッチ)、プリントまでカメラマン自らが行える。好みに合わせて事細かに満足するまで写真をいじり倒せる。ただ焼くしかない冷凍餃子の方がフィルムカメラマンを比喩するには良いかもしない。

無論、だからフィルムは劣り、デジタル写真が良い、そんな話ではない。今の時代にデジタル写真が適しているだけに過ぎない。

私はもうフィルムにはさほど興味が沸かない。少なくとも135フィルム(一般のフィルム)、135用カメラは使わないと思う。フィルムを使うのだったらブローニー、6x6カメラと心に決めている。

だからフィルムの良さをここで述べようと思っても全く浮かんでこない。モノクロフィルムを使って自家現像、プリントをしないのであれば、フィルムカメラマンは写真を撮るだけが己の作業だ。これに何を見出せるか・・・。

結局、機材の話になってしまう。フィルム時代の特に70年代までのカメラ・・・、フィルムの装てんから始まり、フィルム送りは右手の親指に仕事をさせ、自分の目を信じて、レンズのピントを調節し、シャッターを押す、この一連の作業はたまらない。

また当時のカメラの外装は真鋳だったりするので、使い込んでいくと塗装が剥がれ地金色が出て、これがまたカッコイイ。かつて、敢えてCanon NewF-1AEでは外観がボロボロのカメラを買って、さも自分で使い倒したような顔をして写真を撮っていた。

機材への愛着度は明らかにフィルムカメラの方が勝っている。各メーカーの当時のカメラは美しい工芸品と称えても良い。それが135でなく中判、大判フィルムを用いるカメラともなれば持つ喜びは半端じゃないだろう。

デジタルカメラにも金属外装モデルが幾つかあるが、今の主流はマグネシウム合金で、これが見た目如何にも安っぽく、プラスチックボディよりは良いとは思うが、「美」を追求する分にはありがたみは全く感じない。やはりデジタルカメラは家電だ。

「うちのテレビは東芝だ!、俺のはソニーだぜ!、いやいや会社は危ないが、質はまだまだシャープだろ!」

家電マニアじゃない限り、こんな会話をしたってちっとも面白くない。「綺麗に映っていればどれでもいいじゃないか!」、それと同じで、やれCanonだ、Nikonだ、Pentaxだ!、なんて叫んだところで、これまた全く面白くない。

各メーカーのカメラを使っている訳ではないので、使い勝手やカタログに現れないような部分がどの程度高クオリティか判りかねるが、少なくとも出てくる絵に関しては、センサーの違い(大きさ)によって高感度域の耐性が変化するだろうが、今の基準としてフォーサーズ系を含め、低感度からISO3200までしっかりと使えるカメラが多く、どんぐりの背比べと言って良いだろう。

(自分の用途において)現時点での理想カメラはNikon D600とSony Nex-7だと思っているが、それを強調したところで、CanonユーザーやPenaxユーザーがD600、Nex-7を買うとは思えず、好きなメーカー、たまたま手に取ってしっくりしたカメラ、口コミで上位にあるカメラ、各自がそうやって好き勝手に選ぶだけの世界になってしまった。

加えて、来年にもなればD600やNex-7でさえ陳腐に思えるカメラが出てくる可能性が高く、それは今後毎年ずっと続く。まさに家電だ。

そう言えば先日、アメリカで活躍されている俳優、尾崎英二郎氏のコラムを読んだ。映画、ドラマは字幕版と吹き替え版どちらが良いのか、それを主旨としたもの。

あなたは作品をどちらで観るか..."字幕版"? それとも"吹き替え版"?<前編>
あなたは作品をどちらで観るか..."字幕版"? それとも"吹き替え版"?<後編>

何かフィルムカメラVSデジタルカメラの図式と似ている気がした。

子供時代、海外の映画やドラマは全て吹き替えだった。アラン・ドロンは野沢那智、クリント・イーストウッドは山田康雄、初代ジェームズ・ボンドは若山弦蔵、コロンボのピーター・フォークは小池朝雄(後に石田太郎)と決まっていた。

