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コンポジット法でノイズを消しちゃおう! その1

2012年11月30日 00:00

昭和アパートの図

昭和アパートの図

Pentax K-5, Sigma AF17-70mmF2.8-4OS HSM

※ブログに視覚要素を加えるlightboxを導入しています。上記画像をクリックすると少し大きな画像をポップアップして見る事が出来、暗くなった部分をクリックするか、画像下部のCloseをクリックすると元に戻ります。



Sony Nexシリーズのシーンセレクションに「手持ち夜景モード」がある。これは複数枚を自動的に撮影し、構図を整えて合成しノイズ軽減させる機能。残念ながらISO1600が上限との事で、あまり意味のない機能であり、これをPhotoshopでやっちまおうってのが今回のネタ。

このネタは5回くらい続くので、「コンポジット、加算平均」、こんな言葉、初耳なんて方は是非とも今後10日間熟読して頂きたい。

「コンポジット」、これは元々天体写真を撮るカメラマンが昔から使っていた手法ならしい。これを知ったのはだいぶ前の事だが、天体写真は撮らないので、分野が違うと勝手に思っていた。ノイズを消す働きがあるまでは目にしていたけど、実際にそれがどういうものかを理解したのはつい数ヶ月前の事。そしてびっくり仰天なのさ!。

Nexシリーズの手持ち夜景モード、こういう事は大概Photoshopでも出来ると思って調べてみて、これがコンポジット法(加算平均法)そのものである事が判り、となると、自動的に微妙に異なった構図の写真を上手く合成出来れば誰もが使える手法じゃないか!。

Photoshopは露出値の異なる複数枚の写真を合成してダイナミックレンジを広げるHDR写真を作る事が出来、これは自動的に構図を微調節してくれる機能が付いている。だったら多分メニューのどこかに自動合成部分だけが独立して存在するでしょ!?。

色々と調べてみるとどうやら編集メニューの中の「レイヤーを自動整列」、これが複数写真の構図微調節を行ってくれる事が判り、あとはコンポジットしてやるだけ!。実際に体験してびっくり!。ISO6400のノイズが綺麗さっぱり消えちゃうのだから。K-5、Sonyセンサーの高感度耐性もあり、ホントに見事にノイズだけが綺麗に消える!。

どういう原理でこうなるのか良く判らないのだが、写真のノイズ(フィルムの粒子も含め)は1コマ1コマランダムに発生し、どうもそれを利用してノイズを消している(消えちゃう?)らしい。また、一般のノイズリダクションと異なり、ディテールは失われないので、塗り絵のような眠たい写真にもならない(ノイズが見えなくなるので、若干甘い描写に見えるが)。

必要なのは・・・、複数の写真の構図を微調節してピッタリ合わせてくれる機能を持っていて、レイヤーが使えるレタッチソフトだけ。

手元にあるものではPhotoshop CS5がそれに該当する。そしてこの機能はCS4でもCS3にもある。但し、残念ながらPhotoshop Elementsには構図の微調節合成機能がない。

単純な話、何枚撮っても構図が1ピクセルとも変化ない、つまり三脚を用いて10枚くらい同じ露出、同じ構図で撮影すればレイヤー機能のあるレタッチソフトがあれば誰もがこのコンポジットを体験出来るが、そもそも三脚を利用するのだったらわざわざ画質が荒れる高感度は使わないでしょって話にもなってしまう。

※長時間露光せねばならない天体写真や風景では長時間ノイズが出るので三脚を使ってのコンポジットは有意義

Elementsでもやってやれない事はない。Photoshop CS系が自動で処理してくれる作業を手動で行えば良いが、これはレイヤー1つ1つを矢印キーやマウスを使って1ピクセル単位で左右上下、さらには回転させてピッタリの像を作らないとならず、恐らくかなり難儀だと思う。

ではPhotoshop CS5を使った際の方法を解説しよう。

1、複数枚撮影する

同じ構図、同じ露出、同じホワイトバランスで4~12枚くらい撮影する。手持ち撮影なので、短時間で撮影が完了するカメラの連写機能を使った方が良いだろう(1枚1枚撮影していたら同じ構図で撮影していてもかなりずれてしまう)。

経験上、Pentax K-5のISO6400であれば4枚あればISO800程度の画質になってくれるが、幾ら動かずに素早く連写してもブレていたり、構図が大きくずれていたりするので、保険を掛け6枚以上撮影し、その中から構図のズレが少なく、ピンボケでないコマを使用する。

ISO12800であれば6~8枚。K-7やK20DだとISO3200でもかなりのノイズ量なのでやはり8枚はあった方が良いだろう(K-7はバッファが少ないのでRAW+で撮影していると8、9枚しか連写出来ないので止まるまで押し続ければ良い)。

とにかく当たり前だが1ミリたりとも動かない事が大切なのと、ズレた部分はトリミングする必要があるので(下の5番)、必ず意図した構図よりも一回り以上大きく撮影する事。

また広角レンズはズームレンズを利用していると歪曲補正を掛ける必要も生じる事があり(その分さらにトリミングが必要になる)、カメラを構えて、これじゃぁ広過ぎ!、と思うくらいが丁度良い。

2、全ての写真をレイヤーで重ねていく

Lightroomをお持ちなら撮影した写真をライブラリモジュールから全選択し、マウス右クリックし、「他のツールで編集 - Photoshopでレイヤーとして開く」を選択すれば勝手にPhotoshopが立ち上がり、レイヤーとして重ねてくれる。

Photoshopからファイルを読み込むのなら、メニューから「ファイル - スクリプト - ファイルをレイヤーとして読み込み」を使えば勝手に1つのオブジェクト内にレイヤーとして配置してくれる。

3、レイヤーを自動配列する

1つのオブジェクトに利用する写真が全てレイヤーとして配列されたら、そのレイヤーを全選択し、メニューから「編集 - レイヤーの自動配列」を選ぶ。ポップアップ画面が開くので、投影法は「自動設定」。多少の構図のズレであればこの自動設定で問題なくズレを検出し、構図を調節してくれる。

この時、ズレが修正出来ないコマが出てくる時もある。構図が大きくズレていたり、コマにブレが発生していたり、細かい葉っぱ等の複雑な風景だったり・・・。構図が大きくズレているコマがあったらそのレイヤーを削除して、最初からやり直し、そうでなかった場合は、投影法にて他の設定も試してみよう。

それでも駄目だったら・・・。諦めるしかない(笑)。ただ、2枚だけでもノイズは減るのでズレの補正が出来たコマが2枚だったとしても喜ぶべき。

色々な風景でテストを重ねた限り、しっかりとホールドして短時間で連写し終えた複数枚の写真ならば余程の事がない限り、自動設定で構図を整えてくれる。構図微調節の成功率は100%に近い。

要はここがミソ。Photoshop CS系ではこれが使え、Elementsでは使えないので、この部分を手動で調節しないとならない。かなり大変。ずれを修正するレイヤーモードを「差の絶対値」にし、等倍の状態でレイヤーを左右上下、回転を矢印キーとマウスで1ピクセル単位でずらしてピッタリにするしか術はない。

2枚の写真なら1分くらいでずれを修復出来るが、それが10枚ともなると10分、左右上下だけでなく、回転も含んでいたらさらに10分・・・。出来ない事はないが大変な作業を強いられる。短気の私には無理。

4、レイヤーの不透明度を下げる

一番下にあるレイヤーの不透明度を100%とし、上のレイヤーに行くに従い不透明度を下げていく。下から2番目は100/2で50%、3枚目は100/3で33%、4枚目は100/4で25%としていく。もし8枚ならば5枚目は100/5で20%、6枚目は 100/6で16%、7枚目は100/7で14%、最後の8枚目が12%となる。

実はPhotoshopのヘルプを見ていたらもっと簡単な方法を見つけた。メモリを多く積んでいないと処理時間が掛かるが、それはボタン1つで上記と同様の処理を行ってくれる。これに関しては次回!。

5、構図微調節でズレた部分をカットする

3を行えば判るだろうが、思った以上に構図はずれているもの。だからそのずれた部分をカット、トリミングする。

だからズレによっては二回りくらい小さな写真になってしまうので、撮影時に意図した構図よりも大きく構図する事が大切なのだ。写真は寄るべき!、でも手持ち撮影でコンポジットする場合、写真は引く!。