コロンボの字幕版は見た事がないが、他の海外俳優の字幕版を見るとちょっと違和感を持つ。慣れ親しんだ事もあるし、いにしえの憧れとでも言おうか。フィルム、フィルムカメラにはそれと同じような思いもあるのかもしれない。

音楽にたとえると21世紀の今でも40年代、50年代のモダンジャズが好まれているのと似ている。私はその時代には生まれていないが、ジャズと言えばまずは50年代だ。マイルス・デイヴィスであり、ジョン・コルトレーンであり、アート・ブレイキーであり、彼らの生の姿なんて見た事はないけど、聴いているだけで凄さが伝わってくる。

そして「ジャズを聴く」、「ジャズを嗜んでいる」、どことなくカッコイイと思うでしょう?。これはステータスにも繋がっている。ジャズを理解出来る、ジャズの文化、歴史を知っている、これは会話では武器になる。フィルムも一種のステータスとでも言おうか。「フィルムを使っている」と言うだけで周囲は注目、それだけで、その人の写真が優れていると勘違いしちゃう。

本日の写真もフィルムカメラから。もう10年以上前の風景。場所は横浜港近辺。有名な産業遺構の根岸競馬場を見に行った帰りに海まで出てウロついた時のコマ。で・・・、肝心の根岸競馬場の写真が見つからない!。


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コメント

  1. ハンドル職人 | URL | Ko3VlV3g

    こんばんは!

    本当にフィルムは全然使わなくなってしまいましたね。(悲)
    そういえば今現在私の唯一のフィルムカメラ Canon NewF-1AEも
    たまに空シャッターを切ること位であとはほとんど防湿庫の肥となっています。(笑)
    でもファインダーを覗く度に「あ~やっぱりフィルムカメラはいいなぁ~」と実感します。
    そのうち気が向いた時にでも使いたいですね。いっそのことネガかモノクロ専用機として
    使うのもありかな?!、なんて思ったりもします。
    いつになることやらですね。(笑)


  2. けっちり | URL | -

    こんばんわ。
    k-5購入にあたりいろいろ見て回ってるうちに読みふけってしまいました。

    フィルムカメラは写るんです、もしくはAPSフィルム程度にしか触ったことのないような私がデジタル一眼と出会い(K100D→IstDS→K-X)、数年使って中級機を持とうと決心したのが2週間前で昨日k-5を手にしてその進化と映し出す画像に驚いています。デジタルで手軽になったことにより、私のようなライトユーザーにもファインダーを覗く喜びが手軽に味わえるいい時代になったと思います。
    初見で乱筆で申し訳ないです。
    また読ませて頂きます。

  3. BigDaddy | URL | -

    > ハンドル職人 さん

    フィルムの良さ、これを感じる事が出来なくなっていますねぇ。フィルムカメラの良さでフィルムを使うのも私には意味がないんですよねぇ。確かにNewF-1のファインダーは最高ですよね。AFなんてイラネェと思う程ですが、時代はもう少しでEVF全盛ですからねぇ(笑)。

    フィルム写真は、フィルムと言う素材やカメラはアナログであっても本文に書いた通り、実際にアナログ的な作業をするのはデジタル写真だったりする、これに気付いた瞬間にフィルムは遠のきました。

  4. BigDaddy | URL | -

    > けっちり さん

    コメントありがとうございます。

    K-5のご購入おめでとうございます。K-xからのステップアップには良いカメラだと思います。露出だけですね、気をつけねばならないのは。今月末から来月初めくらい4回か5回の大きなネタですが、K-5を中心に、高感度、例えばISO25600や、ISO51200でもレタッチすれば十分に使えるぞ!、そんな内容を掲載する予定なので、ご期待下さいませ。私自身、この手法を知り、世界が変わりました。

    今後ともどうぞ宜しくお願い致します。


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