これで完了だ。画像の大きさやパソコンの処理能力、合成する枚数により変化するが、Widnwos 7が搭載されているパソコンならば処理能力はある程度高いので、一連の作業は数分もあれば完了するだろう。CPU速度よりもどれだけメモリを積んでいるか、Photoshopが使えるメモリが4GBないと辛い。

完成した写真を等倍でご覧になって欲しい。K-5のISO6400相当の写真なら見事にノイズだけが削除されており、一般的なノイズリダクション処理と異なり、ディテールをほとんど失っていないのに驚愕されるだろう。ISO12800の風景なら8枚のコンポジットでノイズはほとんどなくなる。

これはRAWファイルだけでなくJPGファイルでも同じ作業が可能で、多くのJPG画像はすでにある程度のノイズリダクションが掛けられているので(イコール、ディテールも失われている)、コンポジットを前提に写真を仕上げる場合は、カメラ側のノイズリダクションをオフ、または弱に設定するべき。特にOlympusのPENデジはISO400でもノイズリダクションを掛けるのでオフにしよう。

200くらいの風景で試したところ、K-5のISO25600はISO4500相当に、ISO12800はISO1600相当のノイズとなり、ISO25600でもA3ノビプリントに耐えられるくらいノイズが軽減してくれた。最高感度のISO51200は風景を選ぶが、実用出来ると確信している。とにかくK-5ならISO25600までは確実にA3ノビでノイズが見えないクリアーが像をプリント出来るだろう。

これの凄いところは先にちょっと述べたが、例えば10枚連写したとしよう。しかし何故かブレていたり、構図が大きく違っていたりで、Photoshopのレイヤーの自動配列が上手く行かず、結局使えるコマが2枚しかなった。でもその2枚を重ねて上のレイヤーの不透明度50%にするだけでノイズは減ってくれる。4枚あったら確実に1段近くはノイズが減ると言い切っても良い。

使えるコマが少なかった場合は、ノイズリダクションが施されたJPG画像を使うか、まずはLightroomのノイズリダクションを使って軽めにノイズを取っておけばそれだけでも効果は高い。もしくはコンポジットした写真をTIFFで保存し、Lightroomでノイズリダクション処理を掛ける。

一般的なノイズリダクションを使うとディテールが失われるから、そうなったらPhotoshopのハイパスフィルター処理をしてやれば破綻せずにシャープネスな像を作ってくれる。

ちなみにコンポジット法を使ってノイズをカットし、さらにハイパスフィルターを使って像をシャープにする際は、レイヤーの一番下(元になる像、不透明度が100%のままのレイヤー)に対してハイパスする事。

一番下のレイヤーの複製を作る、これに対してハイパスフィルターを掛ける。ハイパスされたレイヤーの描画モードはこの場合に限って「ハードライト」を選ぶと良い。ハードライトはオーバーレイよりも強い効果が出る分、ノイズが出てしまうが、コンポジットでノイズを減らしているので、ハードライトで処理した方が良い。

そしてこのハイパスされたレイヤーにアンシャープマスクを掛けてやる。描画モードがハードライトになっているので、シャープを掛けた瞬間にカリカリの像になってくれる。ノイズが多く出てしまうようだったら、ハイパスされたレイヤーの不透明度を100%から下げて行こう。

下は本日の写真の部分切り出しだ(マウスクリックで等倍状態になります)。ISO6400で撮影して、全くノイズが見られないでしょ?。4枚の写真を合成しただけでここまで良好な写真になるのだ。


参考1


参考2


参考3


参考4


まぁK-5のISO6400はこれくらいの色が少ない、カラーでもモノトーンのような風景ではLightroomでノイズを処理してやるだけでほとんどノイズは消えてくれるが、コンポジット法を使うと、シャープさを保ったままノイズを消してくれる、デジタルだからこそ我々は活用せねばならないだろう。

Photoshop CS系をお持ちでない方、朗報である。フリーソフトで上記と同様の作業をやってくれるソフトがある。誰でも無料でコンポジット法によってノイズだけをクリアにしちゃうツールがこの世に存在するのだ!。でもまだ教えない(笑)。このネタは数回続くので、その中で紹介したいと思う。

次回は、Pentax K-7やRicoh GX100のとんでもないノイズを消した作例を掲載しようと思う。

いや、消したと言ったら御幣がある。K-7とGX100の高感度域はとにかくノイズが半端でない。K-7のISO3200、GX100のISO800はK-5のISO12800~25600に相当するので、明るい風景なら消し去れるが、暗い風景だと流石に完全にノイズを消す事は無理。とは言えA3ノビくらいには耐えられると思う。

時に不思議なのは、K-5はカメラ内でHDR合成が出来る。手持ちでも合成出来るようにカメラが勝手に構図の微調節を行っている。だったら何故、Sonyのカメラのようにコンポジットによるノイズ軽減機能を搭載しなかったのか?、非常に不思議。

Sonyと同じ事をしたくなかったのか?、特許が関わるのか?。いや、このコンポジットは調べる限り、Sonyが採用する以前、フィルム時代から使われていた手法なのだからSonyと同じ事をしたって誰からもお咎めは食わないし、 むしろ皆から喜ばれる機能だった筈だ。

最後に注意点を。

当たり前だが、連写中、被写体が動いたらその部分はカッチリとしたブレ、多重露光のような幽霊のように背景が透けて見えちゃうか・・・。HDR界では透ける事からゴーストと呼んでいるらしい。10枚の連写に2秒掛かるとしたら2秒間動かない被写体でないと効果はなく、葉っぱがゆらゆらする自然風景や、街風景でも風の強い日、お店ののれんやのぼりが揺らいだ瞬間にアウト。

人物、動物写真では2秒間、瞬きもせずに止まれる被写体でないと使えない手法だ。赤ちゃんや動物の場合は、寝ている時は大丈夫だろう。

でもこれは表現法としてはは長時間露光と類似するので、葉がブレていたり、人物が半透明になっているのも面白いと思う。そして私はこのゴーストと呼ばれるもの、全く気にならないのだった(笑)。

動いているものは半透明になる、これを逆手に取って、三脚などでカメラを固定出来れば、数秒のインターバルで10数枚撮影すれば、ノイズを取る云々以前に、人通りの激しい場所でも人が全く写っていない、そんな風景も撮れる。


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コメント

  1. i.Marks | URL | -

    こんばんは

    私も、蛍撮りや星景写真などでコンポジットを使ってますが
    このソニーの手持ち夜景や人物ぶれ軽減モード(これはうろ覚えですがもう少しISO値が上げられる様な記憶があります)
    を使った時はぶっ飛びました(笑)皆さんが三脚使って難儀して撮ってる所ですっと来て
    多少機能的に制約もありますが、その横や後ろで高速シャッターをパパパパッと切って
    わずか数秒でカメラがその場で合成してくれるんですから (^_^)
    しかもビックリ、パノラマも出来ちゃいます!
    わざわざ家に帰ってからコマを選択してバッチ処理とは言え何分も掛けて合成してるのが
    馬鹿らしくなりますね(笑)
    技術の進歩はすごいですね!

  2. BigDaddy | URL | -

    > i.Marks さん

    おお!、やはり夜景関連を撮影されるカメラマンにはコンポジットが当たり前なんですね。うーん、もっと早く知っていればと悔しい気持ちですよ~。

    この記事を書いたのはもう2週間くらい前なんですが、その後調べるとSonyの他にCanonのEOS Kissにも同様の機能があるようです。ISO25600くらいまで使えるみたいです。

    高速シャッターでパパパパッ・・・、確かに羨ましいです。さて、実はこれ、調べた限りではネットでも情報が無かったのですが、コンポジットで合成してノイズを軽減する場合、レイヤーモードをスクリーンにすると像が明るくなりますよね。

    1週間後くらいのネタでもあるのですが、それを利用すると、例えばISO6400じゃないとブレるし適正露出を得られなかったとしても、あとからスクリーンを使って明るくする事を考えて1段下のISO3200でわざと露出アンダーの写真を撮っておいても良いんですよね。現像で露出を上げるよりもノイズは出ませんから、いやぁ、つくづく、もっと研究するべきだったと後悔しています。

    Pentax K-5は3枚のJPGをHDR合成するだけで25秒掛かりますから、コストを下げるとこういうカタログでは判らないところに欠点が出ちゃいますよね。他社と比較してどれだけしょぼい内部メモリを搭載しているのか・・・、K-5II、IIsってその辺の修正は一切されていないので、興味が無いんですよねぇ。

    私は当分、家で長時間掛けて合成しますよ(笑)。

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